58 / 108
第一部 ご飯パトロン編
58. 口でする①
しおりを挟む
「カチカチですね」
柘植野に耳元で囁かれて、柴田が今まで体感したことのないゾクゾクが背中を駆け上った。
「ああ、また硬くなった。ほら、脚を開いて……。窮屈でしょう」
柘植野は慎重に、柴田のデニムパンツのジッパーを下ろした。
それから顔を近づけて、すんすんと嗅ぐ。
「わああ!? 嗅がないでください!! 恥ずかしい!! てか洗ってないし汚いです!!」
柘植野は返事をせず、ボクサーパンツの上からキスをした。
「アッ……ア……」
それだけで、先走りがとぷりとあふれた感覚がした。
「口でしましょうか。僕も自分の触ってていい?」
「アッ……。でも汚い……」
「ふふ。脱いじゃいましょうね」
柘植野は柴田のデニムパンツと下着を脱がせ、自分も下半身裸になった。
柴田は、初めて見る柘植野の裸に釘付けになった。
色白で、肌がやわらかそうだ。脚は細身で、膝が目立つ。
そして股間に自分と同じものが付いていることに、柴田はドキドキした。
柘植野さん、今、「口でしましょうか」って言った!? あの口で……ミステリアスでエロティックな口でおれのを……!!
柴田は興奮しすぎて目眩を感じた。
「触りますよ」
「……!!」
「ダメなの?」
「だだだだだダメじゃないです!!」
酔った柘植野は、ときどき敬語を落としてしゃべる。
それもすごく、えっちなお兄さんみたいで、えっちだ……!!
「はゎッ!!」
「とろとろだね」
柘植野の細い指が、鈴口をくるくるとなぞる。
「ひゃ、柘植野さん、それやばい、ンッ、ンンッ……」
柴田は、指で触られただけで声が出そうになって、すごく恥ずかしかった。なんとか声をこらえている。
「かわいい、柴田さん。力を抜いて。気持ちいいのだけ感じて」
柘植野の薄い唇は、そう言葉を発しながら柴田のガチガチになったものに近づく。
「あ……あ……ひゃンッ!!」
柘植野の唇が鈴口にキスをした。
柴田はその瞬間に情けない声を上げた。
「感じて。僕も気持ちいいから」
柴田が頭をぐるぐるさせながら視線を落とすと、柘植野が手で自分のものをしごいているのが一瞬見えた。
その直後に、柴田のものは柘植野の口の熱い粘膜にずろろろろ……と包み込まれた。
「やば……やば……」
柴田の目に、快感による生理的な涙が浮かんだ。
「あつい、あつい」
「ひもちいい?」
「きもちい、きもちいです、おかしくなる」
柘植野は付け根から先までつつぅと舐め上げた。
「ひぁぁ……何これ……?? こんなきもちいの??」
「いつでもイっていいですからね。口の中に出していいから」
そして柘植野の唇が、また柴田の昂りを包み込んだ。
ゆったりとしたストロークから始まって、柘植野は徐々に早めていく。じゅぽ、じゅぽ、といやらしい音がする。
柴田はいっぱいいっぱいになって、目を開けていられなかった。
「うぁ、やば!!」
射精感をコントロールできなかった。柴田は急激に高まった快感に引きずられるように、熱い口の中に吐精した。
「んー。ひもちい?」
柘植野は幸福に笑った。そのことが、柴田の涙腺を決壊させた。
なんでそんな、幸せな顔、してくれるんだよ。
柘植野は、猫のようにするりと柴田の頬に頬をすり付けた。
それからティッシュを取ってきて、口の中の白濁を吐き出した。
「ごめんなさいね。おいしくないものは腹に入れない主義なんですよ」
「いや、食べ物じゃないものを腹に入れなくていいです」
「気持ちよかった?」
「……柘植野さーん!! 気持ちよかったです!! 超ヤバかったです!! 熱くて!! 脳のネジどっか行くかと思いました!!」
柴田はガバッと柘植野を全身で抱きしめた。
射精したあとなのに賢者タイムに入らない。
いや、賢者タイムをはるかに超える、柘植野への痛いほどの愛がある。
好きな人とするってこうなんだ、と柴田は感激した。
「柘植野さん、キスしてください」
「うん。もう一回勃つ?」
「勃つけど、しなくていいです。ゆっくりキスしてください」
柘植野は首を反らして、柴田に優しく口づけた。何度も。
柴田はうっとりしていた。幸福だった。
「ねえ、柴田さん……?」
柘植野は恥ずかしそうな声を出した。甘えるような上目遣いの瞳は、期待に潤んでいる。
柴田はハッとした。
柘植野に耳元で囁かれて、柴田が今まで体感したことのないゾクゾクが背中を駆け上った。
「ああ、また硬くなった。ほら、脚を開いて……。窮屈でしょう」
柘植野は慎重に、柴田のデニムパンツのジッパーを下ろした。
それから顔を近づけて、すんすんと嗅ぐ。
「わああ!? 嗅がないでください!! 恥ずかしい!! てか洗ってないし汚いです!!」
柘植野は返事をせず、ボクサーパンツの上からキスをした。
「アッ……ア……」
それだけで、先走りがとぷりとあふれた感覚がした。
「口でしましょうか。僕も自分の触ってていい?」
「アッ……。でも汚い……」
「ふふ。脱いじゃいましょうね」
柘植野は柴田のデニムパンツと下着を脱がせ、自分も下半身裸になった。
柴田は、初めて見る柘植野の裸に釘付けになった。
色白で、肌がやわらかそうだ。脚は細身で、膝が目立つ。
そして股間に自分と同じものが付いていることに、柴田はドキドキした。
柘植野さん、今、「口でしましょうか」って言った!? あの口で……ミステリアスでエロティックな口でおれのを……!!
柴田は興奮しすぎて目眩を感じた。
「触りますよ」
「……!!」
「ダメなの?」
「だだだだだダメじゃないです!!」
酔った柘植野は、ときどき敬語を落としてしゃべる。
それもすごく、えっちなお兄さんみたいで、えっちだ……!!
「はゎッ!!」
「とろとろだね」
柘植野の細い指が、鈴口をくるくるとなぞる。
「ひゃ、柘植野さん、それやばい、ンッ、ンンッ……」
柴田は、指で触られただけで声が出そうになって、すごく恥ずかしかった。なんとか声をこらえている。
「かわいい、柴田さん。力を抜いて。気持ちいいのだけ感じて」
柘植野の薄い唇は、そう言葉を発しながら柴田のガチガチになったものに近づく。
「あ……あ……ひゃンッ!!」
柘植野の唇が鈴口にキスをした。
柴田はその瞬間に情けない声を上げた。
「感じて。僕も気持ちいいから」
柴田が頭をぐるぐるさせながら視線を落とすと、柘植野が手で自分のものをしごいているのが一瞬見えた。
その直後に、柴田のものは柘植野の口の熱い粘膜にずろろろろ……と包み込まれた。
「やば……やば……」
柴田の目に、快感による生理的な涙が浮かんだ。
「あつい、あつい」
「ひもちいい?」
「きもちい、きもちいです、おかしくなる」
柘植野は付け根から先までつつぅと舐め上げた。
「ひぁぁ……何これ……?? こんなきもちいの??」
「いつでもイっていいですからね。口の中に出していいから」
そして柘植野の唇が、また柴田の昂りを包み込んだ。
ゆったりとしたストロークから始まって、柘植野は徐々に早めていく。じゅぽ、じゅぽ、といやらしい音がする。
柴田はいっぱいいっぱいになって、目を開けていられなかった。
「うぁ、やば!!」
射精感をコントロールできなかった。柴田は急激に高まった快感に引きずられるように、熱い口の中に吐精した。
「んー。ひもちい?」
柘植野は幸福に笑った。そのことが、柴田の涙腺を決壊させた。
なんでそんな、幸せな顔、してくれるんだよ。
柘植野は、猫のようにするりと柴田の頬に頬をすり付けた。
それからティッシュを取ってきて、口の中の白濁を吐き出した。
「ごめんなさいね。おいしくないものは腹に入れない主義なんですよ」
「いや、食べ物じゃないものを腹に入れなくていいです」
「気持ちよかった?」
「……柘植野さーん!! 気持ちよかったです!! 超ヤバかったです!! 熱くて!! 脳のネジどっか行くかと思いました!!」
柴田はガバッと柘植野を全身で抱きしめた。
射精したあとなのに賢者タイムに入らない。
いや、賢者タイムをはるかに超える、柘植野への痛いほどの愛がある。
好きな人とするってこうなんだ、と柴田は感激した。
「柘植野さん、キスしてください」
「うん。もう一回勃つ?」
「勃つけど、しなくていいです。ゆっくりキスしてください」
柘植野は首を反らして、柴田に優しく口づけた。何度も。
柴田はうっとりしていた。幸福だった。
「ねえ、柴田さん……?」
柘植野は恥ずかしそうな声を出した。甘えるような上目遣いの瞳は、期待に潤んでいる。
柴田はハッとした。
20
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説


【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結】雨降らしは、腕の中。
N2O
BL
獣人の竜騎士 × 特殊な力を持つ青年
Special thanks
illustration by meadow(@into_ml79)
※素人作品、ご都合主義です。温かな目でご覧ください。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
人間にトラウマを植え付けられた半妖が陰陽師に恋をする
桜桃-サクランボ-
BL
現代、陰陽寮の中で上位に位置する九重家では、跡取りについて議論が行われていた。
跡取り候補の一人、九重優輝(ここのえゆうき)は、人里離れた森に住む一人の半妖に恋をした。
半妖の名前は銀籠(ぎんろう)。
父親である銀と共に生活していた。
過去、銀籠は大事な父親が人間により殺されかけた経験があり、人間恐怖症になってしまった。
「我は、父上がいればそれでいい」
銀は自分が先に死んでしまった時のことを考え、思い悩む。
その時、九重家のことを思い出し逢いに行った。
銀の羽織りを握り、涙を浮かべる銀籠に一目惚れした優輝は、その日を境に銀籠へ愛を伝えるため会い続けた。
半妖に恋をした陰陽師の跡取り息子と、人間が苦手な半妖の、ほのぼのBL恋愛ファンタジー!
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる