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第三部 ―ベルベット・スカーレット―
ep.21 傷を忘れた者同士が住まう隠れ家
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「う… ううん」
アニリンが、マリアの背の上で目覚めた。
上半身にはジャケットが羽織られ、耳にはモフモフのイヤーマフがかけられている。おぶっているマリアが、歩きながらアニリンへと話しかけた。
「やっと起きたんだね。おはよう」
アニリンの視線が、数秒程ゆらいだ。
起きたら、なぜか自分は雪原の一角で、おぶられている。
しかも、こんな温かい服を着させられていて… さぞ驚いた事だろう。
「あの、ここは? それに、あなたは一体?」
「この先に小さな一軒家があるんだ。暫くはそこで、私とアニリンの2人で暮らすの。前の家はその… 地震で、壊れちゃったからさ。その家の修繕が済むまでの辛抱ってことで」
そう、マリアがアニリンの不安を解くよう、困り笑顔で答えた。
海の家の損壊については、アニリンが気づいていない内はそういう理由にしておく。
が、
「あの… 前の家って、何のことですか? それに、どうして僕の名前を?」
「ん?」
「僕のお父さんと、お母さんは? 僕の家族を、見ませんでしたか!? 家族は、もしかしてあのまま悪い奴らに…」
マリアは一旦足を止めた。
アニリンの瞳から、涙が滲み出ている。マリアは彼を静かに下ろした。
「ねぇ君? もしかして、私の事を覚えていないの?」
「えっと… 分からない、です。たぶん、“はじめまして”、かな?」
マリアは口を閉ざした。
静かな眼差しで、アニリンの顔を見つめる。その瞳からは、嘘を感じられない。
だが、今は彼の記憶について探っても仕方がない。
そう判断し、マリアはそっと手を差し伸べ、穏やかな表情でこう答えた。
「そうか。こちらこそはじめまして。私はマリア。マリア・ヴェガっていうんだ。
残念だけど、ご両親には会った事がないの。でも、このまま君を1人にするわけにはいかない。まずは新しい家で暖を取ろう。ね?」
アニリンの表情が、少しだけ、綻んだ気がする。
もしかして例の両親が今、どうなっているか分からない―― つまり「まだ希望がある」、と思ったのか。
アニリンはうんと頷き、マリアの手を握ったのであった。
――――――――――
外は吹雪いている。
視界はとても悪く、長いこと外にいては凍死してしまうだろう。
アゲハが下見した際、鍵穴から型をとって作成したという合鍵を使い、室内へと入っていくマリア達。
確かに無人で、部屋中ホコリを被っているが、幸いにも窓ガラスが割れているといった不備は起こっていない。水道がないため、洗濯や入浴等は近くの雪や氷を拾い、溶かしてから使うのが主流になりそうだ。
「今のうちに手当をするね。ちょっとヒリヒリするよー」
先の騒動で手渡された医療キットを開き、火をつけた暖炉の前へ座らせたアニリンの傷口に、消毒液を染み込ませた脱脂綿をポンポンとあてがう。
マリアはその間、アニリンに訊けるだけ訊こうと思った。
「ここで目が覚めるまでに何があったのか、覚えている範囲で教えてくれる? あと、君の故郷やご家族のことも。もしかしたら、力になれるかもしれないからさ」
「…はい」
まるで初対面さながら、少し緊張した面持ちである。彼は俯き加減に話し始めた。
「両親とは、土壁の家で暮らしていました。だけどある日、ダークエルフの悪い奴らがいきなり、家をメチャクチャにしてきたんです。それで、僕は逃げたんだけど」
「…だけど?」
「両親の悲鳴が聞こえて、奴らに襲われたんじゃないかと、凄く不安になって。でも、その前にお父さんが言ってたんです。『何があっても、決して家に戻るな。とにかく逃げ続けろ』と。だから言う通りにして逃げ続けて、だけどいつの間にか気を失って」
「…その後は、どうなったの?」
「ここに。目が覚めたら、あなたに… マリアお姉ちゃんに、抱えられていました」
奴隷時代からの記憶が、抜け落ちている。
マリアは息を呑んだ。
だけど、収容所で出会った件については敢えて言わないでおく事にした。ここまで勇気をもって話してくれたアニリンを、マリアが慰める。
「そうか。怖い思いをしたんだね。私が浜辺で倒れている君を拾ったのも、何かの縁だよ。もう大丈夫だから…」
といいかけ、マリアの目が点になった。
アニリンの後ろ、窓ガラスの奥から、まさかの人物が見えたからだ。マリアが「ちょっとまってね!?」とすぐに立ち上がり、急いで玄関を開ける。
ガチャ
「俺だ、マリア。あの少年も無事か」
「あなた、ケガは大丈夫なの!?」
ジョン・カムリだ。頭に包帯を巻かれた状態なのに、ここまで駆けつけてきたのである。
マリアが心配そうに身を寄せようとするが…
「あぁ。もうこうして動けるくらいには大丈b…」
ガシッ!
「ぬわぁ!?」
「何が『大丈夫』だ! 安静にするよう言われてるのに、勝手に抜け出しやがって!」
礼治が後ろから登場だ。ジョンの肩をぐいと掴んだお兄さんの顔が、怖い。
そして、さらにその後ろでは段ボール箱を抱えた…
「ふぇ~ここ寒い~! 早く温まりたい~。あ、どうも非常食ですぅ~ブルブルブル」
はい僕です。 (震)
まるで僕が非常食であるかのような挨拶になっちゃったけど、こうして男3人、この家へ訪問しにきたのであった。
――――――――――
「えぇ!? 記憶喪失!?」
あのあと、非常食入りの箱を受け取ったマリアの口から衝撃的事実を告げられ、僕は驚愕した。マリアが「しっ」と指を立てる。
「きっとあの時、もみくちゃにされたショックか、魔法の副作用的なもので記憶が飛んだんだと思うの。先住民達が見ている前での発覚でないのが、不幸中の幸いだけど」
すると、その間にアニリンの額を触っていたジョンが静かに立ち、僕達の元へ歩いてきた。
赤く光っていた彼の左目が、元の紫色へ戻っていく。
「ありゃあ、確かに収容所以前までの記憶しかない。俺の力をもってしても探れないってことは、あの暴発はマゼンタのもので確定だな」
「シアンも夕べ同じ事をいってた。なら、どうしてチャームがないのに、あの子にはそれを発現させる力が…」
「みんな! こっちへ来てくれ」
と、ここで礼治が階段前からの声かけだ。
屋根裏にあたる2階へと続く階段に礼治が足をかけたところ、ミシ… と音がして床が抜けそうになったので、それで何か気づいたらしい。
僕達は揃って階段前へ来た。手当が済んで元気になったアニリンも、興味津々だ。
「みろ。隠し通路だ」
なんとその階段の一部をベリベリ剥がすと、中は空洞になっているではないか。
しかもその先は、地下へと続く石造りのスロープ! どおりで、人が住むには色々と不自然だったこの一軒家が、雪原に建てられているわけである。
「こんな道があったなんて。私も一度この階段を昇ったけど、全然気づかなかったよ」
「あれ? 剥がしてない方のこの階段、なんか凹んでね? しかもこの足の形ってレ」
「いくぞ!」
と、ジョンが何かをいいかけ、礼治がそれを遮り前へと進む。
今ここにいるメンバー中、彼が最も長身なので、それゆえ体が重く階段が… なんて失礼なこと、流石の僕でも言わない。ノンデリすぎるだろうジョナサン。
しかし前にサンドラが言っていたように、この辺りは本当に壮大な景色や考古学的ヒントが、隠されているかもしれない!
なんて淡い期待を胸に、ここは僕が発現した虹色蝶を光源として周囲を羽ばたかせ、皆でスロープを下りていった。もちろん、アニリンも一緒に。
今の彼はまるで別人のように、最初の時のような怯えた顔をしていなかった。
【クリスタルの魂を全解放まで、残り 8 個】
アニリンが、マリアの背の上で目覚めた。
上半身にはジャケットが羽織られ、耳にはモフモフのイヤーマフがかけられている。おぶっているマリアが、歩きながらアニリンへと話しかけた。
「やっと起きたんだね。おはよう」
アニリンの視線が、数秒程ゆらいだ。
起きたら、なぜか自分は雪原の一角で、おぶられている。
しかも、こんな温かい服を着させられていて… さぞ驚いた事だろう。
「あの、ここは? それに、あなたは一体?」
「この先に小さな一軒家があるんだ。暫くはそこで、私とアニリンの2人で暮らすの。前の家はその… 地震で、壊れちゃったからさ。その家の修繕が済むまでの辛抱ってことで」
そう、マリアがアニリンの不安を解くよう、困り笑顔で答えた。
海の家の損壊については、アニリンが気づいていない内はそういう理由にしておく。
が、
「あの… 前の家って、何のことですか? それに、どうして僕の名前を?」
「ん?」
「僕のお父さんと、お母さんは? 僕の家族を、見ませんでしたか!? 家族は、もしかしてあのまま悪い奴らに…」
マリアは一旦足を止めた。
アニリンの瞳から、涙が滲み出ている。マリアは彼を静かに下ろした。
「ねぇ君? もしかして、私の事を覚えていないの?」
「えっと… 分からない、です。たぶん、“はじめまして”、かな?」
マリアは口を閉ざした。
静かな眼差しで、アニリンの顔を見つめる。その瞳からは、嘘を感じられない。
だが、今は彼の記憶について探っても仕方がない。
そう判断し、マリアはそっと手を差し伸べ、穏やかな表情でこう答えた。
「そうか。こちらこそはじめまして。私はマリア。マリア・ヴェガっていうんだ。
残念だけど、ご両親には会った事がないの。でも、このまま君を1人にするわけにはいかない。まずは新しい家で暖を取ろう。ね?」
アニリンの表情が、少しだけ、綻んだ気がする。
もしかして例の両親が今、どうなっているか分からない―― つまり「まだ希望がある」、と思ったのか。
アニリンはうんと頷き、マリアの手を握ったのであった。
――――――――――
外は吹雪いている。
視界はとても悪く、長いこと外にいては凍死してしまうだろう。
アゲハが下見した際、鍵穴から型をとって作成したという合鍵を使い、室内へと入っていくマリア達。
確かに無人で、部屋中ホコリを被っているが、幸いにも窓ガラスが割れているといった不備は起こっていない。水道がないため、洗濯や入浴等は近くの雪や氷を拾い、溶かしてから使うのが主流になりそうだ。
「今のうちに手当をするね。ちょっとヒリヒリするよー」
先の騒動で手渡された医療キットを開き、火をつけた暖炉の前へ座らせたアニリンの傷口に、消毒液を染み込ませた脱脂綿をポンポンとあてがう。
マリアはその間、アニリンに訊けるだけ訊こうと思った。
「ここで目が覚めるまでに何があったのか、覚えている範囲で教えてくれる? あと、君の故郷やご家族のことも。もしかしたら、力になれるかもしれないからさ」
「…はい」
まるで初対面さながら、少し緊張した面持ちである。彼は俯き加減に話し始めた。
「両親とは、土壁の家で暮らしていました。だけどある日、ダークエルフの悪い奴らがいきなり、家をメチャクチャにしてきたんです。それで、僕は逃げたんだけど」
「…だけど?」
「両親の悲鳴が聞こえて、奴らに襲われたんじゃないかと、凄く不安になって。でも、その前にお父さんが言ってたんです。『何があっても、決して家に戻るな。とにかく逃げ続けろ』と。だから言う通りにして逃げ続けて、だけどいつの間にか気を失って」
「…その後は、どうなったの?」
「ここに。目が覚めたら、あなたに… マリアお姉ちゃんに、抱えられていました」
奴隷時代からの記憶が、抜け落ちている。
マリアは息を呑んだ。
だけど、収容所で出会った件については敢えて言わないでおく事にした。ここまで勇気をもって話してくれたアニリンを、マリアが慰める。
「そうか。怖い思いをしたんだね。私が浜辺で倒れている君を拾ったのも、何かの縁だよ。もう大丈夫だから…」
といいかけ、マリアの目が点になった。
アニリンの後ろ、窓ガラスの奥から、まさかの人物が見えたからだ。マリアが「ちょっとまってね!?」とすぐに立ち上がり、急いで玄関を開ける。
ガチャ
「俺だ、マリア。あの少年も無事か」
「あなた、ケガは大丈夫なの!?」
ジョン・カムリだ。頭に包帯を巻かれた状態なのに、ここまで駆けつけてきたのである。
マリアが心配そうに身を寄せようとするが…
「あぁ。もうこうして動けるくらいには大丈b…」
ガシッ!
「ぬわぁ!?」
「何が『大丈夫』だ! 安静にするよう言われてるのに、勝手に抜け出しやがって!」
礼治が後ろから登場だ。ジョンの肩をぐいと掴んだお兄さんの顔が、怖い。
そして、さらにその後ろでは段ボール箱を抱えた…
「ふぇ~ここ寒い~! 早く温まりたい~。あ、どうも非常食ですぅ~ブルブルブル」
はい僕です。 (震)
まるで僕が非常食であるかのような挨拶になっちゃったけど、こうして男3人、この家へ訪問しにきたのであった。
――――――――――
「えぇ!? 記憶喪失!?」
あのあと、非常食入りの箱を受け取ったマリアの口から衝撃的事実を告げられ、僕は驚愕した。マリアが「しっ」と指を立てる。
「きっとあの時、もみくちゃにされたショックか、魔法の副作用的なもので記憶が飛んだんだと思うの。先住民達が見ている前での発覚でないのが、不幸中の幸いだけど」
すると、その間にアニリンの額を触っていたジョンが静かに立ち、僕達の元へ歩いてきた。
赤く光っていた彼の左目が、元の紫色へ戻っていく。
「ありゃあ、確かに収容所以前までの記憶しかない。俺の力をもってしても探れないってことは、あの暴発はマゼンタのもので確定だな」
「シアンも夕べ同じ事をいってた。なら、どうしてチャームがないのに、あの子にはそれを発現させる力が…」
「みんな! こっちへ来てくれ」
と、ここで礼治が階段前からの声かけだ。
屋根裏にあたる2階へと続く階段に礼治が足をかけたところ、ミシ… と音がして床が抜けそうになったので、それで何か気づいたらしい。
僕達は揃って階段前へ来た。手当が済んで元気になったアニリンも、興味津々だ。
「みろ。隠し通路だ」
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しかもその先は、地下へと続く石造りのスロープ! どおりで、人が住むには色々と不自然だったこの一軒家が、雪原に建てられているわけである。
「こんな道があったなんて。私も一度この階段を昇ったけど、全然気づかなかったよ」
「あれ? 剥がしてない方のこの階段、なんか凹んでね? しかもこの足の形ってレ」
「いくぞ!」
と、ジョンが何かをいいかけ、礼治がそれを遮り前へと進む。
今ここにいるメンバー中、彼が最も長身なので、それゆえ体が重く階段が… なんて失礼なこと、流石の僕でも言わない。ノンデリすぎるだろうジョナサン。
しかし前にサンドラが言っていたように、この辺りは本当に壮大な景色や考古学的ヒントが、隠されているかもしれない!
なんて淡い期待を胸に、ここは僕が発現した虹色蝶を光源として周囲を羽ばたかせ、皆でスロープを下りていった。もちろん、アニリンも一緒に。
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