カエルになったら幼なじみが変態でやべーやつだということに気づきました。

まつぼっくり

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コオロギさんに名前をつけました

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「もうっ、もう、やだ。おまえむり。こっちくんなって!」



 カエル似でちんちくりんな俺なんかに恋心を通り越して、ギンギンな性欲を押し付けてくるコウヤにドン引きである。
 そしてドン引きしているのは俺だけではない。俺に対してストーカー染みた恋心を抱いているのを隠していなかったらしいコウヤは周りに牽制していたそうだけど、あの日致してからというもの変態も隠さなくなったので、当然友人たちもドン引きである。
 ドン引きではあるが、「ハイハイ。やっと付き合ったの?付き合ったならもう睨まないで~勝手に二人でやって~」と丸投げ状態。俺のかけがえのない癒し時間である、昼休みの女子たちとのおやつタイムもコウヤが微笑みながら「もう餌付けしないでね?」の一言でなくなった。本当にかなしい。

 昼休みは空き教室か屋上に連行されるし、放課後も当然のように迎えに来る。手を繋がないと皆の前でキスすると脅され恋人つなぎ。
 クラスメイトたちの生暖かい視線に耐えながらの登下校は最早苦行である。

 そんな苦行にも慣れてきて、最近では先生たちにも生暖かい目で見られるが心を無にして通りすぎる。当たり前のように我が家にやって来て俺の部屋でゲームしていると、階下から母ちゃんの声。

「アイキー!買い物いってくるわね~」

 俺はハッとして隣を見る。

「おっ、俺も、ふがッ」
「はーい。いってらっしゃい。」

 俺も、一緒に行きたかったのに…口を塞がれながらコウヤを睨み付ければふんわり笑って誤魔化される。
 やば。この笑顔は、やばい。
 そろりと距離を取ろうとすればすかさず腰を捕まれ引き寄せられる。
 力を込めて逃げ出そうとしても気づけばコウヤの膝の上に座らされてお腹に腕を回されている。


「もうっ、もう、やだ。おまえむり。こっちくんなって!」
「んー。アイキ相変わらず腰細い。甘い匂い。かわい。」

 首に顔を埋めてハスハスしている変態がいる。
 むり。ほんと無理。何が無理って、俺を抱き締めただけでバキバキになるコウヤのちんこと、それを後ろからぐりぐりされて期待してしまう俺の尻の穴。がんばれよ、俺の穴。耐えろよ、俺の穴。
  
「やだやだやだ!離れろって!揉むなよ!」
「えー?タマの付け根、揉まれるの好きでしょ?ほら、反応してきた。」

 そりゃ健全な男子高校生だからな!反応しちゃうだろ。

「乳首もコリコリしてあげるね?」
「んあっ、やだ。しなくていいから!」
「しなくていいは聞けないな。アイキといると我慢出来ない。」

 ほんとだよ…本当に我慢できてないよね?昨日も一昨日もその前も…毎日のようにしてるわ!
 これは、もう奥の手を使うしかない。クラスの女子にこっそり聞いた、"本当に俺の事好きなの?"作戦。

「コウヤってさ、俺の事好きって言いながら、俺のからだだけだよね?」
「、え?」

 迫真の演技で、しょんぼりしょんぼり下を見ながら悲痛な声を出す。

「いっつもえっちばっかり…俺はなんなの?えっちだけ出来ればいいの?本当に俺の事、好きなの…?」

 涙は出ないから、一度目をギュッとつぶって、上目遣いでコウヤを見つめる。眉を下げまくるのがポイントらしいので、忘れずに下げる。

「ッアイキ!ごめん!」

 ガバリと俺を後ろから抱き締めて謝罪するコウヤにしめしめと笑みが溢れる。我ながらきしょいと思ったが、フィルターかかっているコウヤの瞳には俺がとても可哀想に写っているのだろう。

「…一応気を使ってたつもりだったんだ。」

 ん?

「俺…性欲強いから、マメに出さないとアイキ壊れちゃうかもって。でも、恋人だもの。デートとかもしたいよね?」

 んん?俺たちコイビトなの?え?こわ。いつの間に??

「毎日1回ずつが一番負担が少ないかな?って思ったんだけど、そうだよね、平日はデートとエッチ1日交代にしよっか。間を開けるとちょっと抑えが効かなくなるだろうけど、抜かずの3発くらいに抑えるね?土曜日は朝からデートして、そのままホテルとかで日曜日のお昼くらいまでしよう?それならエッチしない日があっても堪えられそう。」

 不安にさせてごめんね?と頭を撫でてくる変態。こわ。変態ストーカーやばい。性欲おばけやばい。いやまじドン引き。

「コウヤさん、なんか、もう、いいです。」
「ん?」
「とりあえず、コオロギさんに会いに行く。」
 コオロギさんは今は厚待遇である。命の恩人であると適当にコウヤに言ったらカエルの水槽がコオロギさん用に様変わりした。
「ん?わかった。ちょっとまって。」

 コオロギさんに会いに行くって言ったのに、未だに触れられて立ち上がっていた俺のちんこを躊躇いもなく口に含む変態。

「あぁッ、コウヤ、いいから、離してっ、」

 じゅぽじゅぽと口の中で唾液と一緒に捏ねられて、腰がカクカクとはしたなく動く。
 一旦口から出したそれの先っぽの穴に舌を入れて小刻みに動かされると、もう。

「ふふ。美味しい。しょっぱいの出てきたよ。気持ちいいね?このままじゃ俺んち行けないから出しちゃお?」

 ね?と問いかけながら俺の両足を持たれたと思ったらコロリと転がされて尻の穴がしっとりとしたもので舐められる。
 今まで何度もされたからわかる。わかるが、わかりたくない。

「やぁぁッ、そこ、やだ。べろ、いれないでッ、ひぁっ、」

 ぺろぺろと穴の表面を舐めていた舌がぐちゅりと差し込まれた。

「いやっ、きたないっ、コウヤ、きたないよお。」

 べそべそと泣き出す俺をうっとりと見つめながらコウヤは顔を上げる。

「アイキに汚いところなんてないよ?でも、そうだなぁ。このままちんぽも乳首も触らないでアイキの可愛いアナルだけ俺の舌でぺろぺろズポズポして中々イケないまま過ごすのと、俺のコレ、挿れて、アイキの気持ちいところ沢山パンパン突いてイクの、どっちがいい?」

 コレ、と言いながら俺の手をそっと取って服の上からでもわかるくらいバキバキなそこに置く。



 下っ腹がキュンとした。





「きゃうッ、あッ、あッ、イヤァッ」
「あーもう、アイキかわい。本当に可愛い。」

 結局俺んちだといつ母ちゃん帰ってくるかわからないからって無理やり服を着せられて、タオルケットで包まれてコウヤの部屋に運ばれた。いや、コウヤの部屋行けるじゃん!このままじゃ行けないからって咥えられた俺のちんこ咥えられ損じゃん!
 コウヤの父ちゃんは単身赴任で海外だし、母ちゃんは看護師だ。
 この時間にいないって事は、残念ながら夜勤だな。くそ!変態!

 そんな悪態を付く暇もなくアンアンと喘がされている俺。
 ふと、コオロギさんを見ると…やっぱり。
 コオロギさんはいつも俺とコウヤが致しているとガラスに顔をつけてジーッとみている。
 そして時折そんなコオロギさんをジーッと見つめている隣のへびさんの方を見て、また俺たちを見つめる。
 コウヤが言うには最近へびさんはおやつにコオロギを食べなくなったらしい。きっと、そう言う事なのだ。コオロギさんはヘビさんとお友達になったに違いない。言葉はわからないけど、ヘビさんのコオロギさんへの視線が柔らかくなった気がする。

 シャワーを浴びながらまた突っ込まれて、腑に落ちないながらもコウヤの部屋へ戻るとコオロギさんの水槽を覗く。
 いつもはここで「リーン」と鳴いてくれるのに、今日はそれがない。心なしかぐったりしている気がする。
 どうしたどうしたと餌をあげたり水をあげたりしてもこちらをジッと見つめるだけだ。焦ってコウヤを引っ張ってコオロギさんを見てもらう。

「これは、あれだね。寿命だよ。」
「え?え?なんで?」
「コオロギの寿命は成虫になって1,2ヵ月だよ。…それにこの子は餌用だったしあんまり強くないかも。」

 そんな…カエルのアイキだったときのお友達、コオロギさん…
 昆虫は苦手だけど、コオロギさんは別だ。一緒にいた時間は短いけど、確かに友情が芽生えたのだ。顔はこわいけど。

「コウヤ、どうしようっ、コオロギさん死んじゃう。ほら、ヘビさんも心配そうに見つめてるよ?」
「こいつはおやつだと思って見てるんじゃないかなぁ。」
「コウヤのばか!見てわからない?めっちゃ心配そうにしてるじゃん!」
「わからないよ…うーん、最後だからって逃がしてあげても直ぐに食べられちゃうだろうし、このまま最後まで看取っておげようか。」

 コオロギさんがそんなに寿命が短いなんて知らなかった…あーもう、なんでちゃんと調べなかったんだ。

「ロギ、がんばれ。」

 じわりと出てくる涙を拭って声をかける。

「ロギって何?名前?」
「ん。コオロギさんの名前。何か恥ずかしくてずっと心の中で呼んでた。」

 にへらと笑みを浮かべるコウヤ。不謹慎だ。

「コオロギに名前つけちゃうアイキ可愛い。」

 こんな時にうるせー変態!
 ギッと睨み付けると同時にヘビさんが蓋を押し上げて出てくるのが目に入った。

「コウヤ、ヘビ!」
「は?ちょ、アイキ離れてて。こいつ毒抜きしてない。ってか、蓋がこんな簡単に開くはずない。」

 え、なにそれ、こわ。
 コウヤの背中に追いやられたから、シャツをつかんで顔を出した瞬間、へびさんがピカリと光に包まれて、収まるとそこにはひとりの美丈夫がいた。

「は?え?え?なに、え?」

 俺はもう、パニックだ。自分かカエルになったときよりパニック。
 コウヤはというと、やけに落ち着いた声でぶつぶつ言っている。

「俺、人間飼ってたの…?」






「ごはん。このおやつはロギというの?」

 え?こわ。まだごはんだと思われてる…
 ちょっと正気に戻れた気がする…

「ごはん?」

「え、あ、うん。ハイ、コオロギのロギだよ。おやつじゃない。」

 信じられないけど、人間になったヘビさんはほわりと綺麗な笑顔を見せる。

「よかった。ずっとアイキのエサになまえはないっていうし、なまえがなきゃたすけられないから。」

 そう言いながらヘビさんはロギの水槽の蓋を開けてその白い手に小さなロギを乗せる。
 戸惑ったように小さくリーンと鳴いたロギは俺を見つめて、ヘビさんに視線を向ける。

「~~~~~~~~~~」

 何語かも聞き取れない不思議な言語をヘビさんが唱えると、ロギは虹色の光に包まれて、気づくとヘビさんの腕の中には褐色の美少年がいた…
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