13 / 37
第三部 ―ベルベット・スカーレット―
ep.13 夢は、果たして戦争を阻止する鍵となるのか。
しおりを挟む
※ここまでの道筋(~ep.12)
“彼”が… イシュタがその空間に訪れたのは、これが3回目だろうか。
目の前に広がるは、前回と同じ、赤黒く歪な檻の中。
その中央に、あの女性が、今日はカウチで寛ぐような体勢をとっている。
何か、考え事をしているようだが…
「また、波が来そうになった―― でも、すぐに収まった。ホント、ここ最近になってから、予想がつかなくなってきたなぁ」
と、女性は呟く。
イシュタは思い出す。
その「波」の正体が何なのかは、自分でも分からないと。
流れが変わったのは恐らく、イシュタが来るようになってから… とはきいたものの、“彼”は自分にそんな力があるとは、思っていない。
なぜならサリバの様に、強大な力の覚醒など、していないから。
「前に教えてもらった、あんたの名前。捻ってみたけど、何も思い当たる節がないんだ。はぁー。これが現役時代だったら、この檻をブチ破る事も、叶ったのかなぁ」
そういえば前回、女性の名前を聞きそびれていた。
だけど、今のイシュタならもう、訊かなくても分かる様な気がした。
彼女の着用している祭典服、宝飾、髪の色、そして――“現役時代”という言葉。
それはつまり、かつての彼女が「神」になぞらえる存在だった事を、意味するのだ。
イシュタは、自身の心を落ち着かせるように、こういう。
「あなたが… マゼンタさん、ですよね? 先代の」
それが、彼の予想。
アゲハ達から度々聞かされた、先代魔王3きょうだいのこと。
今日まで、そのうちの2人が解放され、彼らとは既に面識を果たしている。
女性の―― マゼンタの目つきが、変わった。
「その口ぶり… 私が何者か、知ってるのかい?」
イシュタは、敢えて首を縦にも横にもふらない。
でも、その質問に至った経緯を伝える事なら、できる。
相手を納得させるため、イシュタは自分が知る限りの情報を―― アガーレール王国に起こっている事を、包み隠さず話した。
…。
「…なるほどね。で、CMYで私だけが今も見つかっていないと」
マゼンタは納得した様だ。
地面にコトンコトンと指を置いて鳴らし、再び考え事に入ったのか、無言の状態が10秒程続いた。
イシュタは、他に何を話せばいいのか分からず、ただ待つだけ。
「この『夢』の事は、もう誰かに伝えているのかい?」
「えっと… 最初に見た夢の時だけ、幼馴染と、マリアお嬢様に伝えています」
「そうか。話をきくに、私の名前はあまり公にしない方が良さそうだね。
なら、そのお嬢様にこう伝えな。『イタリア統一戦争における、画期的な染料が見つかった。場所は、イシュタが見る「夢」の中だ』と。それだけでいい」
「はぁ。それって、どういう――」
意味なのでしょう? といいかけ、イシュタは口をつぐんだ。
これ以上の質問は、失礼に値すると思ったからだ。でも、マゼンタは今はそんな細かい事は、気にしていない。
「ふっ。言えばわかるさ」
と、質問に対し肯定も否定もしなかった。
でも、こうして「夢」の中でマゼンタと話せた事は、すぐにでもアゲハ達に周知しておくべきだと、イシュタは決意したのであった。
こうして夢を行き来できる、今のうちに。
――――――――――
「――との事です。あの、これの意味って」
イシュタはあの後、目覚めてすぐに身支度をし、海の家の前でマリアに伝言を述べた。
言われた通り、マゼンタの名前は出さず、イタリア統一戦争のくだりを告げる。すると、マリアが次第に真剣な表情で腕を組み、頷いたのであった。
「私達の元きた世界で、実際にあった戦争の名前だよ。そこで見つかった染料が、その伝言をあなたに頼んだ彼女の髪の色と、一緒なんだよね。
でも、そうか。意味は理解できたよ。やっぱりそういう事だったんだ!」
「え? はぁ」
「ありがとうイシュタ。この事は私から皆に伝えるけど、場合によってはあなたを全力で保護する方向に向かうと思う。それまで、いつも通りに過ごしていいからね」
「ほ、保護!? えっと… 良く分からないけど。はい」
ただの伝言が、まさか保護の話にまで発展するとは、思ってもいなかった。
とりあえず、その戦争の話だけでマリアに意味が伝わったのは大きい。イシュタはこれが少しでもマゼンタ探しの役に立つのならと胸に抱き、自宅へ戻ったのであった。
それからのマリアは、イシュタが見えなくなるまで、無言で見つめ続けていたが…
「いた! マリア、丁度よかった。話したい事があるんだ」
アゲハだ。遠出でもしていたのだろう、背中に蝶の翼を生やして飛んできた。
マリアの前に降り立つと、マリアは少し驚いた様にアゲハに返事をした。
「やっほー。女王様が1人で外出なんて珍しいね」
「王宮に人がいるからね。さっきまで、昨日サンドラさんが教えてくれた例の場所へ実際に見に行っていたんだ。ところで、あの男の子はどうしてる?」
アニリンのことだ。マリアが海の家を一瞥してから、こういう。
「彼なら寝てるよ。昨日の件が余程堪えたみたいで、その疲れがドッと出ちゃったのかも」
「そうか。実は、その事も兼ねてサンドラさんが教えてくれた件について、マリアにどうしても伝えなきゃいけない事があってね――」
そういって、ここからはアゲハとマリア、女2人だけの会話が行われた。
その内容は何なのか、現時点では誰にも分からない。
なにせ海の家は人里離れた海岸沿いにあるのだ。その立地を利用して、ここは誰の耳にも入らないようアゲハが選んだと考えるのが自然だろう。
すると話をきいていたマリアが、次第に真剣な表情へと変わり、息を呑んだ。
でも、アゲハのその発言に否定はないようで、少し間を空けてから頷いたのであった。
――――――――――
――こちらボスコー花畑前。飛行物体の姿はなし。どうぞ。
と、アガーレール王国では、今日も僕達による疑似テレパシーが交わされた。
前回、あんな不可解な飛行物体の群れと騒音があったのだ。女王から遺憾の意を示されてもなお、僕達の警戒は続いている。
ちなみに、ジョン・カムリからの報告は上のとおりである。他にも、
――こっちもだ。コロニーから暗黒城にかけて一望したが、今日は静かだよ。
と、ヘルの声。つづけてルカ。
――こちら法政。沖の方は特に何も見えないですね。海の家への方角は… あれ? 何か怪しいのが1機飛んでる。
――え!?
――あ、ごめんなさい僕の見間違いでした! アゲハさんだったわ。
――オイッ!!
とまぁ、中には警戒し過ぎたがあまりクスっとなるような報告もあり、思わず腰が抜けそうになるが、とりあえず明確に不審者が上空を飛んでいる様子はないみたい。
ルカの反応からして、アゲハが特に問題ないという事も分かって一安心。
――私がなんだって?
おっと。僕達のテレパシー、本人に丸聞こえだったか。これは気まずいぞ。
だけど、アゲハは味方から「不審者」だと誤認識された件に関し、さほど気にしている様子はないみたいである。
しかし、この後が衝撃的であった。
――それより皆、かのオペレーションに関するビッグニュースが入ってきたよ。
――お?
――あのイシュタが最近、継続した「夢」を見る様になったそうでね。幽体離脱なのかは知らないけど、そこで、彼はあのマゼンタと会っている事が判明したんだ。
…。
「「「えぇぇぇぇー!?」」」
まさかの事実! 予想を遥かに超える超ビッグニュースだった!
なんで!? 一体どうやって!? と、これには僕達全員ビックリ。あの時マリアから聞いてきたのだろう、この時のアゲハの表情は真剣そのものであった。
(つづく)
“彼”が… イシュタがその空間に訪れたのは、これが3回目だろうか。
目の前に広がるは、前回と同じ、赤黒く歪な檻の中。
その中央に、あの女性が、今日はカウチで寛ぐような体勢をとっている。
何か、考え事をしているようだが…
「また、波が来そうになった―― でも、すぐに収まった。ホント、ここ最近になってから、予想がつかなくなってきたなぁ」
と、女性は呟く。
イシュタは思い出す。
その「波」の正体が何なのかは、自分でも分からないと。
流れが変わったのは恐らく、イシュタが来るようになってから… とはきいたものの、“彼”は自分にそんな力があるとは、思っていない。
なぜならサリバの様に、強大な力の覚醒など、していないから。
「前に教えてもらった、あんたの名前。捻ってみたけど、何も思い当たる節がないんだ。はぁー。これが現役時代だったら、この檻をブチ破る事も、叶ったのかなぁ」
そういえば前回、女性の名前を聞きそびれていた。
だけど、今のイシュタならもう、訊かなくても分かる様な気がした。
彼女の着用している祭典服、宝飾、髪の色、そして――“現役時代”という言葉。
それはつまり、かつての彼女が「神」になぞらえる存在だった事を、意味するのだ。
イシュタは、自身の心を落ち着かせるように、こういう。
「あなたが… マゼンタさん、ですよね? 先代の」
それが、彼の予想。
アゲハ達から度々聞かされた、先代魔王3きょうだいのこと。
今日まで、そのうちの2人が解放され、彼らとは既に面識を果たしている。
女性の―― マゼンタの目つきが、変わった。
「その口ぶり… 私が何者か、知ってるのかい?」
イシュタは、敢えて首を縦にも横にもふらない。
でも、その質問に至った経緯を伝える事なら、できる。
相手を納得させるため、イシュタは自分が知る限りの情報を―― アガーレール王国に起こっている事を、包み隠さず話した。
…。
「…なるほどね。で、CMYで私だけが今も見つかっていないと」
マゼンタは納得した様だ。
地面にコトンコトンと指を置いて鳴らし、再び考え事に入ったのか、無言の状態が10秒程続いた。
イシュタは、他に何を話せばいいのか分からず、ただ待つだけ。
「この『夢』の事は、もう誰かに伝えているのかい?」
「えっと… 最初に見た夢の時だけ、幼馴染と、マリアお嬢様に伝えています」
「そうか。話をきくに、私の名前はあまり公にしない方が良さそうだね。
なら、そのお嬢様にこう伝えな。『イタリア統一戦争における、画期的な染料が見つかった。場所は、イシュタが見る「夢」の中だ』と。それだけでいい」
「はぁ。それって、どういう――」
意味なのでしょう? といいかけ、イシュタは口をつぐんだ。
これ以上の質問は、失礼に値すると思ったからだ。でも、マゼンタは今はそんな細かい事は、気にしていない。
「ふっ。言えばわかるさ」
と、質問に対し肯定も否定もしなかった。
でも、こうして「夢」の中でマゼンタと話せた事は、すぐにでもアゲハ達に周知しておくべきだと、イシュタは決意したのであった。
こうして夢を行き来できる、今のうちに。
――――――――――
「――との事です。あの、これの意味って」
イシュタはあの後、目覚めてすぐに身支度をし、海の家の前でマリアに伝言を述べた。
言われた通り、マゼンタの名前は出さず、イタリア統一戦争のくだりを告げる。すると、マリアが次第に真剣な表情で腕を組み、頷いたのであった。
「私達の元きた世界で、実際にあった戦争の名前だよ。そこで見つかった染料が、その伝言をあなたに頼んだ彼女の髪の色と、一緒なんだよね。
でも、そうか。意味は理解できたよ。やっぱりそういう事だったんだ!」
「え? はぁ」
「ありがとうイシュタ。この事は私から皆に伝えるけど、場合によってはあなたを全力で保護する方向に向かうと思う。それまで、いつも通りに過ごしていいからね」
「ほ、保護!? えっと… 良く分からないけど。はい」
ただの伝言が、まさか保護の話にまで発展するとは、思ってもいなかった。
とりあえず、その戦争の話だけでマリアに意味が伝わったのは大きい。イシュタはこれが少しでもマゼンタ探しの役に立つのならと胸に抱き、自宅へ戻ったのであった。
それからのマリアは、イシュタが見えなくなるまで、無言で見つめ続けていたが…
「いた! マリア、丁度よかった。話したい事があるんだ」
アゲハだ。遠出でもしていたのだろう、背中に蝶の翼を生やして飛んできた。
マリアの前に降り立つと、マリアは少し驚いた様にアゲハに返事をした。
「やっほー。女王様が1人で外出なんて珍しいね」
「王宮に人がいるからね。さっきまで、昨日サンドラさんが教えてくれた例の場所へ実際に見に行っていたんだ。ところで、あの男の子はどうしてる?」
アニリンのことだ。マリアが海の家を一瞥してから、こういう。
「彼なら寝てるよ。昨日の件が余程堪えたみたいで、その疲れがドッと出ちゃったのかも」
「そうか。実は、その事も兼ねてサンドラさんが教えてくれた件について、マリアにどうしても伝えなきゃいけない事があってね――」
そういって、ここからはアゲハとマリア、女2人だけの会話が行われた。
その内容は何なのか、現時点では誰にも分からない。
なにせ海の家は人里離れた海岸沿いにあるのだ。その立地を利用して、ここは誰の耳にも入らないようアゲハが選んだと考えるのが自然だろう。
すると話をきいていたマリアが、次第に真剣な表情へと変わり、息を呑んだ。
でも、アゲハのその発言に否定はないようで、少し間を空けてから頷いたのであった。
――――――――――
――こちらボスコー花畑前。飛行物体の姿はなし。どうぞ。
と、アガーレール王国では、今日も僕達による疑似テレパシーが交わされた。
前回、あんな不可解な飛行物体の群れと騒音があったのだ。女王から遺憾の意を示されてもなお、僕達の警戒は続いている。
ちなみに、ジョン・カムリからの報告は上のとおりである。他にも、
――こっちもだ。コロニーから暗黒城にかけて一望したが、今日は静かだよ。
と、ヘルの声。つづけてルカ。
――こちら法政。沖の方は特に何も見えないですね。海の家への方角は… あれ? 何か怪しいのが1機飛んでる。
――え!?
――あ、ごめんなさい僕の見間違いでした! アゲハさんだったわ。
――オイッ!!
とまぁ、中には警戒し過ぎたがあまりクスっとなるような報告もあり、思わず腰が抜けそうになるが、とりあえず明確に不審者が上空を飛んでいる様子はないみたい。
ルカの反応からして、アゲハが特に問題ないという事も分かって一安心。
――私がなんだって?
おっと。僕達のテレパシー、本人に丸聞こえだったか。これは気まずいぞ。
だけど、アゲハは味方から「不審者」だと誤認識された件に関し、さほど気にしている様子はないみたいである。
しかし、この後が衝撃的であった。
――それより皆、かのオペレーションに関するビッグニュースが入ってきたよ。
――お?
――あのイシュタが最近、継続した「夢」を見る様になったそうでね。幽体離脱なのかは知らないけど、そこで、彼はあのマゼンタと会っている事が判明したんだ。
…。
「「「えぇぇぇぇー!?」」」
まさかの事実! 予想を遥かに超える超ビッグニュースだった!
なんで!? 一体どうやって!? と、これには僕達全員ビックリ。あの時マリアから聞いてきたのだろう、この時のアゲハの表情は真剣そのものであった。
(つづく)
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
異世界転移したよ!
八田若忠
ファンタジー
日々鉄工所で働く中年男が地球の神様が企てた事故であっけなく死亡する。
主人公の死の真相は「軟弱者が嫌いだから」と神様が明かすが、地球の神様はパンチパーマで恐ろしい顔つきだったので、あっさりと了承する主人公。
「軟弱者」と罵られた原因である魔法を自由に行使する事が出来る世界にリストラされた主人公が、ここぞとばかりに魔法を使いまくるかと思えば、そこそこ平和でお人好しばかりが住むエンガルの町に流れ着いたばかりに、温泉を掘る程度でしか活躍出来ないばかりか、腕力に物を言わせる事に長けたドワーフの三姉妹が押しかけ女房になってしまったので、益々活躍の場が無くなりさあ大変。
基本三人の奥さんが荒事を片付けている間、後ろから主人公が応援する御近所大冒険物語。
この度アルファポリス様主催の第8回ファンタジー小説大賞にて特別賞を頂き、アルファポリス様から書籍化しました。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

実験施設から抜け出した俺が伝説を超えるまでの革命記! 〜Light Fallen Angels〜
朝日 翔龍
ファンタジー
それはある世界の、今よりずっと未来のこと。いくつもの分岐点が存在し、それによって分岐された世界線、いわゆるパラレルワールド。これは、そ無限と存在するパラレルワールドの中のひとつの物語。
その宇宙に危機を及ぼす脅威や魔族と呼ばれる存在が、何度も世界を消滅させようと襲撃した。そのたびに、最強無血と謳われるレジェンド世代と称されたデ・ロアーの8人集が全てを解決していった。やがては脅威や魔族を封印し、これ以上は世界の危機もないだろうと誰もが信じていた。
しかし、そんな彼らの伝説の幕を閉ざす事件が起き、封印されていたはずの脅威が蘇った。瞬く間に不安が見え隠れする世界。そこは、異世界線へと繋がるゲートが一般的に存在し、異世界人を流れ込ませたり、例の脅威をも出してしまう。
そんな世界の日本で、実験体としてとある施設にいた主人公ドンボ。ある日、施設から神の力を人工的に得られる薬を盗んだ上で脱走に成功し、外の世界へと飛び出した。
そして街中に出た彼は恐怖と寂しさを覆い隠すために不良となり、その日凌ぎの生き方をしていた。
そんな日々を過ごしていたら、世界から脅威を封印したファイター企業、“デ・ロアー”に属すると自称する男、フラットの強引な手段で険しい旅をすることに。
狭い視野となんの知識もないドンボは、道中でフラットに教えられた生きる意味を活かし、この世界から再び脅威を取り除くことができるのであろうか。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
俺だけ入れる悪☆魔道具店無双〜お店の通貨は「不幸」です~
葉月
ファンタジー
一学期の終わり、体育館で終業式の最中に突然――全校生徒と共に異世界に飛ばされてしまった俺。
みんなが優秀なステータスの中、俺だけ最弱っ!!
こんなステータスでどうやって生き抜けと言うのか……!?
唯一の可能性は固有スキル【他人の不幸は蜜の味】だ。
このスキルで便利道具屋へ行けると喜ぶも、通貨は『不幸』だと!?
「不幸」で買い物しながら異世界サバイバルする最弱の俺の物語が今、始まる。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる