俺達がチートであることを知られてはいけない。

無味

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第三章

オルクス

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「…シャル。」
機械的に押し出された声。レーツェルの表情は変わらない。
「お前…レーツェルに何をした!?お前がレーツェルを追っていたのか?」
『これで話せ。』
オルクスは俺の発言を全て把握しているかのようだった。
『俺が何かをした訳ではない。貴様が余計なことをした。』
『俺が?』
自分を指差すと、オルクスは軽く頷く。
『何故シュティレと共に居た?』
『それは…何かに追われているみたいだったから。』
オルクスの瞳が揺れた気がした。
『レーツェルは…シュティレの偽名なのか?』
『そうだ。』
レーツェル…否、シュティレは黙って俺達を見守る。
『俺の元に戻ったのだから、貴様にもう用はない。気が済んだろう、去れ。』
『このまま帰れっていうのか?ふざけるな!!俺はレーツェルを連れて行く!!』
オルクスは呆れたようにため息をついた。
『レーツェルはもういない。シュティレはここの住人だ。』
彼はシュティレの肩を抱き寄せる。彼女は微動だにしないが、少し目を細めた気がした。
『住人…って、お前レーツェル…シュティレとどういう関係なんだ?』
オルクスは当たり前のように言った。
『妹だ。』
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