俺達がチートであることを知られてはいけない。

無味

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第三章

経緯

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「分からないのか?俺が貴様のボスになってやると言ってるんだ。」
「…遠慮しとく。」
「なら、協力の話は無しだ。」
「バラしてもいいって言うのか?」
オルクスは呆れたように俺を見る。
「またその話か。構わない、打つ手などいくらでもある。」
今度は俺が動揺する番だった。
(さっきまであんなに嫌がっていたのに…何があった?)
オルクスの協力は必要だ。ボスだかなんだか知らないが、それで満足するなら仕方ない。
「分かった。よろしく頼む、ボス。」
「それでいい。なら、今日は帰れ。もう用は済んだだろう。」
「ちょっと待て。何故、シュティレはフライハイトに来ていたんだ?…名を変えてまで。」
オルクスの表情は変わらない。
「シュティレ。お前は先に帰れ。」
「…はい、お兄様。」
シュティレは椅子を取りだし、闇に消えた。
『俺達は暗殺を職にしている。レベル上位者、荒らし、個人的な恨み…まぁ、ヨシュカの仕事よりは依頼が来る。中には違反者予備軍も多い、間接的に違反者も減る、いい仕事だ。』
『…暗殺?シュティレが、人を殺すってことか?』
『そうだ。俺は仕事を取って、シュティレは実行する。俺の職業は暗殺に向いてないからな、あいつがやった方が効率がいい。』
『シュティレの職業は…一体何なんだ?』
オルクスは飴玉のような物を取りだした。
薬術師やくじゅつしだ。回復薬はもちろん、ここエアモルデンでは毒薬も作れる。薬術師が摂取する薬の効果は倍増する。暗殺の時は自分で薬を摂取し、一時的に身体能力を上げる。その分、体力も消耗するが。』
『…どうしてフライハイトに?』
『あいつは仕事を失敗した。俺のところに居ては迷惑がかかると思ったらしい。まぁ、俺が後始末しておいたから今は問題ない。これで満足か?』
オルクスの問いには答えず、俺はソファーを取りだし飛び乗った。
「おい待て。先にフロイント登録していけ。」
焦る気持ちを抑えつつ、登録する。
(まだシュティレとは登録していないのに…!)

【登録しました】

通知が来た瞬間、俺はソファーに再び乗った。

一晩中探したが、シュティレの姿は見つからなかった。
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