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もやしはマッチョに進化した!
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「はじめまして、トウショウ家のメンディーです」
そう言って、儚げに微笑む少年はどう見てももやしで、守られるべきヒロインにしか見えない。
私よりもヒロインヒロインしてやがるぜ。
た、頼りない。こんなもやし入り刀削麺となんて結婚したくない。
「はじめまして、アームストロング家のキシリアです」
名乗っておいて思うのだが、筋肉質だからアームストロングか、安易すぎる名前だな。センスのかけらもない。
「よろしくお願いします」
こっちくんな!という叫び声を抑えてなんとか挨拶をすると、刀削麺は頬を赤く染める。
え、私は筋肉がないとそこそこ美少女なのかしら?
「今回はただの顔合わせですから、気楽にいきましょう。その、縁談が成立してもしなくても今後の関係は良好のままです」
そう言って、メンディー恥ずかしそうに目を逸らした。この世で、恥じらっていいのはマッチョだけだ。
あちら側の気遣いが、皮を剥いた時に出る蜜柑の汁のように、目にしみそう。
婚姻できなくても仲良く行こうぜ!という事なのだろう。
つまり婚約破棄し放題だ!
爵位は同等。公爵家。喧嘩上等。だったらさっさと縁談話は無しにした方が絶対にいいだろう。
今なら笑い話で済むだろうし。
「刀削麺。いえ、メンディー様」
「何か?」
メンディーは興味深そうにこちらを見る。
頼りないけれど、人は良さそうな気がした。足りないのは筋肉だけだ。
だけど!それが一番大切なの!
「もやしは好きじゃありませんの」
私は、無意識に傷つけないようにしようとして、オブラートに包んで、メンディーが好きではないと口に出していた。
「もやし?なんですかそれは?」
メンディーはもやしを知らないようで、不思議そうに首を傾ける。
まさか、この世界にはもやしがないのか?
いや、そんなことどうでもいい。オブラートに包みすぎて彼には理解できなかったようだ。
「え、痩せぎすの男は好きじゃないんです。少し、こう、ガッチリした男性が私は好きなんです。筋肉の巨乳に挟まれたいのです」
そう、私は筋肉でパイズリがされたいのだ!前世では筋肉質に触れることもできなかった。だから、今世こそはその願いを叶えたい。
「僕にはそこまで筋肉はありませんが……」
「ええ、ですから」
『この縁談はなしにしましょう。お互いの利点がありませんから』そう続きの言葉を吐くことは出来なかった。
「つまり僕が逞しくなったら結婚してくれるという事ですね」
「えぇ!?」
なぜ、その方面で頑張るんだ!
湿布で頭痛が治ると信じて疑わない、脳筋になるのはやめてほしい。
「ちなみに、どんな方が好きなんですか?」
「わたし、お母様みたいに逞しい方が好きですの」
私は5年後これを言ったことを後悔することになる。
「キシリア。愛しいひと」
まるで、おろそしー指輪を手に入れたようなゴブリンのような発言。
しかし、メンディーの放つオーラは暑苦しい。
両肩にはメロンパンを乗せているかのごとく逞しい。
想像以上に彼の筋肉は発達していた。
しかし……。
「ねぇ、早く、キシリアのお嫁さんになりたいの」
そう言って恥じらう姿は乙女。さらに。着ているものは破裂寸前のドレスだ。
お嫁さんという聞き捨てならない言葉。
「なんでお嫁さんなの?」
「だって言ってたじゃない。お母様みたいな人がいいって」
私は、縁談話しを断る時に適当に言った言葉を思い出していた。
筋肉は好きだけど!女装したマッチョは違う!
そう言って、儚げに微笑む少年はどう見てももやしで、守られるべきヒロインにしか見えない。
私よりもヒロインヒロインしてやがるぜ。
た、頼りない。こんなもやし入り刀削麺となんて結婚したくない。
「はじめまして、アームストロング家のキシリアです」
名乗っておいて思うのだが、筋肉質だからアームストロングか、安易すぎる名前だな。センスのかけらもない。
「よろしくお願いします」
こっちくんな!という叫び声を抑えてなんとか挨拶をすると、刀削麺は頬を赤く染める。
え、私は筋肉がないとそこそこ美少女なのかしら?
「今回はただの顔合わせですから、気楽にいきましょう。その、縁談が成立してもしなくても今後の関係は良好のままです」
そう言って、メンディー恥ずかしそうに目を逸らした。この世で、恥じらっていいのはマッチョだけだ。
あちら側の気遣いが、皮を剥いた時に出る蜜柑の汁のように、目にしみそう。
婚姻できなくても仲良く行こうぜ!という事なのだろう。
つまり婚約破棄し放題だ!
爵位は同等。公爵家。喧嘩上等。だったらさっさと縁談話は無しにした方が絶対にいいだろう。
今なら笑い話で済むだろうし。
「刀削麺。いえ、メンディー様」
「何か?」
メンディーは興味深そうにこちらを見る。
頼りないけれど、人は良さそうな気がした。足りないのは筋肉だけだ。
だけど!それが一番大切なの!
「もやしは好きじゃありませんの」
私は、無意識に傷つけないようにしようとして、オブラートに包んで、メンディーが好きではないと口に出していた。
「もやし?なんですかそれは?」
メンディーはもやしを知らないようで、不思議そうに首を傾ける。
まさか、この世界にはもやしがないのか?
いや、そんなことどうでもいい。オブラートに包みすぎて彼には理解できなかったようだ。
「え、痩せぎすの男は好きじゃないんです。少し、こう、ガッチリした男性が私は好きなんです。筋肉の巨乳に挟まれたいのです」
そう、私は筋肉でパイズリがされたいのだ!前世では筋肉質に触れることもできなかった。だから、今世こそはその願いを叶えたい。
「僕にはそこまで筋肉はありませんが……」
「ええ、ですから」
『この縁談はなしにしましょう。お互いの利点がありませんから』そう続きの言葉を吐くことは出来なかった。
「つまり僕が逞しくなったら結婚してくれるという事ですね」
「えぇ!?」
なぜ、その方面で頑張るんだ!
湿布で頭痛が治ると信じて疑わない、脳筋になるのはやめてほしい。
「ちなみに、どんな方が好きなんですか?」
「わたし、お母様みたいに逞しい方が好きですの」
私は5年後これを言ったことを後悔することになる。
「キシリア。愛しいひと」
まるで、おろそしー指輪を手に入れたようなゴブリンのような発言。
しかし、メンディーの放つオーラは暑苦しい。
両肩にはメロンパンを乗せているかのごとく逞しい。
想像以上に彼の筋肉は発達していた。
しかし……。
「ねぇ、早く、キシリアのお嫁さんになりたいの」
そう言って恥じらう姿は乙女。さらに。着ているものは破裂寸前のドレスだ。
お嫁さんという聞き捨てならない言葉。
「なんでお嫁さんなの?」
「だって言ってたじゃない。お母様みたいな人がいいって」
私は、縁談話しを断る時に適当に言った言葉を思い出していた。
筋肉は好きだけど!女装したマッチョは違う!
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