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02:閑話
夜会裏側
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そろそろ参加者が入場する段になり、一段高い席へ向かえば、何やら席順がおかしいことに気づいた。
あれ、俺って嫡男なんだけど端っこなの?
問うように父に視線を向ければ、口パクで「すまん」と言う始末。そう言えば貴方も端っこでしたね……
母の言いつけ通り、開催の挨拶はしっかりと考えておいた。
俺たちが急遽、挨拶することになったのをリンデに伝えれば、「それはどういうことでしょう?」と尋ねられる。
正直に目的を言うわけにも行かず、ここは総て母の気まぐれと言う事で押し切った。
夜会が始まり挨拶の為に前に出た。
壇上から参加者を見れば、きっと初めて見るだろうギュンツベルク子爵令嬢の可憐さに皆が驚いているようだった。
そして挨拶でリンデを紹介し、リンデは俺のものとアピールをする。確かにこの挨拶で理解して貰えたのだろう、参加者から祝福の拍手が巻き起こった。
続いてはダンスだ。
ここは絶対に失敗できない……、目が怖いからな!
母の策略どおり、掛かった曲は確かに難しい物だった。しかし誤算だったのはリンデのダンスが滅茶苦茶上手いことだった。
この難しい曲を、先ほどから涼しげな笑顔で一つもミス無く踊っているのだ。
こちらも必死にステップを追うが、若干リンデのほうが上手のようだ。逆にリードされそうになることもしばしばある。
くっ情けない!
内心は冷や汗もので余裕は全く無いが、それでも何とか声を絞り出し「今日は両親が申し訳ない」とだけ言っておいた。
貰った笑顔はとても可愛いく、見惚れて危うくステップが総て吹き飛ぶところだった。
その後の参列者からの挨拶では、母の目論見どおり勝手に勘違いしてくれた貴族らから、お祝いの言葉を頂いたのだ。
しかし誤算は……
「本日はおめでとうございます」
リンデがきっと盛大な勘違いをしている事だろうか?
※
アウグストとディートリンデのダンスが終わると、会場では惜しげの無い拍手が贈られていた。
そりゃあんな凄いダンスを見せられれば、納得の反応だと思う。
俺の隣でも、義妹のファニーが興奮して可哀想なくらい必死に拍手しているのだ。
後で手が痛くなるだろうに頑張ってんな。
そんなファニーを微笑ましく見ていると、拍手の音に混ざって、どこからか苛立った声が聞こえてきた事に気づいた。
聞こえた声を探り当て、そちらの方に視線を向ければ、おぉあれは元婚約者のユンゲル君たちじゃないか!
「ちっ、急に綺麗に変わりやがって忌々しい」
ユンゲルはどうやらディートリンデの変わりように憤慨しているようだ。
それに対して新しい令嬢は、
「はぁ? どれだけ変わっても地味は地味じゃないのよ!?」
と、自分の方が派手で綺麗だと言っていた。
確かに彼女は今流行りのフリフリなドレスを着て、髪も流行通りに綺麗に巻いてふんわりさせている。ディートリンデとは対象的な姿だろう。
しかしユンゲルはその台詞に思うことが合ったようで、今まで使ったプレゼントの額の差がどうのとか、なにやらすげー器の小さい事を言い出し始めていた。
まさかそんな事を言い出すとは思わなかったのだろう、令嬢は唖然とし、次第に涙を堪えるような仕草をし耐えるような表情を見せる。
まぁ俺からすればお前の愚痴なんてぶっちゃけどーでも良いんだけどさぁ!?
お前の隣に新しい令嬢がその台詞聞いて泣きそうなんだけどぉ、その態度は男としてどうなんだよっ!?
俺はついに堪えきれなくなり、奴の胸倉を掴もうと手を伸ばす。
あと一歩!
と、後ろで「きゃぁ」と、とても悲鳴には聞こえない間の抜けた声とパシャという水が零れる音が聞こえた。
延ばした手を寸前で止め後ろを向けば、クラウディアがファニーのドレスにジュースを引っ掛けている所だった。
汚れてしまったドレスを見て、呆然としているファニー。
「あら、ごめんなさいね。手が滑ったわ」と、悪びれる事も無く言うクラウディア。
度重なる悪役令嬢の妨害イベントだ。しかし今この瞬間でなくてもいいのに!
イライラが加速し、俺は矛先を変えてクラウディアに詰め寄った。
「何してんだよお前!? ファニーは今日がデビューの日だったんだぞ!」
しかしクラウディアは俺の怒声にも怯まずに、俺に近づくや耳元でこそりと、
「幾ら物言いが気に入らなくても喧嘩はいけませんわ」
と言い捨てる。
ちっ。
確かに頭に血が上りすぎたようだ。
俺は一旦クールダウンする意味を込めて、握り締めた手を緩め腕を軽く振るってリラックスした。
それを見たクラウディアは安心したのか、
「ここからは女性の矜持のお話ですわ。後はわたしにお任せくださいな」
そう言うと優雅に会釈し俺の前から立ち去っていった。
何言ってんだあいつ? と、意味が分からず俺は途方に暮れた。
しかし涙ぐむファニーを宥めることに忙しく、俺はその台詞をすぐに忘れてしまった。
■幕間1
それから暫くして、社交界ではユンゲル伯爵令息の悪い噂が広がっていた。
誠実な態度を取らずに令嬢をとっかえひっかえするという、余りに風聞が悪い話で彼に近づく令嬢はほぼ居なくなったそうだ。
その噂を聞いた俺は、クラウディアの言った意味をやっと理解した。
■幕間2
俺はアウグストに今回の夜会で起きたユンゲルの話をした。
そして同時に「なぜあいつがあの場に居たのか?」を、問い詰めていた。
ディートリンデの以前の立場を考えれば、元婚約者などを態々呼び夜会に参加させる必要が無いのだ。
アウグストの話では、侯爵家の主催で参加する事が決まった際に、ユンゲル伯爵からギュンツベルク子爵に対し、正式に婚約破棄について謝罪の申し入れが合ったと言う。
侯爵の後ろ盾が入って焦ったのだろうとアウグストは言う。
「子爵はいまさら謝罪の場を新たに設ける気が無いようで、では今回の夜会をそのまま利用しようと家の父上が提案されたそうだ」
その提案どおり、伯爵は謝罪の為に夜会に参加することとなった。
ところが会場に着いて見れば、謝罪の為に待ち合わせていたはずの自分の愚息が、よもや新しい令嬢をエスコートしてくるとは予想していなかったそうだ。
流石に連れては歩けないと、会場に置き去りしたところ件の問題が起きたという。
「つまり端的に言って馬鹿なのか?」
「そうだろうな」
あれ、俺って嫡男なんだけど端っこなの?
問うように父に視線を向ければ、口パクで「すまん」と言う始末。そう言えば貴方も端っこでしたね……
母の言いつけ通り、開催の挨拶はしっかりと考えておいた。
俺たちが急遽、挨拶することになったのをリンデに伝えれば、「それはどういうことでしょう?」と尋ねられる。
正直に目的を言うわけにも行かず、ここは総て母の気まぐれと言う事で押し切った。
夜会が始まり挨拶の為に前に出た。
壇上から参加者を見れば、きっと初めて見るだろうギュンツベルク子爵令嬢の可憐さに皆が驚いているようだった。
そして挨拶でリンデを紹介し、リンデは俺のものとアピールをする。確かにこの挨拶で理解して貰えたのだろう、参加者から祝福の拍手が巻き起こった。
続いてはダンスだ。
ここは絶対に失敗できない……、目が怖いからな!
母の策略どおり、掛かった曲は確かに難しい物だった。しかし誤算だったのはリンデのダンスが滅茶苦茶上手いことだった。
この難しい曲を、先ほどから涼しげな笑顔で一つもミス無く踊っているのだ。
こちらも必死にステップを追うが、若干リンデのほうが上手のようだ。逆にリードされそうになることもしばしばある。
くっ情けない!
内心は冷や汗もので余裕は全く無いが、それでも何とか声を絞り出し「今日は両親が申し訳ない」とだけ言っておいた。
貰った笑顔はとても可愛いく、見惚れて危うくステップが総て吹き飛ぶところだった。
その後の参列者からの挨拶では、母の目論見どおり勝手に勘違いしてくれた貴族らから、お祝いの言葉を頂いたのだ。
しかし誤算は……
「本日はおめでとうございます」
リンデがきっと盛大な勘違いをしている事だろうか?
※
アウグストとディートリンデのダンスが終わると、会場では惜しげの無い拍手が贈られていた。
そりゃあんな凄いダンスを見せられれば、納得の反応だと思う。
俺の隣でも、義妹のファニーが興奮して可哀想なくらい必死に拍手しているのだ。
後で手が痛くなるだろうに頑張ってんな。
そんなファニーを微笑ましく見ていると、拍手の音に混ざって、どこからか苛立った声が聞こえてきた事に気づいた。
聞こえた声を探り当て、そちらの方に視線を向ければ、おぉあれは元婚約者のユンゲル君たちじゃないか!
「ちっ、急に綺麗に変わりやがって忌々しい」
ユンゲルはどうやらディートリンデの変わりように憤慨しているようだ。
それに対して新しい令嬢は、
「はぁ? どれだけ変わっても地味は地味じゃないのよ!?」
と、自分の方が派手で綺麗だと言っていた。
確かに彼女は今流行りのフリフリなドレスを着て、髪も流行通りに綺麗に巻いてふんわりさせている。ディートリンデとは対象的な姿だろう。
しかしユンゲルはその台詞に思うことが合ったようで、今まで使ったプレゼントの額の差がどうのとか、なにやらすげー器の小さい事を言い出し始めていた。
まさかそんな事を言い出すとは思わなかったのだろう、令嬢は唖然とし、次第に涙を堪えるような仕草をし耐えるような表情を見せる。
まぁ俺からすればお前の愚痴なんてぶっちゃけどーでも良いんだけどさぁ!?
お前の隣に新しい令嬢がその台詞聞いて泣きそうなんだけどぉ、その態度は男としてどうなんだよっ!?
俺はついに堪えきれなくなり、奴の胸倉を掴もうと手を伸ばす。
あと一歩!
と、後ろで「きゃぁ」と、とても悲鳴には聞こえない間の抜けた声とパシャという水が零れる音が聞こえた。
延ばした手を寸前で止め後ろを向けば、クラウディアがファニーのドレスにジュースを引っ掛けている所だった。
汚れてしまったドレスを見て、呆然としているファニー。
「あら、ごめんなさいね。手が滑ったわ」と、悪びれる事も無く言うクラウディア。
度重なる悪役令嬢の妨害イベントだ。しかし今この瞬間でなくてもいいのに!
イライラが加速し、俺は矛先を変えてクラウディアに詰め寄った。
「何してんだよお前!? ファニーは今日がデビューの日だったんだぞ!」
しかしクラウディアは俺の怒声にも怯まずに、俺に近づくや耳元でこそりと、
「幾ら物言いが気に入らなくても喧嘩はいけませんわ」
と言い捨てる。
ちっ。
確かに頭に血が上りすぎたようだ。
俺は一旦クールダウンする意味を込めて、握り締めた手を緩め腕を軽く振るってリラックスした。
それを見たクラウディアは安心したのか、
「ここからは女性の矜持のお話ですわ。後はわたしにお任せくださいな」
そう言うと優雅に会釈し俺の前から立ち去っていった。
何言ってんだあいつ? と、意味が分からず俺は途方に暮れた。
しかし涙ぐむファニーを宥めることに忙しく、俺はその台詞をすぐに忘れてしまった。
■幕間1
それから暫くして、社交界ではユンゲル伯爵令息の悪い噂が広がっていた。
誠実な態度を取らずに令嬢をとっかえひっかえするという、余りに風聞が悪い話で彼に近づく令嬢はほぼ居なくなったそうだ。
その噂を聞いた俺は、クラウディアの言った意味をやっと理解した。
■幕間2
俺はアウグストに今回の夜会で起きたユンゲルの話をした。
そして同時に「なぜあいつがあの場に居たのか?」を、問い詰めていた。
ディートリンデの以前の立場を考えれば、元婚約者などを態々呼び夜会に参加させる必要が無いのだ。
アウグストの話では、侯爵家の主催で参加する事が決まった際に、ユンゲル伯爵からギュンツベルク子爵に対し、正式に婚約破棄について謝罪の申し入れが合ったと言う。
侯爵の後ろ盾が入って焦ったのだろうとアウグストは言う。
「子爵はいまさら謝罪の場を新たに設ける気が無いようで、では今回の夜会をそのまま利用しようと家の父上が提案されたそうだ」
その提案どおり、伯爵は謝罪の為に夜会に参加することとなった。
ところが会場に着いて見れば、謝罪の為に待ち合わせていたはずの自分の愚息が、よもや新しい令嬢をエスコートしてくるとは予想していなかったそうだ。
流石に連れては歩けないと、会場に置き去りしたところ件の問題が起きたという。
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