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終章
愛と欲望のケモノ
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「ユキ……」
「っ……こうが……ぁ……」
ある日の夜も、紅牙はユキをベッドに押し倒し、彼の身体に歯を立て肉を貫き、溢れ出た血を舌で掬って食していた。
初めの頃と違い、紅牙に与えられる痛みすらも快感に変わってしまったユキは頬を紅潮させて甘い声を漏らす。ずっと前から彼の身体……特に下腹部には熱が溜まっており、ユキは紅牙にその事がバレないように脚をぎゅっと閉じる。
けれども当然、紅牙はとっくにその事に気がついていた。だから、それを隠そうとするユキに悪戯したくなり、彼の下腹部をスラックス越しにそっと撫で始める。
「あっ……そこは……だめ、だ……」
ユキは紅牙の手を掴むだけで抵抗はしない。
紅牙はそれが何だか愉快で嬉しくて、ユキの下腹部を優しく撫で続ける。更にユキの首に噛みつき、そこに舌をゆっくりと這わせる。
「やだっ……も、むりっ……でるっ……!」
ユキは目に涙を溜め、ビクビクと身体を震わせながら達した。
「ふふっ……ユキはかわいいなぁ……」
「っ……かわいくない……」
恥ずかしさから顔を背けるユキの顎を、紅牙は掴んで無理やり視線を合わせさせる。紅牙は獲物を見つけた肉食動物のような瞳でユキを見下ろし、生唾を飲み込んだ後に舌なめずりした。
紅牙のギラギラした瞳を目にしたユキは、恐怖と興奮が入り混じたような表情でゾクゾクする。
「ごめんね、ユキ。こうなる前はユキを抱き潰したくて仕方なかったんだけど……。性愛は全部、食欲に変わっちゃったみたいで、今はユキの事を喰べてしまいたくて仕方がないんだ……。でも、血だけで我慢するから安心して?」
紅牙は恍惚とした表情でそう言い終えると、ユキの肩に噛みついて血を吸う。ユキを逃がすまいと、彼の身体をぎゅっと抱きしめ、腕にも噛みついて血を求め続ける。
「っ……こうが……指とか、腕とか……少しならっ……からだも食べていいっ……がまん、しなくていいからっ……」
ユキは痛みと快感に耐えられず、涙をポロポロと流しながらそれでも優しい声で必死に言葉を紡ぎ、紅牙の頭をそっと撫でる。
しかし、紅牙はユキの言葉に首を横に振る。それから腹に噛みついて血を舐めた後、下着ごとスラックスを脱がすとユキの太腿に歯を立てた。それと同時に、再び熱を持ったユキのモノを掴み、もう片方の手で互いの指を繋いだ。
「っ……やっ……んなことっ……しなくて、いいからぁ……」
紅牙は太腿をねっとりと舐めながら、透明な体液が溢れ出るユキのモノを手で弄ぶ。
「~~~~~っ……」
しばらくしてユキは真っ赤な顔で繋いだ指に力を入れて、空いてる方の手の甲を噛んで必死に声を我慢しながらまた達した。
「ふふっ……ユキの方こそ声、我慢しなくていいのに……」
紅牙は目を細めながらそう言った後、手についた白濁液を舐め取る。
「ちょ……なにして……」
「あぁ……ユキと舌を絡めるキスをしてる時もね、空腹が満たされていく感覚があったからさ。ユキの体液なら何でも満たされるのかなと思って試しに舐めてみたんだ。そしたらやっぱり血や唾液と同じで、これもとっても甘くて美味しかったから……」
そこで紅牙は言葉を切ると、ユキと唇を重ねて口内を味わうように舌を絡めた。そしてユキの唇を解放すると、にこりと微笑みながら再び口を開く。
「だからユキの事、たくさん気持ちよくしてあげるね?」
紅牙はユキの頬を撫でながら、甘ったるい声でそう囁いた。
その声と言葉に、ユキは期待と少しの恐怖を抱きながらも小さく頷く。
愛らしい返事に紅牙は喉を鳴らすと、薄っすら涙が浮かぶユキの目に軽くキスしてから彼の胸に噛みついた。
【END】
「っ……こうが……ぁ……」
ある日の夜も、紅牙はユキをベッドに押し倒し、彼の身体に歯を立て肉を貫き、溢れ出た血を舌で掬って食していた。
初めの頃と違い、紅牙に与えられる痛みすらも快感に変わってしまったユキは頬を紅潮させて甘い声を漏らす。ずっと前から彼の身体……特に下腹部には熱が溜まっており、ユキは紅牙にその事がバレないように脚をぎゅっと閉じる。
けれども当然、紅牙はとっくにその事に気がついていた。だから、それを隠そうとするユキに悪戯したくなり、彼の下腹部をスラックス越しにそっと撫で始める。
「あっ……そこは……だめ、だ……」
ユキは紅牙の手を掴むだけで抵抗はしない。
紅牙はそれが何だか愉快で嬉しくて、ユキの下腹部を優しく撫で続ける。更にユキの首に噛みつき、そこに舌をゆっくりと這わせる。
「やだっ……も、むりっ……でるっ……!」
ユキは目に涙を溜め、ビクビクと身体を震わせながら達した。
「ふふっ……ユキはかわいいなぁ……」
「っ……かわいくない……」
恥ずかしさから顔を背けるユキの顎を、紅牙は掴んで無理やり視線を合わせさせる。紅牙は獲物を見つけた肉食動物のような瞳でユキを見下ろし、生唾を飲み込んだ後に舌なめずりした。
紅牙のギラギラした瞳を目にしたユキは、恐怖と興奮が入り混じたような表情でゾクゾクする。
「ごめんね、ユキ。こうなる前はユキを抱き潰したくて仕方なかったんだけど……。性愛は全部、食欲に変わっちゃったみたいで、今はユキの事を喰べてしまいたくて仕方がないんだ……。でも、血だけで我慢するから安心して?」
紅牙は恍惚とした表情でそう言い終えると、ユキの肩に噛みついて血を吸う。ユキを逃がすまいと、彼の身体をぎゅっと抱きしめ、腕にも噛みついて血を求め続ける。
「っ……こうが……指とか、腕とか……少しならっ……からだも食べていいっ……がまん、しなくていいからっ……」
ユキは痛みと快感に耐えられず、涙をポロポロと流しながらそれでも優しい声で必死に言葉を紡ぎ、紅牙の頭をそっと撫でる。
しかし、紅牙はユキの言葉に首を横に振る。それから腹に噛みついて血を舐めた後、下着ごとスラックスを脱がすとユキの太腿に歯を立てた。それと同時に、再び熱を持ったユキのモノを掴み、もう片方の手で互いの指を繋いだ。
「っ……やっ……んなことっ……しなくて、いいからぁ……」
紅牙は太腿をねっとりと舐めながら、透明な体液が溢れ出るユキのモノを手で弄ぶ。
「~~~~~っ……」
しばらくしてユキは真っ赤な顔で繋いだ指に力を入れて、空いてる方の手の甲を噛んで必死に声を我慢しながらまた達した。
「ふふっ……ユキの方こそ声、我慢しなくていいのに……」
紅牙は目を細めながらそう言った後、手についた白濁液を舐め取る。
「ちょ……なにして……」
「あぁ……ユキと舌を絡めるキスをしてる時もね、空腹が満たされていく感覚があったからさ。ユキの体液なら何でも満たされるのかなと思って試しに舐めてみたんだ。そしたらやっぱり血や唾液と同じで、これもとっても甘くて美味しかったから……」
そこで紅牙は言葉を切ると、ユキと唇を重ねて口内を味わうように舌を絡めた。そしてユキの唇を解放すると、にこりと微笑みながら再び口を開く。
「だからユキの事、たくさん気持ちよくしてあげるね?」
紅牙はユキの頬を撫でながら、甘ったるい声でそう囁いた。
その声と言葉に、ユキは期待と少しの恐怖を抱きながらも小さく頷く。
愛らしい返事に紅牙は喉を鳴らすと、薄っすら涙が浮かぶユキの目に軽くキスしてから彼の胸に噛みついた。
【END】
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