[完結]禁断の愛と嫉妬

桃源 華

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第19話: 元婚約者との対峙

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イザベラの策略は着々と
進行していた。
彼女の言葉に影響され、
マリーは心の中でキャサリンの
存在を気にし始めた。
しかし、彼女はロバートへの
信頼を崩さないように
努めていた。

翌日、
マリーは思い切ってキャサリンと
直接対話することに決めた。
彼女はロバートの屋敷に赴き、
キャサリンが滞在している部屋を
訪ねた。

「キャサリンさん、
少しお話しできますか?」
とマリーは慎重に声をかけた。

キャサリンは驚きつつも微笑み、
「もちろんよ、マリーさん。
どうぞ入って」と招き入れた。

部屋に入ったマリーは、
少し緊張しながらも率直に
話を始めた。
「あなたがロバート様の
元婚約者であることは
知っています。
そして、
あなたが彼の幸せを願って
いることも理解しています。
でも、私はあなたの訪問が
私たちの関係にどう影響する
のか、不安に感じています。」

キャサリンはマリーの言葉に
耳を傾け、静かに頷いた。
「マリーさん、あなたの気持ちは
よくわかります。
私もロバートの幸せを心から
願っています。
私たちの婚約が終わったのは、
私たちがお互いに違う道を
選んだからです。
私はロバートに対して未練は
ありません。
ただの友人として
彼を訪ねただけです。」

マリーはキャサリンの言葉に
少し安心しながらも、
「でも、イザベラさんは
あなたがまだロバート様に
特別な感情を抱いていると
言っていました」と続けた。

キャサリンはその言葉に驚き、
「イザベラさんがそんなことを?
それは誤解です。
私は本当にロバートの友人として
しか彼を見ていません。
イザベラさんが何か誤解している
のかもしれません」と返した。

マリーはその言葉を聞いて、
少し安堵の表情を浮かべた。
「そうですか。
それなら安心しました。
私はロバート様を信じているし、
あなたの気持ちを理解したいと
思っています。」

キャサリンは微笑み、
「ありがとう、マリーさん。
あなたがロバートのことを
信じているなら、
それが一番大切なことです。
私たちが友人として
お互いを支え合うことが
できれば、ロバートも
喜ぶでしょう。」

その後、二人はさらに話し合い、
お互いの立場を理解し合った。
キャサリンはマリーに対して
友人としての誠意を示し、
マリーもキャサリンの存在を
受け入れることにした。

しかし、イザベラの策略は
まだ終わっていなかった。
彼女は二人の和解を知り、
さらに新たな計画を練り始めた。
彼女はロバートとマリーの絆を
揺るがすために、次なる一手を
打つ準備をしていた。

その夜、
イザベラはキャサリンとの
会話を再び思い出しながら、
新たな策略を考えていた。
「キャサリンとマリーが
和解したとしても、
私は彼らの関係を壊すために
まだ手を尽くしていないわ」
と冷たく呟いた。
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