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変態プレイ強要鬼畜ニート浮気糞野郎
しおりを挟むいつも通り風呂に入って寝る準備をして、ベッドに入ってスマートフォンをぽちぽち。SNSチェックとかもしたりする。あ…同級生が結婚…お相手は異種族かぁ。手が沢山だ。うんうん、手が多いのは色々手早に出来そうだね。
そんなこんなでうとうとしてきた頃にピンポーンとチャイムの音。
下からじゃなくて玄関前。ヒビヤには面倒だからと合鍵を渡している。むしろヒビヤ以外にうちの鍵を持っている奴はいない。
急いで玄関を開ければヒビヤ。パンツは被っていない。っえ!?パンツ被ってないんだけど!トレードマークの変態ご主人サマのパンツがないんだけど!
「申し訳、ありません。私、あ、いえあの、このように夜分遅くに…それに時間外の訪問は規約違反…すみません。ごめんなさい。」
「うん、いいからいいから。とりあえず入ろ?」
根っこ生えたみたいに促しても入って来ないからちょっと失礼して腕を背中に回して引き寄せる。うーん、ぷにっと感触。
「…あの。」
「不可抗力…!セクハラじゃないよ!」
そのまま割と強引に、リビングのいつもヒビヤが座る椅子へと座らせて、とりあえずホットミルクでも…とミルクをマグカップに注いで、何分?ホットミルク何分?真夏にホットミルク飲ませようとする俺って鬼畜?でも震えてたよ!脳内会議を開いていれば、ヒビヤが口を開く。
「申し訳ありません。」
「いいよー。どうした?ご主人サマと何かあった?」
俺の言葉にぽろぽろとミルク色の涙を流す。まじか、涙美味そう。
「今日は帰宅するなと言われていたんです。時々ある、仕事が忙しい日で。」
ご主人サマ働いているのか。良かったァ。てっきりパートナーに変態プレイを強要する鬼畜ニートかと…
「それなのに、私、浮かれていて。貴方に貰った賞与が、お金が嬉しいというよりその気持ちが嬉しくて。私は恥ずかしながら地球人に良く思われないので。」
「うん、待って?それは誰が言ったの?ヒビヤめっちゃ仕事頑張っているし、良く思われない事はないでしょう?」
まぁ、パンツ外せばだけど。
「御主人様です…それで、あの、浮かれて帰宅してしまったんです。それで、そうしたら…」
ぽろぽろがぼろぼろになったヒビヤにハンカチ…はないからタオルを渡す。綺麗だよ?ヒビヤが洗ったんだから。
それで先は何となく読めるよね…
「地球人がいましたっ…御主人様の下着を頭に着けた私を二人して笑って…」
やっぱり変態プレイ強要鬼畜ニート浮気野郎だったか。ってか自分が着けさせてたくせに笑う?糞野郎だな。
「それは、びっくりしたね。」
「…びっくりは思ったよりもしていないのです。薄々わかってはおりました。」
まぁ、俺でも勘づくくらいだからな。そりゃヒビヤも気がつくか。
「申し訳ありません…」
「うん?ヒビヤは何も悪い事してないでしょう?」
「あの、賞与…取られてしまいました。せっかくのご厚意であったのに、両手で握りしめたまま帰宅してしまって…ごめんなさい。」
ぼろぼろがヒックヒックとなってタオルに顔を埋めてしまう。それが言いたかったのか。え、まってちょっと可愛くない?あれ?こんな可愛い?泣き顔可愛いよね?あれ…パンツ被ってないと我に返れないんだが。
どうしよ。
「夜分遅くに申し訳ありませんでした…お金は必ずお返しします…仕事も、今回の行動が原因で継続不可でも…構いません。」
「えぇ、何で!ヒビヤの美味いごはん食べたいよ。また明日からも来てね?待ってるからね?」
「良いのですか?こんな…規約違反をしたのに。」
「当たり前だよ!」
「ありがとうございます。」
ぎゅっと目を閉じて頭を下げるヒビヤだけど、その頬から伝い落ちるミルク色の涙から目が離せない。
元々一人暮らしだったから、ダイニングテーブルは小さめ。そっと身を乗り出して頬の涙を手で拭う。ぷよりと頬が揺れて、その感触に驚く。ほっぺた柔らか!
「そろそろお暇致します。本当に、申し訳ありませんでした。」
「うんうん、全然だよ。」
玄関へ向かって歩くヒビヤに付いて歩く。
「お邪魔しました。」
「はい、お構いもできませんでー。」
靴を履いて外へ出る。
「あの…」
「うん?」
「お出かけするのですか?」
「え、うん。荷物取ってこよ。」
「え?」
「え?」
「……あの?」
え、何々。どうした?
「荷物ないでしょ?あと家も帰れないでしょ?家に住むでしょ?」
「え…いえ…そこまでご迷惑かけるわけには。普段帰宅するなと言われた時に泊まる場所があるので…」
「そうなの?どこ?」
「パンダ公園です。」
パンツ被って深夜に公園は駄目でしょ。
「いや、無理。だってこれから毎日だよ?住み込みにしよ。土日は今まで通り休みで良いし。とりあえず、案内して!これ命令!」
命令…といえば素直に聞いてくれるのは知ってる。もう使わないから、今日だけごめんね。
10分程歩いただけで辿り着いたアパート。思いの外近かった。
「何号室?」
「202です。」
「おっけー。んじゃ帰ろ。」
「え?荷物は…」
「今日は場所の確認に来ただけ。絶対持ってきたい物はある?」
俯くヒビヤ。
「絶対、と言われると何もありません。一番大切な家族の写真はこの帽子に縫い付けていますし…日用品くらいです。歯ブラシとか、タオルとか。」
「そういうのは家の使って?」
後はお金だなぁ。それはきちんと法的に処理する事にして…
「帰ろっか。」
「あの、本当に良いのですか?こんな…得体の知れない私なんかと…」
「得体は知ってるよ。料理上手、掃除上手のパンツ被る以外はパーフェクトなヒビヤでしょ?もうおぱんつ被るのはやめようね。下着は着るもの。」
24時間営業のドラッグストアへ入ってカゴをカートに乗せる。絶対遠慮するのはわかっていたからヒビヤはカート係に任命した。
「歯ブラシと~タオルと~ひんやりパットだって!これシーツの上に敷こう?あとはー、洗顔とかボディーソープとか普段使ってるやつはある?」
「いえ、あの、こんなにいりません。」
「一緒で良いってこと?じゃあ同じの使おうね。あとは~」
楽しい…あー、楽しい。そういえば家の外で一緒にいるのは初めて。あ、大事なやつ。パンツ買お。
「ヒビヤ、パンツどれが良い?ドラッグストアので悪いけど、女物も男物もとりあえずはあるよ。」
地味なのがほとんどだけど。
「…あの、」
「とりあえずのね?とりあえずここで買って後でちゃんと下着屋さんで選ぼう。」
「はい。あの、どうしたら…」
「どうしたら?」
「下着は被るものでしたので…申し訳ありません、わかりません。」
「そっかそっか。じゃあ適当に選んじゃうね。Sでいけそうだけど一応Мも買っとこう。ボクサーとトランクスでいっか。あと靴下!」
ジュースもお菓子も沢山買い込んで袋をガサガサさせて歩く。
「ねぇねぇ、朝食分もお給料払うから朝ごはんも作ってくれる?」
「住み込みさせて頂くのですからお金はいりません。」
「いるよ。ちゃんと払う。だからヒビヤも俺に家賃入れてね?自分で稼いだお金で自分で払おう?」
家賃は1000円にしよう。くらりねっと辞めて個人委託したいなぁ。慣れたら提案してみても良いだろうか。
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