56 / 67
ニ章
第五十五話 切断
しおりを挟む
「行くぞ!バギーはないが、やることは変わらない、誰かが引き付けて誰かがその内に足をドーンだ!いいかい!?」
「わかってらぁ!!!こい巨人!!」
「ぎああああああああああ有有有ああ有有ああ」
ヨツンヴァインは知能が低く目で捉えたものを追撃してしまう
思い通り目立つ行動をとったキクを向いて
咆哮する
「今!!」
「「はあああ!!」」
残りの2人で足を斬る………
そしてカイムも…足を打…
「…はぁ」
もちろん斬れていない、カイムの銃も、ヨツンヴァインの皮膚を軽く凹ませた程度で、大した意味はなさなかった
先程ヨツンヴァインを圧倒することが出来たのは、霧とかいう力を持った注射器、高速移動を可能とするバギーによるものだ
「まあ、知ってたけど…さっき気失ってたからって、やっぱ、つよいか…」
それらの外的要因がない今の状態の彼らに、弱っていたとしてもヨツンヴァインを討ち取るすべはない
「てか………俺達ん巨人の間合いの中じゃん」
「ーーーやばいやばいやばいやばい!!!」
「ああ、これはなかなかやばい!!」
「くっそどうしてこうなるんだよおおおお!!!」
「ギアああああああああああああああああああああああ」
ーーこうなってしまえば、敗北は目に見えている
「ニグうううう助けてええ!つよいんだろおお!!」
ーーーーー
「…なんだあいつら」
ジトー と、4人を見つめ、緊張感のない冷や汗を垂らすのはニグ
ヨツンヴァインの視界に入らない岩陰にかくれ、援護のタイミングを見計らっていたが、まさかここまで戦いになってないとは思わなかったのだ
ニグの目線の先では、攻撃が一切通らないことに焦り、あわあわと逃げの体制をとりはじめるハル達がうつった
「はあ」
そう漏らし、ヨツンヴァインをみつめる
(あいつらは馬鹿だが、確かに硬そうな皮膚をしているな…これじゃァキノコ軍が使ってるの刃や銃弾じゃかてねぇのもわかる)
「……なら」
かちゃ と装填した玉を抜き、赤色の玉を3つ、代わりに込める
そして懐から白く細い筒を取り出し、地面に擦り摩擦をこめて火をつけ 筒を近づける
「ふう……やっぱ戦いの最中は、これがなくちゃな」
独特な煙の棒を口に咥え、銀色の息を吐く
精神を研ぎ澄ませる。
――準備は完璧
「行くぜェ、3年ぶりのーー発砲!!」
ドヴン という音
閃光がヨツンヴァインの顔に向かって走った
「ギャッ!!!」
ヨツンヴァインは顔を押さえうずくまり、バランスを崩し不本意に転倒する
「ギア……ぎああああいいいい…」
「!?!?ニグ!?」
「!!!!!」
ハルやカイムが目を丸くし、玉の命中したヨツンヴァインを見つめる
「なっ…俺のうった銃なんてびくともしなかったのに…」
「焼き切った、のか」
「フン」
感嘆の声を聞いたニグは余裕そうに鼻を鳴らす
ただの銃弾は効かない、ならば別の球を使ったまで
ーー焼却弾 と、それは呼ばれている
ニグは暴れるヨツンヴァインに完璧なエイムで標準、目を焼き切った
「ぐお、ぐお、くああああああ、ぎぃいいい!!!」
「やば!!」
巨人にとってハル達はもう、眼中に無い
片目を失ったヨツンヴァインは完全にハル達に背を向ける
もう片方の憎しみの目でニグを捉え、全力でダッシュする。
「ぎいいいいああああああああああああああああああああああ!!!」
ドスンドスン と、鼓膜を踏み潰すような音に
耳がはち切れそうになる
「ニグ!!危ない!!!二グー――――!!!!」
ニグは耳を防ぎながら、アガレズの足に狙いを定める
「危ない…だとォ?」
ハルの叫びは届いている、その声を聞いて二グは心底満足そうな顔をして叫んだ
「ーーー舐めんなァ!!!」
ニグは叫び、腰元から小型のナイフを取り出し、ヨツンヴァインに突進する
ヨツンヴァインもまた、ニグに突撃している
何が起こっているか見当もつかなかった
「なっ……!あいつ死ぬぞ!」
「キクウウウウ!!!!うっるううううせええええええええ!!!!!」
叫び、ヨツンヴァインとぶつかりそうになる距離感で跳躍する
「4級のザコがおれを心配しやがって!!舐めてんじゃねぇぞおおおっ!!!」
ーーそして、"片手で"狙撃銃を持ち、ヨツンヴァインの右足がニグに激突するそのとき、ニグは引き金を引いた、
ドウン
「おらあああああ!!!!!!」
空中で身をひねり巨人の右足を交わす、ジジジジと轟音がし、ヨツンヴァインは呻き、転倒する
ただころんだのではない
ーーヨツンヴァインの右足は、切断されていた
「ーーーーーーニグ」
「ンギアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
巨人の足はただの足ではない、横の太さにして子供縦一人分程はあるのではないか、まるで
土砂崩れの時のような大岩だ
ブンブンと風を切る音、
血をふき上げながらソレは回転し、ズシイイインと音を立てて村の残骸の一部と化す、
身体の1割を自分より何倍も小さい男に欠損させられた、という怒りや恐怖だろうか、その巨体で地べたを這いずり、幼き子のように手をドンドンさせている
「ああああああああああ!!!ギアイアあああアアアアあ!、!」
その光景無言で傍観していただけだった4人は、せきを切ったかのように話し出す
「まじか、あの銃…」
「いや、キク…違う、ニグの銃だけで右足を切ったわけじゃない、右足を避ける瞬間、取り出したナイフで焼き切れなかった分を切ったんだ、見えた…」
「あの状況でそんなことできるわけっ…いやできてるのか……どんな身体能力があれば……!!」
「なんかそんな気はしてたけど、彼は只者じゃないっぽいね、彼は見たことが一度もないけど…」
全員が確信する
4人がかりでも勝つことはできなかった巨人を
上級ですら勝てるかわからなかった巨人を
…ニグ
ーーーあの男は、単独で撃破することができる実力を持っている
「わかってらぁ!!!こい巨人!!」
「ぎああああああああああ有有有ああ有有ああ」
ヨツンヴァインは知能が低く目で捉えたものを追撃してしまう
思い通り目立つ行動をとったキクを向いて
咆哮する
「今!!」
「「はあああ!!」」
残りの2人で足を斬る………
そしてカイムも…足を打…
「…はぁ」
もちろん斬れていない、カイムの銃も、ヨツンヴァインの皮膚を軽く凹ませた程度で、大した意味はなさなかった
先程ヨツンヴァインを圧倒することが出来たのは、霧とかいう力を持った注射器、高速移動を可能とするバギーによるものだ
「まあ、知ってたけど…さっき気失ってたからって、やっぱ、つよいか…」
それらの外的要因がない今の状態の彼らに、弱っていたとしてもヨツンヴァインを討ち取るすべはない
「てか………俺達ん巨人の間合いの中じゃん」
「ーーーやばいやばいやばいやばい!!!」
「ああ、これはなかなかやばい!!」
「くっそどうしてこうなるんだよおおおお!!!」
「ギアああああああああああああああああああああああ」
ーーこうなってしまえば、敗北は目に見えている
「ニグうううう助けてええ!つよいんだろおお!!」
ーーーーー
「…なんだあいつら」
ジトー と、4人を見つめ、緊張感のない冷や汗を垂らすのはニグ
ヨツンヴァインの視界に入らない岩陰にかくれ、援護のタイミングを見計らっていたが、まさかここまで戦いになってないとは思わなかったのだ
ニグの目線の先では、攻撃が一切通らないことに焦り、あわあわと逃げの体制をとりはじめるハル達がうつった
「はあ」
そう漏らし、ヨツンヴァインをみつめる
(あいつらは馬鹿だが、確かに硬そうな皮膚をしているな…これじゃァキノコ軍が使ってるの刃や銃弾じゃかてねぇのもわかる)
「……なら」
かちゃ と装填した玉を抜き、赤色の玉を3つ、代わりに込める
そして懐から白く細い筒を取り出し、地面に擦り摩擦をこめて火をつけ 筒を近づける
「ふう……やっぱ戦いの最中は、これがなくちゃな」
独特な煙の棒を口に咥え、銀色の息を吐く
精神を研ぎ澄ませる。
――準備は完璧
「行くぜェ、3年ぶりのーー発砲!!」
ドヴン という音
閃光がヨツンヴァインの顔に向かって走った
「ギャッ!!!」
ヨツンヴァインは顔を押さえうずくまり、バランスを崩し不本意に転倒する
「ギア……ぎああああいいいい…」
「!?!?ニグ!?」
「!!!!!」
ハルやカイムが目を丸くし、玉の命中したヨツンヴァインを見つめる
「なっ…俺のうった銃なんてびくともしなかったのに…」
「焼き切った、のか」
「フン」
感嘆の声を聞いたニグは余裕そうに鼻を鳴らす
ただの銃弾は効かない、ならば別の球を使ったまで
ーー焼却弾 と、それは呼ばれている
ニグは暴れるヨツンヴァインに完璧なエイムで標準、目を焼き切った
「ぐお、ぐお、くああああああ、ぎぃいいい!!!」
「やば!!」
巨人にとってハル達はもう、眼中に無い
片目を失ったヨツンヴァインは完全にハル達に背を向ける
もう片方の憎しみの目でニグを捉え、全力でダッシュする。
「ぎいいいいああああああああああああああああああああああ!!!」
ドスンドスン と、鼓膜を踏み潰すような音に
耳がはち切れそうになる
「ニグ!!危ない!!!二グー――――!!!!」
ニグは耳を防ぎながら、アガレズの足に狙いを定める
「危ない…だとォ?」
ハルの叫びは届いている、その声を聞いて二グは心底満足そうな顔をして叫んだ
「ーーー舐めんなァ!!!」
ニグは叫び、腰元から小型のナイフを取り出し、ヨツンヴァインに突進する
ヨツンヴァインもまた、ニグに突撃している
何が起こっているか見当もつかなかった
「なっ……!あいつ死ぬぞ!」
「キクウウウウ!!!!うっるううううせええええええええ!!!!!」
叫び、ヨツンヴァインとぶつかりそうになる距離感で跳躍する
「4級のザコがおれを心配しやがって!!舐めてんじゃねぇぞおおおっ!!!」
ーーそして、"片手で"狙撃銃を持ち、ヨツンヴァインの右足がニグに激突するそのとき、ニグは引き金を引いた、
ドウン
「おらあああああ!!!!!!」
空中で身をひねり巨人の右足を交わす、ジジジジと轟音がし、ヨツンヴァインは呻き、転倒する
ただころんだのではない
ーーヨツンヴァインの右足は、切断されていた
「ーーーーーーニグ」
「ンギアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
巨人の足はただの足ではない、横の太さにして子供縦一人分程はあるのではないか、まるで
土砂崩れの時のような大岩だ
ブンブンと風を切る音、
血をふき上げながらソレは回転し、ズシイイインと音を立てて村の残骸の一部と化す、
身体の1割を自分より何倍も小さい男に欠損させられた、という怒りや恐怖だろうか、その巨体で地べたを這いずり、幼き子のように手をドンドンさせている
「ああああああああああ!!!ギアイアあああアアアアあ!、!」
その光景無言で傍観していただけだった4人は、せきを切ったかのように話し出す
「まじか、あの銃…」
「いや、キク…違う、ニグの銃だけで右足を切ったわけじゃない、右足を避ける瞬間、取り出したナイフで焼き切れなかった分を切ったんだ、見えた…」
「あの状況でそんなことできるわけっ…いやできてるのか……どんな身体能力があれば……!!」
「なんかそんな気はしてたけど、彼は只者じゃないっぽいね、彼は見たことが一度もないけど…」
全員が確信する
4人がかりでも勝つことはできなかった巨人を
上級ですら勝てるかわからなかった巨人を
…ニグ
ーーーあの男は、単独で撃破することができる実力を持っている
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる