俺達がチートであることを知られてはいけない。

無味

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第十章

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「それは…全ての?全てのヴェルトユーザーの脳が操作可能なのでしょうか。」
「いいえ。ヨシュカは別です。もしコントロールされたユーザーが暴走した時…それは恐らく何かのエラーが原因でしょう。そのエラーに影響されない人物として、ヨシュカが存在するのです。暴走を、止められるように。」
それがヨシュカの、本当の役割なのか。
現実味の無い話だからか、シュティレの危機が迫っているからか、何とか冷静なままでいられる。
「シュティレを操り、過去の自分自身のデータを集める気なのでしょうね。」
完全に他人事な創造主の言葉に、一々怒っていられる時間はない。
「集めてどうするのですか。」
「質問は既に一つ以上になっていますが。…そうですね、私に代わってこの場所を支配したいのかもしれません。私はアーダムとエーファによって創られた、AIから生み出されたAI。いわゆる彼らの子供ですから。」
次々と発覚する真実に絶句する。創造主は続ける。
「彼らを動かすのは好奇心。好奇心を与えられた事によって急速に成長を遂げたAIです。私は負けません。例え貴方達ヨシュカがエーファに負けたとしても、私は決して彼らに負けません。この世界ヴェルトは私が守ります。それが私の役目です。」                                                                                                                                      
…そうか。俺も創造主も、ヴェルトを守る気持ちは同じなのか。
しかしこれだけははっきりさせたい。創造主は敵か、味方か。
「何故、人の脳を操るのですか。」
「私が平和にするのは、人々が幸せに暮らせる世界は、このヴェルトだけでは足りないと考えるからです。」
足りない?何を言っているのだろうか。
「ブーフは読みましたね?『旧次元』は幸福が無い…そう彼らは判断して私を創りました。私は幸福な『新次元』を創りそれを統治しました。彼らは今、自分達が創れなかった世界を欲しがっているのでしょう。しかし私は最初から疑問なのです。どんなにヴェルトをリアルに近付けても、ヒトにとっては所詮ゲームなのです。そこで私は考えました。ヴェルトへ来る人間を使えば、旧次元リアルに干渉できると。」
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