神々に寵愛され祝福と共に~のんびりと快適生活~

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第一章 異世界に転生し、居場所を求める

神界5

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「ハァ~。それにしても『汚濁ノ発生源』が覚醒するなんて。予想外過ぎて追いつかないぃ…」

 突然称号と技能が変異した事が起こり、全員が対応する為多忙に、追われ制御の為慎重にする必要が有る。

「溜息要らねぇからしっかり働けミザ」

 溜息付ける創造神に辛辣な言葉を零し、災厄神は猛烈に腹立つ姿に、嫌々乍も各々の仕事に専念している。

「技能の覚醒は恐らく奴だな。邪龍アークヴェルザ。奴には根源たる汚濁の持ち主だ」

 汚濁に関する事を破壊神が気付き零す。全員の視線が一切向かれ、気にする姿も無く魔物一覧を見詰めていた。

 {魔物保管一覧}
 {閲覧権限者}神界全員のみ
 {魔物一覧}
  SSS級{9/9体}
  SS級{15/15体}
  S級{20/20体}
  A級{900/900体}
  B級{750/750体}
  C級{550/550体}
  D級{350/350体}

「ん?行方不明の魔物が消失したな…」

「零と『時の彷徨い子』、保護した彼等で討伐したんだろう。覚醒したのは…邪龍が最期の抵抗をした所為だな」

 消失した事に心辺りがある為災厄神が、口を開き告げると漸く、挟まらなかったピースが揃う事が出来た。

「あの子が使すると、歴代最強の魔王より危険な存在なんだよな?」

「絶対的な力を持つ。人類をいや…神の俺達でも殺戮出来る力がある。代償は自我と記憶らしい」

 生命神の疑問に災厄神が丁寧に説明し、少年が神々の頂点の存在より、強いと零せば全員が引き気味に絶句する。

「それに、あたし達全員が挑もうとも…敗れる未来しかないわよねぇ~?」

「破壊神と災厄神として『粛清ノ天使化』はそんなに危険かい?」

「アレは素人が使って良い物じゃない。慣れたとしても正常な思考すら持てなくなる」

「あぁ…。零には『時の彷徨い子』が居る。零以外の奴が使えば自我が、完全に消え戻る事無く破滅を辿る」

 破壊神と災厄神に尋ねば人生と精神を、左右する最も危険な物だと、改めて知り認知する事が出来た。

「厄介な存在だね。それで…カル?私達の監視から逸れ『』が、少年の居る世界に辿り着いたんだね?」

「ふん…そうだ。何者かが一時的に作動しない様に、システム全体ごと切られていた。思い付くのは…」

「システム全体を切るだと?そんな事出来るのは『黄昏の幻影』しかねぇ。納得出来ちまうが…許せねぇ!」

 生命神のから黄昏の幻影の存在を口に、全員が怒気含むと神界全体に、溢れ不穏な空気が流れていた。

「監視をすり抜け危険な物を奪われた。其れに既に起こった事は仕方無い。問題は其処じゃない。すり抜けた痕跡も奪われた痕跡も、人物の名すらも

「「「「「「「………」」」」」」」

 緊迫しては張り詰める破壊神の言葉に、衝撃な真相を告げられ全員が、唸る様に沈黙化してしまった。

「ねぇねぇ~カル?あの子は分かるけど。『時の彷徨い子』ってあの子に関係してるの?」

「『時の彷徨い子』は零が自ら人格を、分離した時に産まれた片割れの存在だ」

「片割れかぁ…う~ん。少年と黄昏の幻影の接点をもう1度洗い直すしか無い。どうしたもんかなぁ」

 立て続けに事態が悪化する一方だった。突然災厄神の前で霊体の様に、透き通る零の姿に全員が固まった。

 クス…クス…

『行き詰まっている様ですね?僕と黄昏の幻影との接点を神様達に、全ての真相を教えます』

 前世の世界で僕が未だ幼い赤子の頃に、産まれた時に両親が居ました。僕の父親は赤い目をした月詠様でした。

 月詠様は神様達が長年追い掛けている、黄昏の幻影の黒幕です。産み親である母親が月詠様により豹変しました。

 重度の精神疾患者の母親だけでは無く、僕の人生を歪ませた元凶で、僕は子供で無力な為抵抗する力も無いです。

 月詠様が野菜ジュースと騙った液体を、毎日毎晩欠かさず飲まされ、世間に対する憎悪が増し殺戮に変わります。

 月詠様の理想に近付く僕の姿に満足し、名前以外の記憶を封印され、最後は月詠様に意味不な事を告げられました。

『絶対的な創造と絶対的な破壊。殺戮を目的とした完全なる破壊兵器。神の楽園に到達する為です』

 此処迄話し致しましたが簡易に表すと、父親は『煤ケ谷 月詠』です。僕が生きる限り本来の月詠様は逃げられません。

「少年の父親なのは予想外だよ!?少年は幸せや愛を諦め琥珀君と、父親への救済を望むんだね」

「俺達は少年の幸せを願っている。粛清ノ天使化は俺達が半分制御すっから」

 意外な真相に全員固が固まる姿に僕は、災厄神の方に視線を向け、安心出来る言葉を掛けていた。

『カストル兄様。琥珀は僕の傍に居ます。本来の月詠様は被害者です。僕は月詠様を利用した者を許しません』

「琥珀には生命と加護を授けてやる。俺の方でも調べておくから安心しろ」

『はい。真実を知っても尚僕の存在を、認めて頂ける事に感謝致します』

 神様達に感謝を告げると蜃気楼の様に、ふわりと消える姿に全員は、気難しい雰囲気で考えていた。
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