不死身の英雄なんかじゃないのに

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第一章 異世界転移と予期せぬ災い

3.

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 辺りが一気に闇へと変わり果てる空気。常に警戒を忘れず慎重に、進んでいれば殺意を感じ取り後ろへ下がる。

「隊長!この臭いは…」

「胃酸だろう。目的の為ならば手段は選ばない。御前達殺せるな?各々別れ殲滅しろ」

「「「…了解」」」

 噎せる様な異臭に胃酸だと皆気付いた。各々に別れ標的を見付け、独りになれば狙うかの様に2体現れていた。

「────?」

「────!」

 知らない言葉だ。理解出来無い。安寧の平和の為に芽を摘まねば。

「────!!」

「─?───!──コレなら理解出来るか?人の子よ」

「!」

「理解出来ている様だな。襲うつもりは無い。其の敵意を解いてくれぬか?」

 この世界の言語が理解出来ず殲滅する。其の時2体は焦った様に、何かを唱え眩い光と共に言語が読み取れた。

「念の為にお聞きするが龍とお見受けする。何故僕の前に現れたのですが?」

「人の子から珍しい気配がしたもんでな?」

「─珍しい気配?」

「「「隊長!!」」」

「001、002、005。御前達は無事の様だな。殲滅は出来たのか?」

「其れが…霧の様に蒸発してしまったのです。嫌な予感を感じ隊長の所に戻りました」

 龍から告げられ言葉の意味に怪しむと、後方から3人の姿がある。僕の身体を抱き寄せる様に龍との間に入る。

「兄者!益々警戒されてんじゃねぇかよ。珍しい気配ってんのはな!レインフォード殿下だな」

「「「レイン様!?」」」

「─ふむ。其方等がレインフォード殿下の部下か。何とも奇妙な運命だのう。我々も共にしよう」

「我々はレイン様…。いえ、レインフォード様の所に向かう所です。あの御方に仇為すのであれば粛清します」

 紅い龍からレインフォード殿下の名に、部下は驚愕し声を出した。あの御方の所に龍も着いて来るので釘刺す。

「001、002、005。皆と合流する。歯向かう敵は皆殺しろ。安寧が訪れる其の時迄油断するな!」

「了解!」

 部下に指示し陣形を固めば2体の龍が、眩い輝きと共に仔龍へと、変貌し僕の両肩に跨ると後ろの視線が痛い。

「くぅぅ…狡い!俺達だって許されてないのにっ!」

「「………」」

「001…後で幾らでも触らせてやる。警戒を怠らない事だ。002、005。御前達もだぞ?理解しているのか?」

 龍に嫉妬しているのか?仕方無い奴等だ。後で褒美を取らせよう。  

「「…申し訳ありません」」

 部下からの視線は嫉妬に狂っていた為、龍は何とも言えない様だ。薄暗い雰囲気が嘘の様に晴れ警戒し乍進む。
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