俺達がチートであることを知られてはいけない。

無味

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第三章

お告げ

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やり方が分からない。
ろくにプファラーの仕事をやらなかった結果だ。
周りにはざっと数えても百何人の人がいる。
(どうしよう…救世主じゃないって言ってみるか?いや、オルクス曰く『過激派』…何をされるか分からない)
人はどんどん集まっていく。少ししかなかった吹き出しが次第に増えていく。隊長達が何か話しているが、他の吹き出しに隠されてタップできない。
突然、目の前に新しい吹き出しが現れた。
[『創造主よ、我に啓示を与えたまえ。』だ。フロイント機能は吹き出しが他のやつに見えない。気づかれないようやれ。]
(誰だ…?)
しかし相手を考えている時間は無さそうだ。

「創造主よ、我に啓示を与えたまえ。」

壁にあった十字架クロイツが光る。

《ようやく話すことができましたね、偽りの少年よ。》

『…偽りの少年?』
どうやら創造主に対して話すと、自動的に一人言モードになるらしい。
《年齢を偽り、人種を偽り…それで良いのです。ヨシュカは、人を欺かなければならないのです。》
『あの…救世主って何ですか?』
《特に意味のない言葉…いえ、意味はあるのです。彼らトゥテラリィを動かす言葉です。そして、それが何なのかはあなたが決めるのです、偽りの少年よ。》
『他のヨシュカはどこにいるんですか?』
《あなたの力で見つけるのです、偽りの少年よ。さぁ、彼らが待っています…》
光がゆっくりと弱まる。お告げが終わったようだ。
「お告げは…。」
俺がその先を言う前に、隊長は手で制した。
「そのまま言ってはいけません。シャルさんがそのお告げから何を読み取ったのか、それだけをお聞かせ下さい。」
(俺が読み取ったこと…?)
周りの人は皆、俺の言葉を待っている。
俺は前に進み出て、手を大きく広げる。息を吸い込む。俺の一挙一動に視線が注がれるのを感じた。
「…救世主は、僕です。」
雨の音が静寂の中に響いていた。
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