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第三部 ―ベルベット・スカーレット―
ep.3 雨女、雪の中からコンニチハ。
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ギギギギギ… ガシャン!
光の反射もままならないほどに、真っ黒な壁、天井。
ほんの一部、異なる色の壁面や床材を取り入れているとはいえ、さほど部屋が明るくなったわけではない。強いていうなら、来客者でも足場が視認しやすくなったことか。
それら修復された暗黒城内部を、チアノーゼ時代から変わらずからくり式に稼働しているのはシアンだ。
その仕組みは単純で、彼が遠隔から魔法を唱え、発現した氷やイバラを使い、物理的に壁や床を押し動かしているだけである。部外者が、簡単に内部へ進めない様にするためだ。
「自分から俺に会いにくるなんて珍しいな。何の用だ?」
シアンがそういって、振り向いた先にいたのは「マニー」ことマニュエル。アガーレール王国のNo.2にして、近衛騎士の肩書きをもつ勇者。
それまで、シアンは部屋でゆっくり「ある事業」を行うための準備に取り掛かっていたところであった。マニーは部屋に入りこうきいた。
「あまり、公にすべき事柄ではない気がしてね。シアンに聞きたい事がある」
「あん?」
「『アニリン』って、何の事だ?」
その瞬間、シアンも何となく聞き覚えがあるのだろう、僅かな“間”ができた。
それはこの暗黒城がまだ、前の長チアノーゼの支配下だったころ。マニーがその長の口から耳にした言葉である。
シアンは溜め息をつき、マニーに質問を返した。
「さぁ。なんでそんな事を?」
「俺がチアノーゼと戦っていた時に、向こうから発せられた言葉だ。シアンもあの時聞いていただろう?」
「そうだな。確かに耳にした。でも、何の事かは本当に知らない」
「そうか」
マニーにとっては期待外れの返事だったのだろうか。僅かに肩を落とす様子が見られた。
もっとも、シアンがその名前について心当たりがあるのなら、もっと早くにマニー本人へと概要を伝えているはずである。だが、全く興味がないと言っては嘘だ。
「…もしかしたら、俺がクリスタルごと拾われる前に、チアノーゼが面識した事のある人物かもしれないぜ」
「!? なぜそうなる?」
「あいつがお前を見てそう言ったからだ。きっとこの暗黒城での戦いで圧倒されている時に、ふと、その『アニリン』とかいう奴を思い出したのかもしれない。
おそらく、マニーと何処かしら面影が似ているんだろう。『人』かどうかも怪しいけどな」
腕を組んでそう答える、アルビノエルフの目に、嘘偽りの迷いは一切ない。
今や、人様の過去や未来を見通すことが出来る仲間が解放されている中、僕達に下手な嘘や隠し事はほとんどメリットがないのだ。その能力を上回る、現職の神々でない限りは。
マニーも同じく腕を組み、推理の如く顎をしゃくった。
「という事は、そのアニリンというのがチアノーゼの知る人物だと仮定して、その人は彼女にとって師匠のような… いや、畏れ多いというか。むしろ『脅威』に相当する者なのだろうか? その人に似ているかもしれないっていう、俺が言うのも何だけど」
「多分それだな。問題は、そいつが今も健在かどうか」
「…うん」
シアンは内心思った。
そいつを探して、一体どうするのだ? と。
でもだからこそ、マニーは本筋とあまり関係のなさそうな疑問を公に出すのは、かえってアゲハ達の負担になると考えたようだ。なぜなら、
「まさかそれ、かのベルスカと何らかの関係があると見込んだのか?」
「正直にいうと、最初はそう予見したよ。でも、アニリンというのが何を意味しているのか分からない以上、例のオペレーションと結び付けるのは少し無理があると思ってね」
「だったら調べられるだろう? 上界へ行って、あのひまわり組に、俺達の元きた世界と酷似した世界線から検索をかけるよう頼めば、いずれ答えが出てくるんじゃねぇのか? あのノアとキャミも、とっくにその方法で資料を引っ張り出してるって話だ」
「…それ、良いアイデアだな」
マニーははっとなった。
僕達の元きた世界は、現在も見つからずじまいだが、それに並行もしくは類似した世界線なら、探せば幾らでもある事を思い出した。
もちろん、僕達がその世界へ直接移り住むという意味ではない。あくまで上から「俯瞰」し、情報を収集できるというだけ。
とりあえずある程度やるべき事が定まったところで、これ以上はシアンの邪魔をしてはならないと、マニーが帰りの支度をしながらこうきく。
「その2人は何を調べてるんだろう?」
「たしか、『言語学』とかいってたな。あまり細かくは見てないが、なんか何十冊も積み重なったノートの束を枕元に置いて、アガーレールの世界へと転送させているのを見たぞ」
「言語学… あの石碑の解読かな。分かった。ありがとう!」
そういって、マニーは部屋を入る前の道へと戻っていった。
彼が去ったタイミングを見計らい、シアンが静かに魔法を詠唱。
部屋のからくりを作動させ、元の部外者が立ち入れない間取りへと変換させた。
――はぁー、俺もあの時訊いておけばよかったな。チアノーゼのやつ、あの後すぐに転生しやがって。
もう二度と、本人の口から訊けやしない。まったくだぜ。
そう溜め息交じりに、シアンは再び、とある事業を始めるための準備を再開した。
網と糸、そしてワイン瓶を持って。
――――――――――
ボフンッ
という軽めな音が響いてきたのは、僕が冒険者ギルドのメンバーであるヒナやヘルと共に、雷鳴の山脈に向かっていた時のこと。
僕達はちょうど、砂漠攻略のヒントを得る為に、かつて年中大雨だった山岳地帯から遠方にあるその地を見下ろしていた。
視線の先は、砂漠と思しき場所… なんだけど、土地全体を覆うように大規模な砂嵐が舞っていて、全然奥が見えないのだ。あれでは海や空から攻めるのも大変そう。
「いま、何かが落ちたような音が聞こえなかったか?」
と、ヘルがきいた。ヒナは白い息を手にフーフーと吹きかけている。
雪が降るほど今の山脈はとても寒いので、全員厚手のコートやジャケットを羽織っているのだが、今なんとなく僕も耳にした気がする。僕はハッとなった。
「もしかして、2人目の神様が空から降ってきたりして!」
「えぇぇ!? いつぞやの礼治さんが、この世界へ降り立った時みたいに!?」
なんてヒナが驚きの表情を浮かべるが、ここは僕が先頭に立ち、その音がした方向へと走っていった。ヘルもそれについていく。
砂漠と思しきエリアの調査途中で申し訳ないが、ここは本作の最大目標である「仲間全員を見つけ、解放する」という使命に則り、また1人仲間がパーティーに加わるイベント発生の可能性を優先したいのだ。
仲間の数や、使える能力のレパートリーは多い方がいい。
「あれか! 上から斜めに、隕石が降りたような跡がある。顔を覗かせている岩肌も、一部が少し焼けているな」
「その割には、そんなに乱暴な音はしなかったよね…? 少し湯気が出ているから、墜落して間もないみたいだけど、雪がクッションになったのかな?」
なんてヒナ達が困惑した視線の先に、そのクレーター? はあった。
礼治の時とは大違いなほど、静かで小規模な窪みだ。地響きすら鳴っていない。僕は恐る恐るその「穴」を見つめた。すると、
ざっ、ざっ… ひょこ。
その「穴」から更に深く雪がかきだされ、そこから1人の女性が、目元の高さまでひょっこり顔を覗かせたのだ。まるでオコジョのよう。
僕の予想通り、晴れてこの地へ降り立ったのは上界の神の1人。ミネルヴァであった。
【クリスタルの魂を全解放まで、残り 12 個】
光の反射もままならないほどに、真っ黒な壁、天井。
ほんの一部、異なる色の壁面や床材を取り入れているとはいえ、さほど部屋が明るくなったわけではない。強いていうなら、来客者でも足場が視認しやすくなったことか。
それら修復された暗黒城内部を、チアノーゼ時代から変わらずからくり式に稼働しているのはシアンだ。
その仕組みは単純で、彼が遠隔から魔法を唱え、発現した氷やイバラを使い、物理的に壁や床を押し動かしているだけである。部外者が、簡単に内部へ進めない様にするためだ。
「自分から俺に会いにくるなんて珍しいな。何の用だ?」
シアンがそういって、振り向いた先にいたのは「マニー」ことマニュエル。アガーレール王国のNo.2にして、近衛騎士の肩書きをもつ勇者。
それまで、シアンは部屋でゆっくり「ある事業」を行うための準備に取り掛かっていたところであった。マニーは部屋に入りこうきいた。
「あまり、公にすべき事柄ではない気がしてね。シアンに聞きたい事がある」
「あん?」
「『アニリン』って、何の事だ?」
その瞬間、シアンも何となく聞き覚えがあるのだろう、僅かな“間”ができた。
それはこの暗黒城がまだ、前の長チアノーゼの支配下だったころ。マニーがその長の口から耳にした言葉である。
シアンは溜め息をつき、マニーに質問を返した。
「さぁ。なんでそんな事を?」
「俺がチアノーゼと戦っていた時に、向こうから発せられた言葉だ。シアンもあの時聞いていただろう?」
「そうだな。確かに耳にした。でも、何の事かは本当に知らない」
「そうか」
マニーにとっては期待外れの返事だったのだろうか。僅かに肩を落とす様子が見られた。
もっとも、シアンがその名前について心当たりがあるのなら、もっと早くにマニー本人へと概要を伝えているはずである。だが、全く興味がないと言っては嘘だ。
「…もしかしたら、俺がクリスタルごと拾われる前に、チアノーゼが面識した事のある人物かもしれないぜ」
「!? なぜそうなる?」
「あいつがお前を見てそう言ったからだ。きっとこの暗黒城での戦いで圧倒されている時に、ふと、その『アニリン』とかいう奴を思い出したのかもしれない。
おそらく、マニーと何処かしら面影が似ているんだろう。『人』かどうかも怪しいけどな」
腕を組んでそう答える、アルビノエルフの目に、嘘偽りの迷いは一切ない。
今や、人様の過去や未来を見通すことが出来る仲間が解放されている中、僕達に下手な嘘や隠し事はほとんどメリットがないのだ。その能力を上回る、現職の神々でない限りは。
マニーも同じく腕を組み、推理の如く顎をしゃくった。
「という事は、そのアニリンというのがチアノーゼの知る人物だと仮定して、その人は彼女にとって師匠のような… いや、畏れ多いというか。むしろ『脅威』に相当する者なのだろうか? その人に似ているかもしれないっていう、俺が言うのも何だけど」
「多分それだな。問題は、そいつが今も健在かどうか」
「…うん」
シアンは内心思った。
そいつを探して、一体どうするのだ? と。
でもだからこそ、マニーは本筋とあまり関係のなさそうな疑問を公に出すのは、かえってアゲハ達の負担になると考えたようだ。なぜなら、
「まさかそれ、かのベルスカと何らかの関係があると見込んだのか?」
「正直にいうと、最初はそう予見したよ。でも、アニリンというのが何を意味しているのか分からない以上、例のオペレーションと結び付けるのは少し無理があると思ってね」
「だったら調べられるだろう? 上界へ行って、あのひまわり組に、俺達の元きた世界と酷似した世界線から検索をかけるよう頼めば、いずれ答えが出てくるんじゃねぇのか? あのノアとキャミも、とっくにその方法で資料を引っ張り出してるって話だ」
「…それ、良いアイデアだな」
マニーははっとなった。
僕達の元きた世界は、現在も見つからずじまいだが、それに並行もしくは類似した世界線なら、探せば幾らでもある事を思い出した。
もちろん、僕達がその世界へ直接移り住むという意味ではない。あくまで上から「俯瞰」し、情報を収集できるというだけ。
とりあえずある程度やるべき事が定まったところで、これ以上はシアンの邪魔をしてはならないと、マニーが帰りの支度をしながらこうきく。
「その2人は何を調べてるんだろう?」
「たしか、『言語学』とかいってたな。あまり細かくは見てないが、なんか何十冊も積み重なったノートの束を枕元に置いて、アガーレールの世界へと転送させているのを見たぞ」
「言語学… あの石碑の解読かな。分かった。ありがとう!」
そういって、マニーは部屋を入る前の道へと戻っていった。
彼が去ったタイミングを見計らい、シアンが静かに魔法を詠唱。
部屋のからくりを作動させ、元の部外者が立ち入れない間取りへと変換させた。
――はぁー、俺もあの時訊いておけばよかったな。チアノーゼのやつ、あの後すぐに転生しやがって。
もう二度と、本人の口から訊けやしない。まったくだぜ。
そう溜め息交じりに、シアンは再び、とある事業を始めるための準備を再開した。
網と糸、そしてワイン瓶を持って。
――――――――――
ボフンッ
という軽めな音が響いてきたのは、僕が冒険者ギルドのメンバーであるヒナやヘルと共に、雷鳴の山脈に向かっていた時のこと。
僕達はちょうど、砂漠攻略のヒントを得る為に、かつて年中大雨だった山岳地帯から遠方にあるその地を見下ろしていた。
視線の先は、砂漠と思しき場所… なんだけど、土地全体を覆うように大規模な砂嵐が舞っていて、全然奥が見えないのだ。あれでは海や空から攻めるのも大変そう。
「いま、何かが落ちたような音が聞こえなかったか?」
と、ヘルがきいた。ヒナは白い息を手にフーフーと吹きかけている。
雪が降るほど今の山脈はとても寒いので、全員厚手のコートやジャケットを羽織っているのだが、今なんとなく僕も耳にした気がする。僕はハッとなった。
「もしかして、2人目の神様が空から降ってきたりして!」
「えぇぇ!? いつぞやの礼治さんが、この世界へ降り立った時みたいに!?」
なんてヒナが驚きの表情を浮かべるが、ここは僕が先頭に立ち、その音がした方向へと走っていった。ヘルもそれについていく。
砂漠と思しきエリアの調査途中で申し訳ないが、ここは本作の最大目標である「仲間全員を見つけ、解放する」という使命に則り、また1人仲間がパーティーに加わるイベント発生の可能性を優先したいのだ。
仲間の数や、使える能力のレパートリーは多い方がいい。
「あれか! 上から斜めに、隕石が降りたような跡がある。顔を覗かせている岩肌も、一部が少し焼けているな」
「その割には、そんなに乱暴な音はしなかったよね…? 少し湯気が出ているから、墜落して間もないみたいだけど、雪がクッションになったのかな?」
なんてヒナ達が困惑した視線の先に、そのクレーター? はあった。
礼治の時とは大違いなほど、静かで小規模な窪みだ。地響きすら鳴っていない。僕は恐る恐るその「穴」を見つめた。すると、
ざっ、ざっ… ひょこ。
その「穴」から更に深く雪がかきだされ、そこから1人の女性が、目元の高さまでひょっこり顔を覗かせたのだ。まるでオコジョのよう。
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