カエルになったら幼なじみが変態でやべーやつだということに気づきました。

その後のへびさんとロギ

　
「ヘビさーん！おはよ！おっきてー！」

　ヘビさんことヘブナタ・アヤラ・ヴィアイン、略してヘヴィさん。言いやすくしてヘビさんを起こすことは、僕、ロギのお仕事のひとつだ。
　ここは神々の暮らす神域。今ヘビさんは女神さまに任された3つの星の管理をしている。そんなヘビさんや他の神様の生活のお世話をするのが僕たち神の嫁のお仕事だ。

「…ロギ…もう少し寝たい。」

「もう～、だから夜更かししないで寝ましょうって言ったのに。ほら、起きてください！」

「んん～、ロギがおはようのキスしてくれたら起きる。」

「ハイハイ。ちゅっ、これで良いですか？起きましょう？ふわあッ」

　気づいたら視界が反転してヘビさんに上から見下ろされている。

「だーめ。全然足りないから起きれない。」

　起きてるじゃん！っと心の中で突っ込みながらヘビさんの口づけを受け入れる。ヘビさんの舌は先が割れていてヒヤリとしていて小刻みに動く。

「んッ、ん、ちゅ、ひゃあっ、ね、もう起きましょう？」

「ん。起きたいけど、こっちが起きちゃったから無理。」

　こっち、と言いながら僕の手を掴んで誘導された場所はヘビさんのおちんちん。凶悪な見た目のおちんちん。ふたつになってるおちんちん。

「ね？このままじゃ起きれないよ。ロギのここに入れてぐちゅぐちゅって出させて？」

「解せぬです！数刻前に今日はもう最後って言ったでしょ！」

「ギリギリ日付変わる前だったでしょ。もう今日が始まったね？朝から愛し合えて幸せ。」

　ぐぬぬ！最近ではアイキがご主人にギャーギャー言ってたのもわかります。でも、今日はだめ！だってそろそろ…

「とうさまー！！！」

　スパーンっと襖を開ける音が響いて同時にヘビさんの額にピキリとシワが寄る。
　この子は僕とヘビさんの五人目の子供。一番ヘビさんの性質を濃く受け継いでいて、自由人で我が儘で、可愛いのだ。
　上四人はもう大人でそれぞれ他の神様の嫁になったり、地上に降りたり、独立したり。
　この末っ子もいつかは独り立ちするのだろうと思うと感慨深い。

「とうさま！今日は魂の輪廻を見せてくれるんだよね？」

「はぁ。そうだな。行くか。」

　ムスッとしながらも子の頭を撫でて、僕の頬に口づけを送る。
　そう。今日は魂の輪廻を我が子を見せれる大事な日だ。滅多にないことで、300年ぶりくらい？僕も朝からワクワクとドキドキが止まらない。
　僕たちがいた地球とこの神域では時間の軸が違う。いつかアイキたちにまた会いたいと思っていたけど、夢のまた夢で。一人目の子が生まれる頃にはここにきてから地球時間で100年以上たっていたし。地球を任されている神様に取り入って、頼み込んで覗かせてもらった時にはもう、アイキもご主人もいなかった。
　そこから色んな星を探して探しまくってようやく二人の魂を見つけたんだ。
　今日はその二人の魂を同時に同じ星に誕生させる日。

「ロギ、約束だ。これ以上二人に干渉はしない。命を吹き込むだけ。」

「はい。」

「記憶は消すから俺たちの事はもう思い出さない。」

「はい。でも、お互いの記憶も…？」

　アイキとご主人にはまた出会って恋仲になって欲しい。

「…こいつらの魂は運命ってやつで結ばれてるから見つけられた。だから大丈夫。たぶん。」

「…そうだね。ご主人の執着半端なかったもの。きっとまた、結ばれるというか、捕まるね！」

　頑張れアイキ！暖かい黄色のほわほわな魂に「ちう」っとキスをして下の世界に優しく卸す。
　愛しい伴侶を見れば綺麗な緑色の魂にボソボソと話しかけてポイっと投げた。もうっ！



「…ご主人、今度はごはんでも孕む世界。楽しんで。」


　ふわりふわりと漂って一度くっついて、離れて落ちていく。
　どうか、二人がまた幸せに暮らせますように。






「ロギ…続き…」

「もう、しょうがないなあ。」