嗚呼、麗らかな男子校！

入学しました。

入学式。満開の桜である。
花びらをくぐって校門を抜けると、新一年生が三年間を共に過ごす仲間たちと顔をあわせていた。そして、早くも友人を作るものや ムードメーカー  リーダー  クラス内の一軍に二軍、立場を確立させるものもいる。

そして俺、西方 満（にしがた みちる）も今日から高校生です。
学ランを卒業し、ブレザーに身を包んだ俺は母に涙ぐみながら見送ってもらい、満ち足りた気分でこの日を迎えている。
そう、全寮制のこの学校で再婚した母と新しい父にも迷惑をかけず、幸せな学校生活を送れるのだ。
中には共学を求めて高校を夢見て泣く泣く全寮制男子校に入学したことにひっそりとハンカチを噛み締める奴もいるんだは無いかと思ったが、女に縁がない俺は大学か就職してからでいいかなーなんてお気楽に考えている。

満「さてと…俺のクラスは…お、C組か。」
移動式のパネルに貼られたクラス名簿を見ると案外簡単に名前が見つかる。すると、

「あ、お前もC組？オレもC組なんだよ、オレ  木嶋 春気（きじま はるき）！よろしくな‼」
満「あ、よろしく木嶋。俺は西方。」
隣にいたいかにもスポーツ少年な背の高いやつに声をかけられる。顔面偏差値は正直平均だか、溢れ出る爽やかオーラからイケメンを感じた。 ちくしょう等身大イケメンかよ。

春気「…なぁ、いきなり話変わるけど…西方はどっち？」
満「……はぇ？」
春気「…いや、西方ってそういう理由で来たんじゃないの？ってかどっち？」
満「……えぇと…どっちって聞かれても」
春気「…あ、どっちでもない？あー…西方はリバなのかぁ…そっか、俺は攻め一択の人がいいからお前とは友達だな、もしよかったらたまに相談とか乗ってくれる？」

なんだこいつ？まってなんの話？
イケメンの語彙力は墜落ギリギリの低空飛行ですかどうしたどうしたwwww

満「う、うぃーっすうぃーっす、オッケーっす」
春気「ありがとな、西方。お前とは仲良くなれそうな気がする！」
満「うん、よろしくな」
それにしてもなんという（主に顔と顔）距離の近さ。木嶋、お前ががっしりした体格だったらこの絵面死ぬぞ。死ぬぞ！＼(^o^)／

▼満  は  語彙力の低下  した  友達  を  手に入れた！