俺達がチートであることを知られてはいけない。

無味

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第二章

帰宅

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テレポートした先は、フライハイトだった。
「ユスティーツ?エアホーレンまでで大丈夫だって言ったけど…。」
ユスティーツは明るく笑った。
「ついで、だから気にしないで!オレがシュピッツさんに報告するから!」
「…じゃあ、ありがとう。またな。」
俺は自分のソファーを取り出し、乗りかえた。
「またね!次はシャルさんも制裁、してみなよ!」
ユスティーツが再びテレポートして去ると、早速教会へ向かった。
草原のフライハイトは建物がすぐ見つかる。ソファーを降り、ドアを押して、顔だけを覗かせてみる。
「シャル!」
ドアの音に反応したのか、奥の教会の椅子に腰かけていたレーツェルが振り向く。
「遅かったね…何してたの?」
教会の中に入り、レーツェルに近づく。
「…あぁ、ちょっと知り合いに会ってね。話が長引いたんだ、すまない。」
「また知り合い?シャルって知り合い多いね…。」
レーツェルの言葉に動揺しそうになるが、ぐっと堪える。代わりに、穏やかな笑みを浮かべて頷いてみせる。
「さ、仕事に戻ろう。…といっても、何をしようか?」
「さっきまで何人か来てたから、待てば戻って来ると思う。」
何人か来てた?それは先程の男のように、情報を得るチャンスだ。
「すいません。プファラーさんは戻られたでしょうか。」
入り口から女性が入ってきた。何人かの内の一人らしい。
「プファラーは僕です。何のご用でしょうか。」
「悩みを相談できると聞いて…。」
レーツェルは頷く。俺は女性を懺悔室へ通した。
「私…職業を変えるべきか悩んでいて…」



「ありがとうございました、これから頑張ってみます。」
気持ちとは逆に、嬉しそうに微笑んだ。
「解決できそうで良かったです。」
女性を見送りつつ、ぼんやりと考える。
(結局今回は何の収穫も無しか…最初はすぐ見つかったから楽観視してたが、他のヨシュカの情報を手に入れるのは、なかなか難しいのかもな…)
「シャル?どうかした…?」
「レーツェル…いや、何でもない。少し疲れただけさ。」
レーツェルは心配そうに顔を覗きこんだ。
「時間遅いから、私寝るね。」
「もうそんな時間か…おやすみ。」
「おやすみ。」
レーツェルがベッドの部屋に行くと、どっと疲れが出て椅子に体を投げ出した。教会の椅子は木製なので勢いで痛くなる。
「っ…はぁ、疲れたー…。」
突然フロイントの吹き出しが現れた。
[シャルさーん、起きてる?]
[…起きてる。]
[ヨシュカ探してるんだったよね?]
[あぁ。何かあるのか?]
ベッドの部屋に移動しつつ答える。
[今日オルクスがエアホーレンに居たよね!エアモルデンに居るときに会うと厄介だから、エアホーレンに居る内に会った方がいいよ!伝えるの遅くなってごめんね。]
[いや、そういう情報はありがたいよ。]
[じゃ、おやすみなさい!]
[おやすみ。]
俺はベッドに倒れこんだ。
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