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01:本編
14:母っ覚醒!
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公爵家の夜会で起きた話は、瞬く間に広まっていった。
最初こそ、それは妹を愛した不実な関係として、罵られる状況であった。
しかし続いて流れた噂の中で、プレイヤーたるモーリッツの出自が明かされると話は一変する。
彼は伯爵夫人の弟の子であると、馬車の事故で弟夫妻が無くなり伯爵家に養子として引き取られたという話だった。
そちらの話が流れれば、貴族では珍しくは無い話となり人々の興味は別の別の話へ移っていった。
その次に出た噂は、フェスカ侯爵のご子息が近々婚約するという話だった。噂によればアウグスト様の意中なる令嬢は、とても清楚で可憐な少女だそうだ。
それを聞きいた時に驚きと共にガッカリし、私はやっと自分の想いに気がついた。
そうか、私はアウグスト様が好きだったのか。
清楚で可憐。
地味な私とは大違いね……
自分の想いに気づいた時は失恋していたという情けない話だが、地雷ルートの地味令嬢にはお似合いかもしれない。
噂が出た後、侯爵家から正式な発表はまだ無く、今まで通り何度か、私とアウグスト様の参加する夜会の話が持ち上がっていた。
しかし私は……
自分の気持ちに気づいた今、何も知らない顔をして彼の隣に立つことが出来なかった。
どれだけ私が心を向けたとしても、彼の心は清楚で可憐な令嬢に向かっているのだから。
もう無理……
私はお家大好きインドア派の面目躍如とばかりに、朝起きればまずは庭弄りに行った。
日焼けしないように日が昇る前には土いじりは終わる。
昼食を食べ終えれば、お気に入りのソファーに座り本を読んだ。先日購入した本を読み始める。すると気づけば夕方になっているのがざらだ。
基本的に悪食で何でも読み漁る私だが、イレーネが持ってくる本の中で数冊ほど気に入らないものがあった。
アウグスト様から頂いた本、その続編。
こればっかりは読む気にならず取り替えて貰うか、部屋に引き篭もり気分を変えるように過ごした。
そして夕食後はダンスの練習……だったのだが、これは拒否するようになった。
きっと今後は夜会に出ることは無いのだから。
また学園では食堂を使用するのを止めた。間違って前の様に席に連れられても、笑顔で話せるとは思えないのだ。
屋敷でサンドウィッチなどの軽食を持たせて貰い、それを食べるようにした。
食べ終えれば逃げるようにどこかで本を読んで時間を潰した。
以前のように、彼が教室に来た時に間違って逢わないようにと……
そんな灰色の日々が何日も続いた。
夜会のスケジュールはすべて白紙で、唯一日付が決まっているのは王家主催のパーティのみだ。
これは毎年、貴族ならば参加が義務付けられている。
とは言え、当主たる父が出るのだから私が出る必要は無い。
そう言う意味では、今シーズンのスケジュールはすべて終わった事になる。
部屋に一人でいると気分が暗くなる。私が立ち直る事は無いだろうが、彼が幸せになるのならそれで良い。
正式に婚約発表でもあれば、精一杯の祝辞を書いた手紙を送ろうとは思う。
だって以前のように無邪気に笑うのは無理だから、せめて書面で。
今日も持ってこられた本が好みに合わなかったので、私は部屋に閉じこもっていた。
特に何をするでもない、ぼぅっとしているだけの時間。
ドアがノックされ、セリムから来客があったことが告げられた。
「来客の予定は無いわ」
冷たくそう言うが、「奥様のご指示で既にお招きしております」とお母様が勝手にサロンに上げたと報告される。
「体調が悪いの、帰って頂いて」
しかしセリムは取り次がず、「お待ちして頂きます」とだけ言うと去って行った。
入れ替わりにイレーネが入ってくる。
「さあお嬢様、身嗜みを整えましょう」
来客が誰とは聞いていないが、確かに部屋着のままでは失礼だろう。
しぶしぶ私は服を着替えてサロンに向かった。
サロンにはお父様とお母様、そしてアウグスト様がいらっしゃいました。
薄々気がついていたから、そして予想通りの来客に自然と顔が強張るのが分かった。
やっぱり笑顔は無理ね。
無言でペコリとお辞儀して、両親側の席へ座りました。
視線は下へ固定、間違って顔を見てしまうと泣いてしまいそうです。
本日、アウグスト様は、婚約の許可を求めに来たそうです。
先ほどから何故か家の両親に、いかに彼女が可憐で清楚かをとうとうと語られ、彼がどれほどその令嬢の事を愛してらっしゃるのか、傷心の私に分からせてくれました。
もう止めて……
堪え切れず、私の頬には滂沱の如く流れる涙が。
それを見たお父様は「リンデも嬉し泣きしているよ」と、イラっとすることを言います。
対してお母様は、「ちょっと待って!」と厳しい口調で言うと、手荒くお父様を押しのけました。ぐぇとか聞こえましたが気のせいでしょう。
「ねえリンデ、落ち着いて聞いてくれるかしら?」
お母様の口調は、子供に言って聞かせるような優しい声でした。
コクンと頷けば、
「アウグスト様がどうして家に来たか分かる?」
「婚約の許可を貰いに来たと言っていました」
涙で掠れる声で何とかそう答えると、
「そうね。じゃあなぜ家に婚約の許可を貰うのかしら?」
「?」
そう言えば何故でしょう?
「あの、お噂の清楚で可憐なご令嬢と婚約されるのでしょう。どうして家にいらっしゃるのですか?」
そう答えた私に、お母様はやっぱりと言う感じでため息をつかれました。
「自覚がないとは思ってましたが、これほどとは。いいですか? 清楚で可憐なご令嬢とはリンデ、貴方の事です。だから家に許可を貰いに来たのですよ」
「はぁ!? だって、私……ただの地味っ子ですよ!? 清楚でも可憐でもないです」
それを聞いたお母様はさらに呆れた表情を見せています。
そして普段の優しげな表情を消すと、キッとアウグスト様を睨みました。
「アウグスト様、私達の前にまず娘に許可を貰ったのですか!?」
と、問いました。
バツが悪そうに首を振るアウグスト様。
「家の娘もぽぁぽぁして抜けてますが、貴方も大概のようですね。手順をお間違えではなくて!?」
その時のお母様はとても怖かったと思う。
執事のセリムを呼べば、「お客様はお帰りです!」と、告げてアウグスト様を追い出してしまいました。
最初こそ、それは妹を愛した不実な関係として、罵られる状況であった。
しかし続いて流れた噂の中で、プレイヤーたるモーリッツの出自が明かされると話は一変する。
彼は伯爵夫人の弟の子であると、馬車の事故で弟夫妻が無くなり伯爵家に養子として引き取られたという話だった。
そちらの話が流れれば、貴族では珍しくは無い話となり人々の興味は別の別の話へ移っていった。
その次に出た噂は、フェスカ侯爵のご子息が近々婚約するという話だった。噂によればアウグスト様の意中なる令嬢は、とても清楚で可憐な少女だそうだ。
それを聞きいた時に驚きと共にガッカリし、私はやっと自分の想いに気がついた。
そうか、私はアウグスト様が好きだったのか。
清楚で可憐。
地味な私とは大違いね……
自分の想いに気づいた時は失恋していたという情けない話だが、地雷ルートの地味令嬢にはお似合いかもしれない。
噂が出た後、侯爵家から正式な発表はまだ無く、今まで通り何度か、私とアウグスト様の参加する夜会の話が持ち上がっていた。
しかし私は……
自分の気持ちに気づいた今、何も知らない顔をして彼の隣に立つことが出来なかった。
どれだけ私が心を向けたとしても、彼の心は清楚で可憐な令嬢に向かっているのだから。
もう無理……
私はお家大好きインドア派の面目躍如とばかりに、朝起きればまずは庭弄りに行った。
日焼けしないように日が昇る前には土いじりは終わる。
昼食を食べ終えれば、お気に入りのソファーに座り本を読んだ。先日購入した本を読み始める。すると気づけば夕方になっているのがざらだ。
基本的に悪食で何でも読み漁る私だが、イレーネが持ってくる本の中で数冊ほど気に入らないものがあった。
アウグスト様から頂いた本、その続編。
こればっかりは読む気にならず取り替えて貰うか、部屋に引き篭もり気分を変えるように過ごした。
そして夕食後はダンスの練習……だったのだが、これは拒否するようになった。
きっと今後は夜会に出ることは無いのだから。
また学園では食堂を使用するのを止めた。間違って前の様に席に連れられても、笑顔で話せるとは思えないのだ。
屋敷でサンドウィッチなどの軽食を持たせて貰い、それを食べるようにした。
食べ終えれば逃げるようにどこかで本を読んで時間を潰した。
以前のように、彼が教室に来た時に間違って逢わないようにと……
そんな灰色の日々が何日も続いた。
夜会のスケジュールはすべて白紙で、唯一日付が決まっているのは王家主催のパーティのみだ。
これは毎年、貴族ならば参加が義務付けられている。
とは言え、当主たる父が出るのだから私が出る必要は無い。
そう言う意味では、今シーズンのスケジュールはすべて終わった事になる。
部屋に一人でいると気分が暗くなる。私が立ち直る事は無いだろうが、彼が幸せになるのならそれで良い。
正式に婚約発表でもあれば、精一杯の祝辞を書いた手紙を送ろうとは思う。
だって以前のように無邪気に笑うのは無理だから、せめて書面で。
今日も持ってこられた本が好みに合わなかったので、私は部屋に閉じこもっていた。
特に何をするでもない、ぼぅっとしているだけの時間。
ドアがノックされ、セリムから来客があったことが告げられた。
「来客の予定は無いわ」
冷たくそう言うが、「奥様のご指示で既にお招きしております」とお母様が勝手にサロンに上げたと報告される。
「体調が悪いの、帰って頂いて」
しかしセリムは取り次がず、「お待ちして頂きます」とだけ言うと去って行った。
入れ替わりにイレーネが入ってくる。
「さあお嬢様、身嗜みを整えましょう」
来客が誰とは聞いていないが、確かに部屋着のままでは失礼だろう。
しぶしぶ私は服を着替えてサロンに向かった。
サロンにはお父様とお母様、そしてアウグスト様がいらっしゃいました。
薄々気がついていたから、そして予想通りの来客に自然と顔が強張るのが分かった。
やっぱり笑顔は無理ね。
無言でペコリとお辞儀して、両親側の席へ座りました。
視線は下へ固定、間違って顔を見てしまうと泣いてしまいそうです。
本日、アウグスト様は、婚約の許可を求めに来たそうです。
先ほどから何故か家の両親に、いかに彼女が可憐で清楚かをとうとうと語られ、彼がどれほどその令嬢の事を愛してらっしゃるのか、傷心の私に分からせてくれました。
もう止めて……
堪え切れず、私の頬には滂沱の如く流れる涙が。
それを見たお父様は「リンデも嬉し泣きしているよ」と、イラっとすることを言います。
対してお母様は、「ちょっと待って!」と厳しい口調で言うと、手荒くお父様を押しのけました。ぐぇとか聞こえましたが気のせいでしょう。
「ねえリンデ、落ち着いて聞いてくれるかしら?」
お母様の口調は、子供に言って聞かせるような優しい声でした。
コクンと頷けば、
「アウグスト様がどうして家に来たか分かる?」
「婚約の許可を貰いに来たと言っていました」
涙で掠れる声で何とかそう答えると、
「そうね。じゃあなぜ家に婚約の許可を貰うのかしら?」
「?」
そう言えば何故でしょう?
「あの、お噂の清楚で可憐なご令嬢と婚約されるのでしょう。どうして家にいらっしゃるのですか?」
そう答えた私に、お母様はやっぱりと言う感じでため息をつかれました。
「自覚がないとは思ってましたが、これほどとは。いいですか? 清楚で可憐なご令嬢とはリンデ、貴方の事です。だから家に許可を貰いに来たのですよ」
「はぁ!? だって、私……ただの地味っ子ですよ!? 清楚でも可憐でもないです」
それを聞いたお母様はさらに呆れた表情を見せています。
そして普段の優しげな表情を消すと、キッとアウグスト様を睨みました。
「アウグスト様、私達の前にまず娘に許可を貰ったのですか!?」
と、問いました。
バツが悪そうに首を振るアウグスト様。
「家の娘もぽぁぽぁして抜けてますが、貴方も大概のようですね。手順をお間違えではなくて!?」
その時のお母様はとても怖かったと思う。
執事のセリムを呼べば、「お客様はお帰りです!」と、告げてアウグスト様を追い出してしまいました。
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