【完結】料理好きわんこ君は食レポ語彙力Lv.100のお隣さんに食べさせたいっ!

街田あんぐる

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第二部 「優しいお正月」作戦編

6. わんこ君、反省する

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文渡あやとさん、ごめんなさい」
「いいんです。……気持ちよかったし」

 柘植野と離れていた間のムラムラを、柴田は全力で柘植野にぶつけた。あれから何回戦したか覚えていない。

 動けなくなった柘植野は、柴田に身体を拭かれている。
 柘植野はねながらも、照れた顔をした。

「なんか、おれの好きな人をおれで染め上げたいー! うぉー!ってなっちゃったんです」
「……嬉しいです」

 柘植野は頬を染めた。

 それって、自分がすぐるさんに向けている独占欲と、同じなんじゃないだろうか。
 ペアリングの相談をしてみても、いいんだろうか……。
 でも、さりげなく将来を誓わせるみたいで、卑怯な気もする……。

「そうだ! 染め上げるといえば、お土産があります!」

 柴田はキャリーケースを開け、虹色のタイダイのTシャツを取り出した。

「おお……。鮮やかですね……」
「おれは、いろんな色が混ざってる服はお得だと思うんです! 一気にいろんな色を楽しめるから!」
「なるほど……。斬新な考え方で、素晴らしい」

 柴田のカラフルな服好きは、そういう理屈だったのかと、柘植野は無理やり納得した。

「これペアルックですよ柘植野さん! ペアルック……したくないですか?」

 柴田は途中から自信を失い、しょげた犬のように上目づかいになった。

「いや! もちろんしたいですよ! とっても嬉しいなー! 着てみていいですか?」

 柘植野は、本当はもう少し地味な服でペアルックをしたかったが、仕方ない。
 お揃いにしたいという柴田の気持ちは、とても嬉しかった。

 2人とも全裸なので、そのままTシャツを着た。柴田がLサイズで、柘植野がSサイズだそうだ。

「……あれ? 柘植野さんのイケメンがどっか行っちゃいましたか……?」
「僕は顔が繊細なタイプだから、濃い服に印象全部持ってかれるんですよね」
「そんな……!! おれのセンスが間違ってました……」
「いやいや。ナンパされにくくていいですよ。これで一緒に出かけましょう」
「はい! おでかけしましょうね!」

 柴田は目を輝かせて柘植野を見た。

「柘植野さん、またつかまって」

 また脚をすくわれて、お姫様抱っこで姿見の前に連れて行かれる。
 柘植野は柴田のたくましさにキュンとした。

 姿見には、下半身裸で、上にはド派手なTシャツを着た2人組が映っている。
 柘植野も柴田も可笑しくなって、ケラケラ笑った。

 優さんと一緒にいると、こんなに幸福だ。

 激しく求められても、絶対に痛いことはしない優しさを信頼していられる。
 たくましい腕に抱えられて、安心して笑っていられる。
 お互いに出来心でウソをつくことがあるかもしれないけど、優さんのまっすぐな心が、全部元通りに正してくれる。

 この人と、人生を共にしたいと思った。
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