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10,.緊急事態

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アフタヌーンティーを
楽しみながら、午後の穏やかな
ひと時を満喫して、テーブルに
飾られたピーチローズの愛らしい
小さなバラを眺めつむじ風のよう
去って行ったピーチの事を
思い出していると、神官長が現れ
「ローザ様、殿下がお呼びです。」
と、改まった口調で執務室まで
案内された。

(執務室)
「急に呼び出して申し訳ない。
ホープ国の国境近くで
干ばつ被害が出てるらしい。」
「森の近くでしょうか?」
「あぁ!そのようだ」
「神殿にて、昨日ご神託があり
森を傷付けると天災に
見舞われる。とのお告げでした。」

「確かに国境近くの村では、
焼畑農業が盛んで、父上も
自然破壊に悩まれてました。」
「商人の話では、森から
岩清水も枯れてるらしい。」
「水源に行く事は、殿下できますか?」
「それが……」
「何か問題でも」
「殿下、私から説明させて頂きます。」
と言って神官長が、神域にある
泉の話をしてくれた。

(ローザ寝室)
眠れないので窓を開けて星を眺めてと
書庫の本が光ってる事に気が付き
本を手に取ると本が開き
『泉に行きなさい。』
文字が浮かび消えた。

ローザの申し出により
神域の泉にポルクスとローザが
向かう事になった。
ポルクスには、内緒で神官長は、
モフを連れて泉に向かう事にした。

森に入ると霧が立ち込めて
視界が悪く静寂な空気が
漂っていた。

「殿下ここより先は、馬車では
入れません。歩く他には……」
確かに人が入るのを拒むよに
木々が鬱蒼と茂る樹海だった。

馬車から降りて、ローザ達は、
樹海を歩き始めると、野鳥達が
警戒の鳴き声で森の動物達に
侵入者が来た事を伝え始めた。

樹海を歩き始めて、しばらくすると
木漏れ日が降り注ぐ場所に出たので
休憩をする事にした。
切り株に護衛兵士が座ると
地鳴りがして、地面が揺れた。

「ここより先には、人間は
立ち入るな。出て行きなさい。」
穏やかなさとすような声が
森に響き渡った。

護衛兵士達は、震えて悲鳴を
上げて数人が逃げ去った。
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