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嘘×恋

まだ知らなかった方が良かった

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「沙希、あのね…」
私は今日の朝のことを沙希に話した。
「芽依、ずばり恋だよ。」
「ふぇ?」
「とうとう芽依も恋したんだね」
「…そっか、これが恋…」
「そうだよ!がんばってね!!」
「うんっ!」

私、卓人が好き。あんな優しい人どこにもいない。
今は放課後。


「めーいっ、そう思ってどれくらいたったのかな?」
「…沙希。」
「なんで気持ち伝えないままさ、2ヶ月たってるのかな~?」
「…それは」
「…言う勇気がないからでしょ?」
「…ぅ…ん」
「…まずはさ、男の人に慣れるのから始めよう?」
「…が、がんばってみる」
「…mission1!まずはノートを渡そう!はい、行ってきな」
「わかった!」
「あの…近藤君!コレッ!…ってアレ?」
「…あちゃー」
「芽依。もぅいいや(笑)」
「沙希!」
「い、いきなり何?」
          ぃ
「わ、私!告ってくる」
「えぇぇぇぇ!?」

とはいい…いざ、クラスの前に来ると。
…ぁ……やっぱ無理(泣)
しかも1歳上の先輩だったんなんて(泣)

ーハハハッ

ドキッ。先輩の声だ…

「なー、卓人。お前さ、今教室出て1番最初にあった女子と付き合えよ笑」
「はぁー?」
「罰ゲームだよ笑」
「何も負けてないのに、なんで罰ゲームなんだよ笑」
「はいはい、行ってきな。」
「…わかったよ」

どうしよう。沙希の所に戻らなきゃ。
足がすくんで動けない…
先輩の足音が近づいてくる…

ーガラッ
「好きです!付き合ってください!」
ードキッ
「…ぇ…ぁ…はい」
私、何言って…逃げなきゃ。
「…待って!明日お昼に屋上で!」
私は走って教室に戻ったのだった。
「沙希っ…」
「どうしたの?そんなに息切らして?」
「わたし…」
今言ったらダメ。そんな気がする。
「…私、先帰るね」
「うん。気を付けてね、芽依」

ーー
あの告白、嘘なのにOKしてしまった。
でも、先輩といられる。
だけど、この恋は本当の恋ではなく、
罰ゲームの流れできた偽の恋だよ。
知らなかった方が良かった。
あした、言おう。先輩に…



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