37 / 56
02:王都
09:ドレスの色
しおりを挟む
店に入る前、
「フィリベルト様、お手を貸して頂けますか?」
すると目の前に大きな手が伸びてきた。
どうやら私と手を繋ぐことは抵抗が無くなったらしい。クスリと笑いながらその手に自分の腕を絡める。
「お、おい?」
「この方がより親密に見えるでしょう」
さあっ行きましょうと意気揚々と店へと足を運べば、フィリベルト様はしぶしぶと言う体で歩き出す。
う~んもう少し温度差が縮まればいいのになぁ。
「いらっしゃいませ」
店に入ると馬車を見て待ち構えていた店員が頭を深々と下げて礼を取っていた。
そして顔を上げフィリベルト様が視界に入ると「っ」と息を飲んだ。しかし腕に巻き付く私を見て笑顔が戻る。
うんうん、期待通りの効果があったようで何よりね。
「本日は何をお求めでございましょうか?」
「夜会用のドレスを頼みたい」
「まぁドレスですか。もしやそちらの可愛らしいお嬢様のお召し物でしょうか?」
「ああそうだ」
「ではお嬢様はこちらへお願いします。まずは採寸いたしましょう」
「ええ分かったわ。
ところでそのお嬢様と言うのはやめて頂ける?
私は既に旦那様と結婚しています。次からは夫人と呼んでくださいな」
「まぁご夫婦でございましたか、大変失礼いたしました」
店員は謝罪をし頭を下げた。
その頭を下げる一瞬だけ、本気で驚いていた表情が見えたが、再び起き上がった時にはその表情は消え去っていた。
なるほど、お勧めのお店と言うだけのことはあるわね。
私たちは店先から中へ案内された。
「ご夫人はお若いですから、こちら側のドレスがお勧めでございます」
そこはフリルが多めの明るい色のドレスが並ぶブースだった。私はドレスに付けらえた値段をそれとなく確認した。今年の冬にお父様と行ったお店も中々だったが、この店も流石はヴァルラお姉さまのお勧めだけあって、ドレスの値段は思ったよりも張っていた。
大丈夫かしら?
「済まない。この店はオーダーメイドも扱っていると聞いてきた」
ええっオーダーメイド!?
まさかそちらとは思わなかった。レディメイドでもこんなにいいお値段なのに、オーダーって、本当に大丈夫かしら。
「失礼いたしました。お客様はオーダーメイドをご所望でございましたか、もちろん扱っておりますとも」
どうぞこちらへと今度はカウンターの方へ移動する。そこで出てきたのはオーダーメイドの値段表。
デザイン料と生地、装飾などなど。
最低のランクをすべて選んで……、うわっ高っ!!
ざっと計算を終えたのか、フィリベルト様も「ほぅ」と一言唸った。果たして今の『ほぅ』は、高い方の『ほぅ』なのか、安い方の『ほぅ』なのかどちらだろう?
「問題ない、こちらで頼めるか」
「ええ勿論ですわ、ありがとうございます」
店員の笑みが増した。
どうやらオーダーメイドを買う様な客なので上客扱いされたっぽいわね。
「では本日はご夫人の採寸と、ドレスのデザインなどをざっとお打合せさせて頂きたいと思います」
「それはいいが、完成はいつになる?」
「通常ですと完成までに一ヶ月頂いておりますが、いまは収穫祭の準備で大変込み合っておりまして、もう少々お時間を頂いております」
「いやドレスはその五日後の夜会で使いたいのだが」
「申し訳ございません。どう頑張ってもその日までにご準備はできません」
「むぅ……そうであったか。
物を知らずに無茶な注文をしたようだ。済まなかった」
よくよく考えてみればまさにその通り。ドレスが夜会の日を抜いた四日で出来るわけないわよね。
私は別段オーダーメイドに憧れもないから惜しいとも思わない。他ならぬフィリベルト様から贈って頂けることが重要なのよ!
間に合わないのだからと、吊るしのレディメイドのドレスから選び、追加料金を払い、三日ほど掛けて私用に手直しをすると言う案に落ち着いた。
私たちは先ほど案内されたブースに再び戻ってきた。
「ご夫人の年齢でしたら深い色よりも、こちらの明るめの色のドレスがよろしいかと思います」
秋の収穫祭なので、秋を表す黄色と赤、そして茶色が流行りの様だ。なおこれがそのまま年齢順で、若い人は黄色で年齢が上がると赤を経て茶になる。
さらに同じ色でも濃さがあり、若かったり未婚だと色は明るめで、既婚や年配になるほど色は濃くそして深くなっていくそうだ。
つまり明るい黄色が一番若く、赤を通り越して茶の深めが一番年配ってことだ。
その例に習えば、私には明るい黄色がお勧めらしい。
フィリベルト様は店員から説明された通り、明るい黄色のドレスを中心に品定めし始めた。今回私は贈って頂く立場なので口を挟むことは無い。
無いと言いつつ、本当は流行なんて無視したいと思っていた。
静かに座っていたのは最初の数分だけ。
すぐに鏡の前に立たされると、これがいい、こっちの方が似合うだの、気付けば店員の数が増えて皆でドレスを私に当ててくる。
かなりの時間が掛かりやっと残り三つほどになった。最後の三つ、フィリベルト様はどうしても決めかねている様で、結論が出ないらしい。
そこで、立ちっぱなしで疲れていたこともあり、私はちょっとしたミスをした。
「ベアトリクスはどう思う?」
その瞬間、私は並んだ黄色いドレスを見ずに欲しかったドレスの方に視線を向けてしまった。
「もしや他に欲しいドレスがあったか?」
そう指摘されれば誤魔化すのは不自然だと思い、先ほどまでの話や流れをまったく無視した、濃紺のドレスを指差した。
「その色は貴女には暗すぎるのではないか?」
覚えたての、店員の教えをそのまま口にした。当然だが店員も、フィリベルト様の言葉に同意してコクコクと頷いている。
やはり言うべきではなかったと後悔が生まれる。
「そうですよね、ごめんなさい。ドレスはやっぱり旦那様が決めてください」
「もしや何か思い入れのあるドレスなのか?」
私の態度に違和感があったのだろう、フィリベルト様が理由を問い掛けてきた。
「私が初めて閣下とお会いした時に着ていらした軍服がこの色でございました」
フィリベルト様は視線を彷徨わせて、
「ああそうか、クラハト領に行ったとき確かにその色の軍服であったな」
「折角贈って頂けるのですから思い出の色が欲しいと思いましたが、似合わない様ですし諦めますわ」
するとフィリベルト様は、店員に向き直り、
「済まないがあの色で、屋敷の中で着られる簡素なドレスはないか?」
「そうですね、確かあったと思います」
「ではそちらも買わせて貰おう。
これでどうだろうかベアトリクス。家ではそちらを着て、今回の夜会ではこちらの明るい色を着てはどうか」
「はい! もちろん不満なんてございません。
ありがとうございます!」
追加で手直しをする黄色のドレスは置いていき、濃紺の簡素なドレスだけを頂いて店を後にした。
実は今すぐに着て帰りたいのだけど、流石にそれははしたないのでグッと我慢した。
馬車は王宮に向かって走っていく。
「フィリベルト様。ありがとうございました」
「改まってどうした」
「これはお礼ですわ」
頬に触れる軽いキス。
「頬だけか?」
フィリベルト様はちょっと小馬鹿にする感じでニヤッと笑った。
むっ!
よいしょとフィリベルト様の膝の上に跨り、
「お、おい何を! 危ないぞ」
そんな台詞は知った事か!
首に手を回して長い長い口づけをしてやった!
「フィリベルト様、お手を貸して頂けますか?」
すると目の前に大きな手が伸びてきた。
どうやら私と手を繋ぐことは抵抗が無くなったらしい。クスリと笑いながらその手に自分の腕を絡める。
「お、おい?」
「この方がより親密に見えるでしょう」
さあっ行きましょうと意気揚々と店へと足を運べば、フィリベルト様はしぶしぶと言う体で歩き出す。
う~んもう少し温度差が縮まればいいのになぁ。
「いらっしゃいませ」
店に入ると馬車を見て待ち構えていた店員が頭を深々と下げて礼を取っていた。
そして顔を上げフィリベルト様が視界に入ると「っ」と息を飲んだ。しかし腕に巻き付く私を見て笑顔が戻る。
うんうん、期待通りの効果があったようで何よりね。
「本日は何をお求めでございましょうか?」
「夜会用のドレスを頼みたい」
「まぁドレスですか。もしやそちらの可愛らしいお嬢様のお召し物でしょうか?」
「ああそうだ」
「ではお嬢様はこちらへお願いします。まずは採寸いたしましょう」
「ええ分かったわ。
ところでそのお嬢様と言うのはやめて頂ける?
私は既に旦那様と結婚しています。次からは夫人と呼んでくださいな」
「まぁご夫婦でございましたか、大変失礼いたしました」
店員は謝罪をし頭を下げた。
その頭を下げる一瞬だけ、本気で驚いていた表情が見えたが、再び起き上がった時にはその表情は消え去っていた。
なるほど、お勧めのお店と言うだけのことはあるわね。
私たちは店先から中へ案内された。
「ご夫人はお若いですから、こちら側のドレスがお勧めでございます」
そこはフリルが多めの明るい色のドレスが並ぶブースだった。私はドレスに付けらえた値段をそれとなく確認した。今年の冬にお父様と行ったお店も中々だったが、この店も流石はヴァルラお姉さまのお勧めだけあって、ドレスの値段は思ったよりも張っていた。
大丈夫かしら?
「済まない。この店はオーダーメイドも扱っていると聞いてきた」
ええっオーダーメイド!?
まさかそちらとは思わなかった。レディメイドでもこんなにいいお値段なのに、オーダーって、本当に大丈夫かしら。
「失礼いたしました。お客様はオーダーメイドをご所望でございましたか、もちろん扱っておりますとも」
どうぞこちらへと今度はカウンターの方へ移動する。そこで出てきたのはオーダーメイドの値段表。
デザイン料と生地、装飾などなど。
最低のランクをすべて選んで……、うわっ高っ!!
ざっと計算を終えたのか、フィリベルト様も「ほぅ」と一言唸った。果たして今の『ほぅ』は、高い方の『ほぅ』なのか、安い方の『ほぅ』なのかどちらだろう?
「問題ない、こちらで頼めるか」
「ええ勿論ですわ、ありがとうございます」
店員の笑みが増した。
どうやらオーダーメイドを買う様な客なので上客扱いされたっぽいわね。
「では本日はご夫人の採寸と、ドレスのデザインなどをざっとお打合せさせて頂きたいと思います」
「それはいいが、完成はいつになる?」
「通常ですと完成までに一ヶ月頂いておりますが、いまは収穫祭の準備で大変込み合っておりまして、もう少々お時間を頂いております」
「いやドレスはその五日後の夜会で使いたいのだが」
「申し訳ございません。どう頑張ってもその日までにご準備はできません」
「むぅ……そうであったか。
物を知らずに無茶な注文をしたようだ。済まなかった」
よくよく考えてみればまさにその通り。ドレスが夜会の日を抜いた四日で出来るわけないわよね。
私は別段オーダーメイドに憧れもないから惜しいとも思わない。他ならぬフィリベルト様から贈って頂けることが重要なのよ!
間に合わないのだからと、吊るしのレディメイドのドレスから選び、追加料金を払い、三日ほど掛けて私用に手直しをすると言う案に落ち着いた。
私たちは先ほど案内されたブースに再び戻ってきた。
「ご夫人の年齢でしたら深い色よりも、こちらの明るめの色のドレスがよろしいかと思います」
秋の収穫祭なので、秋を表す黄色と赤、そして茶色が流行りの様だ。なおこれがそのまま年齢順で、若い人は黄色で年齢が上がると赤を経て茶になる。
さらに同じ色でも濃さがあり、若かったり未婚だと色は明るめで、既婚や年配になるほど色は濃くそして深くなっていくそうだ。
つまり明るい黄色が一番若く、赤を通り越して茶の深めが一番年配ってことだ。
その例に習えば、私には明るい黄色がお勧めらしい。
フィリベルト様は店員から説明された通り、明るい黄色のドレスを中心に品定めし始めた。今回私は贈って頂く立場なので口を挟むことは無い。
無いと言いつつ、本当は流行なんて無視したいと思っていた。
静かに座っていたのは最初の数分だけ。
すぐに鏡の前に立たされると、これがいい、こっちの方が似合うだの、気付けば店員の数が増えて皆でドレスを私に当ててくる。
かなりの時間が掛かりやっと残り三つほどになった。最後の三つ、フィリベルト様はどうしても決めかねている様で、結論が出ないらしい。
そこで、立ちっぱなしで疲れていたこともあり、私はちょっとしたミスをした。
「ベアトリクスはどう思う?」
その瞬間、私は並んだ黄色いドレスを見ずに欲しかったドレスの方に視線を向けてしまった。
「もしや他に欲しいドレスがあったか?」
そう指摘されれば誤魔化すのは不自然だと思い、先ほどまでの話や流れをまったく無視した、濃紺のドレスを指差した。
「その色は貴女には暗すぎるのではないか?」
覚えたての、店員の教えをそのまま口にした。当然だが店員も、フィリベルト様の言葉に同意してコクコクと頷いている。
やはり言うべきではなかったと後悔が生まれる。
「そうですよね、ごめんなさい。ドレスはやっぱり旦那様が決めてください」
「もしや何か思い入れのあるドレスなのか?」
私の態度に違和感があったのだろう、フィリベルト様が理由を問い掛けてきた。
「私が初めて閣下とお会いした時に着ていらした軍服がこの色でございました」
フィリベルト様は視線を彷徨わせて、
「ああそうか、クラハト領に行ったとき確かにその色の軍服であったな」
「折角贈って頂けるのですから思い出の色が欲しいと思いましたが、似合わない様ですし諦めますわ」
するとフィリベルト様は、店員に向き直り、
「済まないがあの色で、屋敷の中で着られる簡素なドレスはないか?」
「そうですね、確かあったと思います」
「ではそちらも買わせて貰おう。
これでどうだろうかベアトリクス。家ではそちらを着て、今回の夜会ではこちらの明るい色を着てはどうか」
「はい! もちろん不満なんてございません。
ありがとうございます!」
追加で手直しをする黄色のドレスは置いていき、濃紺の簡素なドレスだけを頂いて店を後にした。
実は今すぐに着て帰りたいのだけど、流石にそれははしたないのでグッと我慢した。
馬車は王宮に向かって走っていく。
「フィリベルト様。ありがとうございました」
「改まってどうした」
「これはお礼ですわ」
頬に触れる軽いキス。
「頬だけか?」
フィリベルト様はちょっと小馬鹿にする感じでニヤッと笑った。
むっ!
よいしょとフィリベルト様の膝の上に跨り、
「お、おい何を! 危ないぞ」
そんな台詞は知った事か!
首に手を回して長い長い口づけをしてやった!
10
お気に入りに追加
927
あなたにおすすめの小説
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
母が病気で亡くなり父と継母と義姉に虐げられる。幼馴染の王子に溺愛され結婚相手に選ばれたら家族の態度が変わった。
window
恋愛
最愛の母モニカかが病気で生涯を終える。娘の公爵令嬢アイシャは母との約束を守り、あたたかい思いやりの心を持つ子に育った。
そんな中、父ジェラールが再婚する。継母のバーバラは美しい顔をしていますが性格は悪く、娘のルージュも見た目は可愛いですが性格はひどいものでした。
バーバラと義姉は意地のわるそうな薄笑いを浮かべて、アイシャを虐げるようになる。肉親の父も助けてくれなくて実子のアイシャに冷たい視線を向け始める。
逆に継母の連れ子には甘い顔を見せて溺愛ぶりは常軌を逸していた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ロザリーの新婚生活
緑谷めい
恋愛
主人公はアンペール伯爵家長女ロザリー。17歳。
アンペール伯爵家は領地で自然災害が続き、多額の復興費用を必要としていた。ロザリーはその費用を得る為、財力に富むベルクール伯爵家の跡取り息子セストと結婚する。
このお話は、そんな政略結婚をしたロザリーとセストの新婚生活の物語。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
退役騎士の居候生活
夏菜しの
恋愛
戦の功績で騎士爵を賜ったオレーシャは辺境を警備する職に就いていた。
東方で三年、南方で二年。新たに赴任した南方で不覚を取り、怪我をしたオレーシャは騎士団を退役することに決めた。
彼女は騎士団を退役し暮らしていた兵舎を出ることになる。
新たな家を探してみるが幼い頃から兵士として暮らしてきた彼女にはそう言った常識が無く、家を見つけることなく退去期間を向かえてしまう。
事情を知った団長フェリックスは彼女を仮の宿として自らの家に招いた。
何も知らないオレーシャはそこで過ごすうちに、色々な事を知っていく。
※オレーシャとフェリックスのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる