[完結]星空の下の図書館

桃源 華

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第10話: 白狼の登場

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光の塔の中で、
過去の試練と向き合いながら
進むリナたち。
彼らは闇の森での恐怖や
風の精霊との戦いを再び体験し、
それを乗り越えることで
さらに成長していった。

「もうすぐ塔の頂上に
到達するわ」

リナが声を上げた瞬間、
彼らの前に白い霧が立ち込めた。
その中から、
白銀の毛並みを持つ
美しい狼が現れた。
その瞳は深い知恵と
勇気を宿していた。

「リナ、あの狼は…」

カイルが驚きながら
言葉を紡いだ瞬間、
狼はリナの前に立ち止まり、
その瞳で彼女を見つめた。

「私はリナ。
あなたは私たちに何かを
伝えに来たの?」

リナが問いかけると、
狼は静かに頷き、
その体が輝き始めた。
次の瞬間、リナの心に
狼の声が直接響いてきた。

「私の名は
フォルトゥナトゥス
(ラテン語で『勇者』を
意味する)。あなたの冒険に
共に参加し、力を貸したい」

リナはフォルトゥナトゥスの
強い意志を感じ、
胸が熱くなった。

「ありがとう、
フォルトゥナトゥス。
私たちと
一緒に戦ってくれるのね」

フォルトゥナトゥスは
リナに近づき、
その頭をリナの手に触れさせた。
その瞬間、
リナは彼の力が自分たちに
加わったことを感じた。

「これで私たちの力は
一層強くなったわ。
さあ、光の塔の頂上を
目指しましょう!」

リナ、ルナ、カイル、
そして新たに加わった
フォルトゥナトゥスの四人は、
光の塔の頂上を目指して進んだ。
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