[完結]幻の伯爵令嬢～運命を超えた愛～

第20話: 窃盗団に潜む影

捕らえられた窃盗団のメンバーは
城内で尋問を受けることになった。
リーダーはしぶしぶながらも、
背後にいる黒幕の存在を示唆した。

「俺たちはただの駒に過ぎない。
本当の黒幕は別にいる…」
リーダーが苦しげに言った。

「誰が黒幕なのか、
すべて話しなさい。」
リリスは冷徹な声で命じた。

「知らない…ただ、
東の辺境から来た男が指示を
出していた。彼の名前は…
サヴァン…」

リリスはその名前に眉をひそめた。
」サヴァン…
その名前に聞き覚えはないわね。」

アレクシスが鋭い目で
リーダーを見つめ、
「もっと詳しく話せ。
サヴァンについて知っている
ことをすべて言え」と迫った。

リーダーはしばらく黙っていたが、
リリスとアレクシスの
冷ややかな視線に耐えられず、

「彼は非常に危険な男だ。
常に影に潜んでいて、
誰も彼の本当の姿を
見たことがない。
でも、確かに彼が指示を
出している…」と呟いた。

リリスはアレクシスに向かって、
「アレクシス、彼がどのように
連絡を取っていたのか調べて」
と命じた。

「はい、リリス様」
とアレクシスは即座に応じ、
さらにリーダーに質問を続けた。


リリスたちは得られた情報を
元に調査を進めた。
東の辺境で活動するサヴァン
という男が、窃盗団の黒幕である
ことが判明した。

「サヴァン…
この名前に聞き覚えはないけれど、
放っておくわけにはいかないわね。」
リリスは決意を新たにした。

「リリス様、
彼の居場所を突き止めて、
一刻も早く対処しましょう。」
アレクシスが提案した。

「そうね。私たちの次の目的地は
東の辺境だわ。皆、準備を整えて。」
リリスは仲間たちに指示を出した。

フェリクスが心配そうに口を開いた。
「リリス様、東の辺境は非常に
危険な場所です。
十分な準備をしなければなりません。」

リリスは微笑みながら
フェリクスに答えた。
「心配しないで、フェリクス。
私たちはこれまで数々の困難を
乗り越えてきたわ。
今回も乗り越えられる。」

エレナが元気よく
「リリス様、
私たちが一緒ですから、
どんな困難でも乗り越えられます！」
と言った。

アレクシスも同意し、
「その通りです、リリス様。
私たちは一丸となって
この脅威に立ち向かいましょう。」
と力強く言った。

リリスは仲間たちの顔を見渡し、
決意を新たにした。
「ありがとう、皆。
私たちの絆があれば、
どんな敵も恐れることはない。
さあ、東の辺境へ向かいましょう。」

こうしてリリスたちは、
新たな脅威であるサヴァンに
立ち向かうため、東の辺境へと
旅立つ準備を整えた。