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プロローグ
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『…気持ち悪いわよ!』
『どうして悪魔の子を私が、産むなんて望んでいないわよ!』
『まるで災いの子じゃのう…』
『気持ち悪いったらありやしないよ。この村から出て行っておくれ』
『どの世界でもお前の居場所など何処にも無い!』
何度も歩き続け何度も立ち止まっては、この世界に僕の居場所は、何処にも無いと理解する事が出来た。
僕が産まれ乍にして存在を否定されて、産み親から仕方無く僕に、『煤ケ谷 零』の名を授かれる事になった。
でも…。もぅ、良いんだ。何もかも疲れちゃったよ…
「…僕の存在意義は何だったんだろうか?」
思考が徐々に薄れ奈落の底への暗闇に、溺れる感覚を味わい既に、抵抗や気力は無かった。
「…琥珀が幸せになれるなら」
目の前の走馬灯がゆっくりと滝の様に、流れて吸い込まれていく。自らの死を悟り受け入れていた。
…あれ?力が入らないや…
「あぁ…。漸く迎えに来たのかな?其れなら願いが叶います様に」
自ら死への悟りを感じて無意識に呟く。幸せや愛への渇望を求め、漸く視界が暗闇へと飲み込まれる。
『ん、ん…?此処は…?』
あぁ…。神々の住処なのかもしれない。僕は時の狭間に居るのだろうか?
辺り一面真っ白の空間に僕は見渡すと、此処がどういう場所なのか、改めて己の存在を認識し始めた。
「おや…。自我を正常に保つなんて、少年以外はなかなか居ないよ?」
『………?』
神々の頂点の存在…。ならば、心を悟られぬ様にしなきゃ
「んっ。少年の心が読めないとは初めてだよ?私達は少年が命を終える其の時、幸せや愛への執着を感じた。だから、望むなら転生してあげるよ」
『僕では無く琥珀の願いを、沢山叶えて欲しい…』
願いなんて諦めるよ。所詮叶わないから…。気持ちだけで嬉しい
僕は自ら存在を否定すると神様の前で、顔を横に振り遠慮すると、神様は何故か泣きそうになっていた。
泣かないで?僕は大丈夫だよ
泣く寸前の神様に僕は正々堂々と自ら、頭に触れ撫でてあげると、苦笑いし神様に抱き締められていた。
「少年は転生して幸せになろう?琥珀君も永遠に愛してあげるから」
『…本当に神様は優しいですね』
琥珀に対する…唯一の贖いだから…
結局幸せや愛への渇望が誰よりも深く、琥珀への贖罪になるなら、神様の言う通り転生の道を選ぶ。
…神様。ありがとう
神様に抱き締められ人生初の温もりに、渇望と欲望が増し最後に神様を、抱き締め返し瞼を静かに閉じてく。
『どうして悪魔の子を私が、産むなんて望んでいないわよ!』
『まるで災いの子じゃのう…』
『気持ち悪いったらありやしないよ。この村から出て行っておくれ』
『どの世界でもお前の居場所など何処にも無い!』
何度も歩き続け何度も立ち止まっては、この世界に僕の居場所は、何処にも無いと理解する事が出来た。
僕が産まれ乍にして存在を否定されて、産み親から仕方無く僕に、『煤ケ谷 零』の名を授かれる事になった。
でも…。もぅ、良いんだ。何もかも疲れちゃったよ…
「…僕の存在意義は何だったんだろうか?」
思考が徐々に薄れ奈落の底への暗闇に、溺れる感覚を味わい既に、抵抗や気力は無かった。
「…琥珀が幸せになれるなら」
目の前の走馬灯がゆっくりと滝の様に、流れて吸い込まれていく。自らの死を悟り受け入れていた。
…あれ?力が入らないや…
「あぁ…。漸く迎えに来たのかな?其れなら願いが叶います様に」
自ら死への悟りを感じて無意識に呟く。幸せや愛への渇望を求め、漸く視界が暗闇へと飲み込まれる。
『ん、ん…?此処は…?』
あぁ…。神々の住処なのかもしれない。僕は時の狭間に居るのだろうか?
辺り一面真っ白の空間に僕は見渡すと、此処がどういう場所なのか、改めて己の存在を認識し始めた。
「おや…。自我を正常に保つなんて、少年以外はなかなか居ないよ?」
『………?』
神々の頂点の存在…。ならば、心を悟られぬ様にしなきゃ
「んっ。少年の心が読めないとは初めてだよ?私達は少年が命を終える其の時、幸せや愛への執着を感じた。だから、望むなら転生してあげるよ」
『僕では無く琥珀の願いを、沢山叶えて欲しい…』
願いなんて諦めるよ。所詮叶わないから…。気持ちだけで嬉しい
僕は自ら存在を否定すると神様の前で、顔を横に振り遠慮すると、神様は何故か泣きそうになっていた。
泣かないで?僕は大丈夫だよ
泣く寸前の神様に僕は正々堂々と自ら、頭に触れ撫でてあげると、苦笑いし神様に抱き締められていた。
「少年は転生して幸せになろう?琥珀君も永遠に愛してあげるから」
『…本当に神様は優しいですね』
琥珀に対する…唯一の贖いだから…
結局幸せや愛への渇望が誰よりも深く、琥珀への贖罪になるなら、神様の言う通り転生の道を選ぶ。
…神様。ありがとう
神様に抱き締められ人生初の温もりに、渇望と欲望が増し最後に神様を、抱き締め返し瞼を静かに閉じてく。
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