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なみだ *
しおりを挟むシズカの指先に口づけを落とし、人差し指から一本一本丁寧に舐める。
「なぁ、この可愛い指、何本使ったの?」
「…や。りお、ばか。」
ぽかりと叩こうとしたのか、力無く上げたもう片方の手を掴み、そちらにも口付ける。
「んあッ、や、あっ…」
「ねぇ、どの指?」
「…うあ、」
うるうるな瞳は可愛いだけだし、何なら自分でするとこ見たい。そう言ったら泣いてしまうだろうか。普段なら泣き顔な見たくないが、ベッドの中での泣き顔は、滾るだけ。
「ばかばか。」
「可愛い。」
「ばかばかばか。」
「どうやったんだ?座って足開いて?それとも四つん這い?」
「…うあ、りおばか、もう、や。」
もう嫌い、とか言わないあたりがシズカだな。
はぁ、それにしてもうちの半身が可愛過ぎる。
「でも、もうやらないで。さっきも言ったけど、この指に嫉妬しそう。あー、でもシズカの自慰は見たい。すげぇ見たい。」
「…ばか!」
「…悪い。口に出てた。でも、嫉妬するのも本当。」
この指かと思うと…と、れろりと舐めあげ、指の付け根を甘く噛む。
途端に枕に顔を埋めるシズカの真っ赤な耳が旨そうで、うつ伏せのシズカに体重をかけないようにのし掛かった。
後ろから、耳をぺろりと舐めて、腰の下に手を入れ引き上げる。
シズカの可愛い双丘に俺の性器をつけて、挿入した指に合わせて前後する。
「あ、んんッ、やあっ」
「こうやって、俺のをシズカに入れて動くの、気持ち良いだろうな?」
しっとりと柔らかくなっているシズカの後肛に香油を継ぎ足し、指を増やす。
「いやッ、ひゃあっ、」
「やなの?やめる?」
「やだッ、やめな、いで…」
ぐるりと壁を刺激しながら引き抜けば、香油が垂れるから、それを押し入れる。
くぱくぱと物欲しそうに口を動かすそこが厭らし過ぎて…心臓が痛い。
「一応、痛覚鈍くする香油使ってるけど痛くないか?」
ぷちゅ、くちゅりと出し入れする度に溢れ出す。
「ふぁッ、ん、あッ、いたく、ないぃ」
「気持ち良い?」
「んやあッ、きもち、いいよおッ」
あぁ、やばい。これはやばいな。当たり前であるが、こんなに可愛い生き物見たことがない。
そして、俺以外の誰ひとりとしてこの姿を拝めないのだと思うと………やばいな。
「やぁぁぁッ、んあっ、」
香油が出てくるのを見ながら緩く出し入れしていたつもりがいつの間にか速くなり、可愛いしこりも可愛がってしまっていた。
「…シズカ、このまま後ろからのが楽だろうけど、どうする?」
はぁはぁとぺたりと枕に頬をつけ息するシズカ。
「んん…お顔みたい…」
「ちょっとキツイかもだけどいい?」
「…ん。」
とろりとした瞳で、ころりと仰向けになったシズカの胸の頂を体を起こして齧れば、可愛い声を上げながらもじとりと睨まれる。はぁ、可愛いだけ。額と額を合わせて、一度至近距離で見つめ合う。
「本当に、可愛い。」
「ふぁ、こんなときまでそれ言うの。」
「ふふっ。」
シズカの好きなエルフ様の流し目微笑み。
ぽぅ、としたシズカのとろけた後肛に、いきり立った性器をつけて、少しずつ埋め込んでいく。
「う、ああッ…」
「痛くない?」
はふはふとしながら小さく頷く。少しだけ挿れて、止まって。また少し進んで。
「んあッ、んんっ」
ぽたりぽたりと俺から落ちた汗がシズカの裸体に落ちる。
どれ程時間をかけただろうか。奥にぶつかった時に、ずっと詰めていた息を吐いた。
「ふぁ、……りお。」
「ん。」
「りお。いたい?」
痛くない。すげえ締め付けでキツキツだけど、驚くほど気持ちいい。
「悪い、何か…幸せ過ぎて、好き過ぎて、意味わからん。」
「、ん。ぼくも。」
ぷるぷる震える指先で、俺の目元からぽろりと溢れる雫を拭って…ぺろりと舐めたシズカに…
「ひゃあッ、え、わ!おっきく、しな、でぇッ」
「無理無理無理」
思わぬ仕草で溢れる涙も引っ込んで、その分、シズカの中でさらに硬くなる愚息。
「…悪い。我慢できねぇ。動く。」
「あああああああッ」
暫くシズカの中に収まっていまから、馴染んだ頃合いだろう。
ぐちゅりぐちゅりと音をたてながら、ぴゅくりと白濁を飛ばすシズカの姿に、思わず口角が上がる。
「シズカ、俺の上、座れる?」
繋がったまま薄い腹がぴくぴくと痙攣している。
そこを撫で上げ、返事も聞かずに腕を引いた。
「やあぁぁッ、あッ、あんッ、」
所謂、対面座位で下から突き上げる。
「んあッ、や、りお、りおぉ。や、こわ、い。」
「ん。怖くない。そのまま気持ちいいことだけ感じてな。」
乳首に舌を絡めて、下からずくりと突いて、片手でシズカの、律動に合わせて健気に揺れる性器を擦る。
「ひあッ、やあぁぁッッ、!」
ぷしゃあと透明な液体が飛び散り、俺の腹にかかる。
その締め付けで、どくりどくりと俺の精子がシズカの腹の中を汚している。
その現状に酷く興奮して、むくりと再び硬度を増すが…シズカは気を失うようにこてりと眠ってしまった。
「…我慢、か。」
欲を吐き出せずに辛い。だが、それよりも幸福感が半端無くて。
ずるりと引き抜けば溢れる白濁と洩れたそれが纏わりつく下半身。
「はぁ。シズカ、大好き。愛してる。もう、というか、始めからだが…離してやんねぇ。」
耳元でそう言って抱き締めれば、引っ込んだ筈の水が目元から落ちたのは、シズカには内緒だ。
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