神々に寵愛され祝福と共に~のんびりと快適生活~

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第一章 異世界に転生し、居場所を求める

37.

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「アル。アイツに様なんて要らないよ?全てを捨てて俺と住もうよ?俺はアルだけが全てなんだよ?」

「何故でしょうね?僕がそう呼んでいるからでしょうか…」

「ほら。顔色が悪いよ?もうアルシアに帰ろう?カストル兄と俺だけ信用すれば良い」

 マギアの言葉に僕への存在が癒される。マギアは僕を膝の上に乗せ、番人の様な視線を彼等に向ける。

「…アル。?ずっとそうして来たでしょ?」

「………」

「アルに聞くのは止めてよね?聞くなら殺すと言ったよね?冗談抜きでアルを悲しませるなんて許さないよ?」

「っ…。すまない。野蛮な話をさせてしまった。嫌われて当然だが…養子の件は無効にはしない」

「お前達は虫が良過ぎないかい?聞くだけ聞いてアルを傷付けたんだよ??」

 失態を犯すと無表情で冷徹な彼の姿に、辺りの空気が絶対零度になり、顔面蒼白する彼等が居た。

「お前達は最後の最後迄、アルの人生を壊すアイツと同類だよ?アルが漸く存在を認め始めたのに…」

「確かに儂等はツクヨミの盟友だが、元に戻してやりたいと思っている所だ。本来のツクヨミは非道を犯す奴ではなかった」

「お前達の知るアイツだろうと、アルにした事は許さない。見付けたらこの手で殺してやるよ?」

「マギアの言う通りだが俺達も譲れねぇんだよ。ツクヨミを元に戻すってな?マギアに殺されちゃ困るんだわ」

 俺は彼等を睨んでればジェイコブ様が、譲らないと頑固たる決意で、反論されるとアルの異変に気付く。

「…アル?ねぇ…?」

「…僕が煤ケ谷家の名誉を汚す失敗作だから。誰にも必要とされない。僕が失敗作のままだから、月詠様に見捨てられた」

 拒絶し卑下しては存在を消すアルの姿。アルから一粒の涙が流れる。俺は歯切りしアルを抱き締める。

「…違う!アルの所為じゃない!今日は此処迄だよアル。誰にも邪魔される事の無い俺達の家に帰ろう?」

「…マギア居る?何処にも行かない?」

「永遠にアルを離すつもりは無いし、俺とカストル兄が置いて行く訳無いよ?」

「…うん」

 俺はアルに安らぎの声に響きに微笑む。俺はアルを抱き上げては、彼等を無視し部屋を出て行く。

 一方アルは俺に抱えられ我が家に帰る。漸く家で正装から寝間着。着替えればアルが小刻みに震えていた。

「…アル。大丈夫だよ?」

「思い出したくない…」

「思い出さない方が良いよ?」
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