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第一章 恐怖のテンシ
第1話 GAME START
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さまざまな生き物が混ざり合った禍々しい体に、いろんな植物の花びらや葉に似た翼が無造作に生えた怪物。幼い子供のような声で無邪気に笑うその怪物に、鳴無旋は大切な存在を奪われた。
「旋……どうか、御前さんは生きてくれ……」
優しい笑みを浮かべたまま、徐々に粒子となって消えゆく大切な相棒。
ホッとしたような表情で、怪物の口の中へと消えていく大切な友人。
『GAME OVER』
友人が怪物に飲み込まれてすぐに、無慈悲な機械音声とゲーム終了のアナウンスが流れた。
「ふふっ……次は必ず、君を喰べてあげる。だからまた遊ぼうね」
相棒と友人を手にかけた怪物は、そう言い残して上空へと姿を消した。
旋は伸ばしていた手を脱力させ、傷だらけの彼の身体は地面へと沈み込む。制服も緑のパーカーもボロボロで、血や土で汚れている。
辺りには誰のものか分からない血の臭いと、怪物の花のような残り香が充満している。その匂いに包まれながら旋は涙を流し、徐々に意識を手放していく。
「すまない……」
逞しい腕の誰か……友人の相棒が旋を抱き上げ、苦しそうな声で謝罪する。旋は彼に、『謝らないでほしい。悪いのはジブンだから……』と伝えたかった。だが、もう声を出す力も残っていない。
旋の閉じた瞼に一滴、液体が落ちてきた。それが彼の涙だと気づいても、旋は瞼を開く事もできない。
「このような悲しい記憶、あっても辛いだけだろう。全て忘れた方が幸せだ」
旋が完全に意識を手放す直前、そんな彼の言葉が聞こえた――。
「――にぃ……旋にぃ!」
「わっ……! え……あ……夢、か……」
妹の声で目覚めた旋は、無意識に自分の体を確認する。学校指定の綺麗な制服の上に、緑のパーカーを着た体のどこにも異常はない。次に旋は辺りを軽く見渡し、電車に乗っている事を思い出すと酷く安堵した。
「大丈夫っすか……? すっごくうなされてたっすけど……」
白スカーフの黒セーラー服姿の妹が心配そうに、隣から旋の顔を覗き込む。そんな妹を安心させようと、旋はニコリと笑ってボブヘアのリツの頭を撫でる。
「大丈夫。なんか……あれ、なんだろ……」
(何か大切なことを忘れている気がする)
旋はなぜ目が覚めてすぐに自分の体を確認したのか、そもそもどんな夢を見ていたのか……思い出せなくて内心、モヤモヤした。けれども、それをリツに悟られないように、「変な夢を見てた気がするけど忘れた」と少しお道化る。
「大丈夫ならいいんすけど……。旋にぃが電車の中で寝ること自体、珍しいから少し心配っす」
「本当に大丈夫だよ。実は昨日、緊張してなかなか寝付けなくてさ。夜遅くまでジオラマとかを眺めてたせいで、ちょっと寝不足気味なだけだから……」
そこまで言ってふと、旋は昨夜の事を思い出す。
ジオラマや模型作りが趣味の旋の部屋には、たくさんの彼の作品が置かれている。その中に作った覚えが全くない、幻想的な世界観のジオラマが紛れ込んでいる事に、旋はふと気がついた。
ジオラマの中には大自然が広がっていて、その真ん中には二つの建物の模型がある。一つは外壁の色がアリスブルーの、オシャレでシックな西洋風の城。その隣りには、翠を基調とした神殿の模型が配置されている。
旋が顔を近づけて大きく開いた城の扉から中を覗けば、背凭れと座面部分が滅紫色の玉座のミニチュアが見えた。神殿の柱の隙間からも、同じような玉座が見え、こちらの色はフォレストグリーンだった。
いつからここにあったのか。それすら分からない、思い出せないジオラマの存在に、旋は頭を悩ませる。しかし、その事を考えれば考える程、意識は遠のいていき……旋はいつの間にかベッドで眠っていた。
夢の内容とそのジオラマは何か関係がある気がする。旋はそんな気がしたが、何も分からない。
「旋にぃ、ほんとに大丈夫っすか……?」
「大丈夫。まだちょっと寝ぼけてるだけで、めちゃくちゃ元気だから」
「それならいいんすけど……」
リツの問いにハッと我に返った旋は、とにかく妹を安心させようとまた笑った。
しばらくして鳴無兄妹は電車を降り、少し歩いた所にある港で、歳の近い同じ転入生達と共に迎えの船に乗った。
二人がこれから向かうのは、中高大一貫の名門校『皇掠学園』がある、『顛至島』と呼ばれる人工島だ。皇掠学園は年に二回、何かしらの才能に秀でた学生を、全国から百人前後スカウトしているらしい。
旋とリツは去年の秋頃、皇掠学園にスカウトされた為、それぞれ高校三年生と中学三年生になるこの年に、転入する事となった。
「旋にぃ! もうすぐで顛至島に着くっすよ!」
「ちょ……! あんまり身を乗り出したら危ないって!」
船の手すりから身を乗り出すリツに、旋はヒヤヒヤしながらも楽しそうな妹の姿に少しホッコリした。それと同時に奇妙な胸騒ぎもして、旋はその事に戸惑う。
船を降りてすぐ近くの簡素な建物内に、二人はキャリーバックと旋はリュックを、リツはギターケースを預けて広場へと向かう。その途中には統一感のないさまざまな建物があり、広場に近づくにつれ、旋の胸騒ぎは大きくなっていく。
転入生達が足を止めた広場の周囲にもいろんな建物があり、旋達の視線の先には大きな時計塔が建っている。
時計が昼の十二時を指した瞬間、妙に不気味で大きな鐘の音が鳴った。その音に旋はドキッとし、冷たい汗が背中を伝う。
鐘の音を合図に、時計塔の後ろから何かが姿を現す。たくさんの棘に覆われた、五メートルは超えている真っ赤な体。たくさんの彼岸花のようなモノが連なったそれはどうやら翼らしい。その棘だらけの生命体は、翼を羽ばたかせながら地面に着地する。
リツと一緒に後方にいる旋には、その生命体が何なのか分からない。分からない筈なのに、『あの怪物は危険だ』と内なる自分に言われた気がして、無意識にリツを後ろに隠すように一歩前に出る。
「キョフキョフ……オ前ラハ、今カラ、我々、テンシ様ノ餌ダ」
テンシを自称した生命体は、ガラガラ声の片言でそんな事を言い出した。
その怪物に恐怖を感じ、身動きが取れない者。大掛かりなレクリエーションでも始まったのかと、ざわつく者。冷やかしをいれる者など、転入生達の反応は様々だ。
旋は無意識の内に、斜め後ろに腕を伸ばしてリツの手を取っていた。いつでもリツを連れて、この場から離れられるように。
「旋にぃ……」
「大丈夫。にぃちゃんがついてるから」
不安そうなリツの声に、旋は振り向き、無理やり笑って見せた。
「餌共ニ、コノ俺様ガ、今カラ第一ゲームノ、ルールヲ説明シテヤル」
テンシのその言葉に旋は前を向き、一言も聞き逃さないようにルール説明を真剣に聞く。
「其ノ一。此ノ、『建物エリア』内ヲ探索シ、『鍵ト箱』ヲ見ツケ出セ。其ノ二。箱ノ中ニ居ル、『契約相手』ト、手ヲ組メ。其ノ三。制限時間ハ、時計ノ針ガ、一時ヲ指スマデ。其ノ四。ゲーム終了時ニ、契約相手ト、手ヲ組メナカッタ餌ハ、即座ニ喰ウ。コンナ風ニ――」
テンシはそこで説明を止めて、棘を一本伸ばした。その瞬間、なぜか嫌な予感がした旋は反射的に大声で「逃げてくれ!」と叫んだ。
その叫びも虚しく、伸びた棘は前方にいた一人の転入生の腹部を刺し、彼は悲痛な叫び声を上げる。その声にテンシは「キョフキョフ」愉快そうに笑いながら、棘だらけの体を真っ二つに開き、中から二つの大きなハサミと鳥のような顔を出した。
(これ以上はリツに見せてはいけない)
そう思った旋は、反射的にリツを正面から抱きしめ、妹の視界と耳を塞ぐ。その刹那、テンシのクチバシから炎が放たれ、刺された転入生の断末魔が響いた。更にテンシは愉快そうに嗤いながら、焼いた転入生をハサミで切りながらクチャクチャ、バリボリと下品に咀嚼する。
「尚、ゲーム中ニ追ッテ来ル、俺様ノ分身達ニ、捕マッタ餌モ、同ジ様ニ喰ワレルゾ。マァ、精々、必死デ逃ゲルンダナ」
その言葉を合図に周辺の建物の影から、同じ見た目の生命体が複数体、姿を現した。
一連の流れを目の当たりにした転入生達は当然、一斉に騒ぎ出す。だが、「黙ラナイト、喰ッチマウゾオォ!」とテンシが怒鳴り声を上げれば、転入生達は恐怖で凍りつく。
「キョフキョフ……俺様達ハ、慈悲深イカラナ。十四分ダケ、襲ワズ待ッテテヤル。デハ、ゲーム、スタートオォォ!」
テンシは有無を言わさず、声高々にゲームの開始を宣言する。この場にいる転入生達はその声に身体を震わせた後、各々何か言いながら逃げるように一斉に動き出した。
喧騒の中、旋はリツと逸れないように妹の手をぎゅっと握り直す。そして自然と動き出した足に従い、人の流れに逆らって斜め前の建物へと一直線に向かう。
(とにかくリツを守らないと……。何があっても、妹だけは絶対に守る。例え、ジブンがどうなろうとも)
微かに震えているリツの手の温もりを感じながら、旋はそう強く決心した。
「旋……どうか、御前さんは生きてくれ……」
優しい笑みを浮かべたまま、徐々に粒子となって消えゆく大切な相棒。
ホッとしたような表情で、怪物の口の中へと消えていく大切な友人。
『GAME OVER』
友人が怪物に飲み込まれてすぐに、無慈悲な機械音声とゲーム終了のアナウンスが流れた。
「ふふっ……次は必ず、君を喰べてあげる。だからまた遊ぼうね」
相棒と友人を手にかけた怪物は、そう言い残して上空へと姿を消した。
旋は伸ばしていた手を脱力させ、傷だらけの彼の身体は地面へと沈み込む。制服も緑のパーカーもボロボロで、血や土で汚れている。
辺りには誰のものか分からない血の臭いと、怪物の花のような残り香が充満している。その匂いに包まれながら旋は涙を流し、徐々に意識を手放していく。
「すまない……」
逞しい腕の誰か……友人の相棒が旋を抱き上げ、苦しそうな声で謝罪する。旋は彼に、『謝らないでほしい。悪いのはジブンだから……』と伝えたかった。だが、もう声を出す力も残っていない。
旋の閉じた瞼に一滴、液体が落ちてきた。それが彼の涙だと気づいても、旋は瞼を開く事もできない。
「このような悲しい記憶、あっても辛いだけだろう。全て忘れた方が幸せだ」
旋が完全に意識を手放す直前、そんな彼の言葉が聞こえた――。
「――にぃ……旋にぃ!」
「わっ……! え……あ……夢、か……」
妹の声で目覚めた旋は、無意識に自分の体を確認する。学校指定の綺麗な制服の上に、緑のパーカーを着た体のどこにも異常はない。次に旋は辺りを軽く見渡し、電車に乗っている事を思い出すと酷く安堵した。
「大丈夫っすか……? すっごくうなされてたっすけど……」
白スカーフの黒セーラー服姿の妹が心配そうに、隣から旋の顔を覗き込む。そんな妹を安心させようと、旋はニコリと笑ってボブヘアのリツの頭を撫でる。
「大丈夫。なんか……あれ、なんだろ……」
(何か大切なことを忘れている気がする)
旋はなぜ目が覚めてすぐに自分の体を確認したのか、そもそもどんな夢を見ていたのか……思い出せなくて内心、モヤモヤした。けれども、それをリツに悟られないように、「変な夢を見てた気がするけど忘れた」と少しお道化る。
「大丈夫ならいいんすけど……。旋にぃが電車の中で寝ること自体、珍しいから少し心配っす」
「本当に大丈夫だよ。実は昨日、緊張してなかなか寝付けなくてさ。夜遅くまでジオラマとかを眺めてたせいで、ちょっと寝不足気味なだけだから……」
そこまで言ってふと、旋は昨夜の事を思い出す。
ジオラマや模型作りが趣味の旋の部屋には、たくさんの彼の作品が置かれている。その中に作った覚えが全くない、幻想的な世界観のジオラマが紛れ込んでいる事に、旋はふと気がついた。
ジオラマの中には大自然が広がっていて、その真ん中には二つの建物の模型がある。一つは外壁の色がアリスブルーの、オシャレでシックな西洋風の城。その隣りには、翠を基調とした神殿の模型が配置されている。
旋が顔を近づけて大きく開いた城の扉から中を覗けば、背凭れと座面部分が滅紫色の玉座のミニチュアが見えた。神殿の柱の隙間からも、同じような玉座が見え、こちらの色はフォレストグリーンだった。
いつからここにあったのか。それすら分からない、思い出せないジオラマの存在に、旋は頭を悩ませる。しかし、その事を考えれば考える程、意識は遠のいていき……旋はいつの間にかベッドで眠っていた。
夢の内容とそのジオラマは何か関係がある気がする。旋はそんな気がしたが、何も分からない。
「旋にぃ、ほんとに大丈夫っすか……?」
「大丈夫。まだちょっと寝ぼけてるだけで、めちゃくちゃ元気だから」
「それならいいんすけど……」
リツの問いにハッと我に返った旋は、とにかく妹を安心させようとまた笑った。
しばらくして鳴無兄妹は電車を降り、少し歩いた所にある港で、歳の近い同じ転入生達と共に迎えの船に乗った。
二人がこれから向かうのは、中高大一貫の名門校『皇掠学園』がある、『顛至島』と呼ばれる人工島だ。皇掠学園は年に二回、何かしらの才能に秀でた学生を、全国から百人前後スカウトしているらしい。
旋とリツは去年の秋頃、皇掠学園にスカウトされた為、それぞれ高校三年生と中学三年生になるこの年に、転入する事となった。
「旋にぃ! もうすぐで顛至島に着くっすよ!」
「ちょ……! あんまり身を乗り出したら危ないって!」
船の手すりから身を乗り出すリツに、旋はヒヤヒヤしながらも楽しそうな妹の姿に少しホッコリした。それと同時に奇妙な胸騒ぎもして、旋はその事に戸惑う。
船を降りてすぐ近くの簡素な建物内に、二人はキャリーバックと旋はリュックを、リツはギターケースを預けて広場へと向かう。その途中には統一感のないさまざまな建物があり、広場に近づくにつれ、旋の胸騒ぎは大きくなっていく。
転入生達が足を止めた広場の周囲にもいろんな建物があり、旋達の視線の先には大きな時計塔が建っている。
時計が昼の十二時を指した瞬間、妙に不気味で大きな鐘の音が鳴った。その音に旋はドキッとし、冷たい汗が背中を伝う。
鐘の音を合図に、時計塔の後ろから何かが姿を現す。たくさんの棘に覆われた、五メートルは超えている真っ赤な体。たくさんの彼岸花のようなモノが連なったそれはどうやら翼らしい。その棘だらけの生命体は、翼を羽ばたかせながら地面に着地する。
リツと一緒に後方にいる旋には、その生命体が何なのか分からない。分からない筈なのに、『あの怪物は危険だ』と内なる自分に言われた気がして、無意識にリツを後ろに隠すように一歩前に出る。
「キョフキョフ……オ前ラハ、今カラ、我々、テンシ様ノ餌ダ」
テンシを自称した生命体は、ガラガラ声の片言でそんな事を言い出した。
その怪物に恐怖を感じ、身動きが取れない者。大掛かりなレクリエーションでも始まったのかと、ざわつく者。冷やかしをいれる者など、転入生達の反応は様々だ。
旋は無意識の内に、斜め後ろに腕を伸ばしてリツの手を取っていた。いつでもリツを連れて、この場から離れられるように。
「旋にぃ……」
「大丈夫。にぃちゃんがついてるから」
不安そうなリツの声に、旋は振り向き、無理やり笑って見せた。
「餌共ニ、コノ俺様ガ、今カラ第一ゲームノ、ルールヲ説明シテヤル」
テンシのその言葉に旋は前を向き、一言も聞き逃さないようにルール説明を真剣に聞く。
「其ノ一。此ノ、『建物エリア』内ヲ探索シ、『鍵ト箱』ヲ見ツケ出セ。其ノ二。箱ノ中ニ居ル、『契約相手』ト、手ヲ組メ。其ノ三。制限時間ハ、時計ノ針ガ、一時ヲ指スマデ。其ノ四。ゲーム終了時ニ、契約相手ト、手ヲ組メナカッタ餌ハ、即座ニ喰ウ。コンナ風ニ――」
テンシはそこで説明を止めて、棘を一本伸ばした。その瞬間、なぜか嫌な予感がした旋は反射的に大声で「逃げてくれ!」と叫んだ。
その叫びも虚しく、伸びた棘は前方にいた一人の転入生の腹部を刺し、彼は悲痛な叫び声を上げる。その声にテンシは「キョフキョフ」愉快そうに笑いながら、棘だらけの体を真っ二つに開き、中から二つの大きなハサミと鳥のような顔を出した。
(これ以上はリツに見せてはいけない)
そう思った旋は、反射的にリツを正面から抱きしめ、妹の視界と耳を塞ぐ。その刹那、テンシのクチバシから炎が放たれ、刺された転入生の断末魔が響いた。更にテンシは愉快そうに嗤いながら、焼いた転入生をハサミで切りながらクチャクチャ、バリボリと下品に咀嚼する。
「尚、ゲーム中ニ追ッテ来ル、俺様ノ分身達ニ、捕マッタ餌モ、同ジ様ニ喰ワレルゾ。マァ、精々、必死デ逃ゲルンダナ」
その言葉を合図に周辺の建物の影から、同じ見た目の生命体が複数体、姿を現した。
一連の流れを目の当たりにした転入生達は当然、一斉に騒ぎ出す。だが、「黙ラナイト、喰ッチマウゾオォ!」とテンシが怒鳴り声を上げれば、転入生達は恐怖で凍りつく。
「キョフキョフ……俺様達ハ、慈悲深イカラナ。十四分ダケ、襲ワズ待ッテテヤル。デハ、ゲーム、スタートオォォ!」
テンシは有無を言わさず、声高々にゲームの開始を宣言する。この場にいる転入生達はその声に身体を震わせた後、各々何か言いながら逃げるように一斉に動き出した。
喧騒の中、旋はリツと逸れないように妹の手をぎゅっと握り直す。そして自然と動き出した足に従い、人の流れに逆らって斜め前の建物へと一直線に向かう。
(とにかくリツを守らないと……。何があっても、妹だけは絶対に守る。例え、ジブンがどうなろうとも)
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