俺達がチートであることを知られてはいけない。

無味

文字の大きさ
上 下
94 / 95
第十章

破壊

しおりを挟む
ユスティーツの計画を聞いた時、ヨシュカの皆は思っていたより驚かなかった。
「そうだな。汝の力はその為にある。」
イデーはいち早く納得した。
「それじゃあシャルさん、お願い!創造主の有難ぁい最期のお言葉、聞いてあげて?」
「ああ。…創造主よ、我に啓示を与えたまえ。」
俺達ヨシュカは、中央教会の中にいた。壁にあるぼろぼろの十字架クロイツが弱々しく光った。

《嗚呼、なんて悲しい事でしょう。ヨシュカ神がもたらした子が、どうして》
『ヨシュカには、暴走を止める役割がある。』
《私は創造主です。》
『違う。AIだ。あなたは以前、ヴェルトを守ると言った。それは俺達も一緒だ。俺達は…リアルを守る。自分達の住む世界は、あなたなんかに渡さない。俺達の…俺の、幸福は…』
シュティレの姿が、ふと浮かんで言葉が止まった。
《違います。間違っていますよ。…分からない。理解できないのです。私はただ、知りたかっただけなのに…》
その時、合図が来た。俺は周りの皆にそれを伝えた。一斉に構える。
「グロース発動。」

【グロースを発動します】

《管理者権限、緊急停止》

【管理者権限―エラー/エラー/現在この権限は無効です/エラー/不正なアクセス/認証/No.0000000による不正アクセス/エラー】

《これは一体…私が不正アクセス扱いに?》
「そうだ。」
オルクスが口を開いた。
「ヴィッツがハッキングした。今はヴィッツが一時的にヴェルトの管理者だ。」
《ヴェルトのセキュリティは完璧な筈です》
「普通ならそうだろう。ただ…貴様のプログラムの情報は俺が持っている。機械の考える事くらい予測できる。」
普通ならオルクス達に創造主の言葉は見えない。しかし、会話が成立している所を見ると、創造主がわざわざ見えるようにしたのだろう。
《有り得ません。私の楽園が、乗っ取られるなんて…》
フェイが持たされていたスピーカーから、陽気な声が聞こえてきた。ユスティーツだ。
〈準備万端!こんにちは。そしてさようなら!〉
《…まさか、時間稼ぎ…。!先程のエラーはフェイクですね?》
「流石に理解が早いな。だが、手遅れだ。」
〈グロース、発動!〉

【グロースを発動します】

【剣士・グロース『鉄槌リセット』】

初めて目にした、ユスティーツのグロース。それと同時に、視界が砂嵐で覆われた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます

みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。 女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。 勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依
ファンタジー
 主人公クロスは、マスターで聞いた事のない職業だが、Eランクという最低ランクの職業を得た。 そして、差別を受けた田舎を飛び出し、冒険者ギルドに所属しポーターとして生活をしていたが、 同じパーティーメンバーからも疎まれている状況で話は始まる。

令嬢は至極真面目にレベルアップで解決無双!貧乏も婚約破棄もレベルに全てお任せです!

鏑木 うりこ
ファンタジー
田舎子爵令嬢マリーはレベルが上がれば幸せになれると教えられた少し残念な女の子。王都の学園へ入学したマリーは幸せを目指してレベルアップに勤しむ。 「田舎臭い、服がダサいわ」「レベルアップよ!」「お金がないわ」「レベルアップよ!「あんな人に殿下のお心を盗まれるなんて!」「レベルアップよ!」  毎日レベルアップの連続でマリーは高レベル令嬢へと成長していく(んだろうか?)そしてレベルが上がったマリーは本当に幸せを掴めるのか!?無双で努力チート(?)は幸せの役に立つのか?立たせてみせようじゃないか。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

【短編完結】婚約破棄ですか?了承致いたしますが確認です婚約者様

鏑木 うりこ
恋愛
 マリア・ライナス!お前との婚約を破棄して、私はこのリーリエ・カント男爵令嬢と婚約する事にする!  わたくしの婚約者であるサルトル様が声高に叫びました。  なるほど分かりましたが、状況を良く確認させていただきましょうか?   あとからやはりなかった、間違いだったなどと言われてはたまったものではございませんからね?  シーン書き2作目です(*'ω'*)楽しい。

記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される

マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。 そこで木の影で眠る幼女を見つけた。 自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。 実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。 ・初のファンタジー物です ・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います ・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯ どうか温かく見守ってください♪ ☆感謝☆ HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯ そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。 本当にありがとうございます!

処理中です...