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天然小悪魔とお風呂 *

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「メルさん、お腹一杯でおねむです?かわいい…」

『ムムー』

 すぴすぴと鼻を鳴らして、寝床で丸くなるメルロに優しく語りかけながら籠に布をかけるシズカ。
 おやすみなさいと声をかけたタイミングで抱き抱えて風呂へ向かった。

 初めの頃はジタバタと可愛らしい無駄な抵抗をしていたのに今では大人しく首に腕を回してくれるから、嬉しくて堪らなくなる。

「最近身を任せてくれるのが可愛い。」

「降ろしてって言っても降ろしてくれないもの。」

 諦めたんだよ、と照れ隠しなのか肩に顔を埋めてしまうこの子はその仕草がどんなに男心を擽るのかわかっているのか。わかってないんだろうな。可愛いから良いけど。

「いつも思うんだけど、抱っこ重くない?」

「全然重みを感じない。」

「それは嘘だよ。」

 くすくすと笑う吐息が耳元で感じられてくすぐったい。
 思わずお返しとばかりにシズカの耳へ舌を沿わせれば、真っ赤になって耳を手で塞ぐ。

「ちょっと…だめ。」

「何がダメ?」

「うぅ…」

「なー、何がダメなの?」

「…リオ意地悪、」

 はぁ、可愛い。とろんとした瞳を頑張って吊り上げて怒ったフリをしているのが可愛い。

「好きだ。」

「りおのばか。」

 そう言って完全に顔を伏せてしまったシズカの背中をぽんぽんリズム良く撫でながら幸福感で一杯だった。

「はい、首あげて。」

 ローブの留め金とシャツのボタンを外したくて、声をかければ脱がされる事に気づいたのか自分の手を伸ばしてしまうからその手を取る。少し前までは羞恥心はあれど脱がされてくれていたのに。
 意識してくれてるのか。

「脱がしたい。」

「うぅ…」

 シズカのローブは紺。留め具は焦茶の革で、留め金は金。首もとでしっかりと留められているそれを外せば生成り色のシャツが見える。
 しっかりとボタンを全て留めている真面目さがいじらしい。このシャツ姿でさえ自分以外が見ることがないと思うと…腹が熱くなるような気持ちになる。まぁ…滾る。
 こんなシンプルな無地のシャツ一枚でこんなに可愛いなら、着飾ったらどうなる…?いや、シズカはシンプルな服の方が可愛さが引き立つな。

「…リオ?」

 怪訝な表情のシズカ。それに素直に思っていた事を告げれば苦笑い。

「リオはお話する時としない時のイメージが違いすぎる…」

「嫌い?」

「…すき。」

「なら良い。」

 シズカに好きと言って貰えるなら、何でも良い。

「あ、でも…」

「ん?」

「やっぱり、どっちのリオも、すき。」

 そう言ってこちらを見上げて窺うように首を僅かに傾けられたら、

「わあっ、」

 がばりと抱き締めて、天を仰ぐ事しか出来ないだろう。

「本当に、シズカの可愛さに殺されそう。」

「なにそれ。」

 そんなことしないよ、とそのまま頭をぐりぐり。そういうところに殺されそうなんだ。
 触れあったり抱き締めるとくっついていてくれるシズカ。

「ぎゅうってするの、好き?」

「すき。…ぎゅ。」

「はぁ、鼻血でそ。」

 もう、本当に。可愛過ぎて辛い。

「りお、お風呂はいろ?」

 いつの間にか自分でシャツを脱いでしまっていたから、可愛い二つの胸の突起に誘われるように食らいつく。

「んんッ、ひ、あッ」

 てらりと光る小さな粒を捏ねて、反対も。

「あッ、り、お…!汚いよぉ…おふろはいろ?」

「んー?」

 風呂に入って同じ石鹸の香りがしているのも良いが…シズカの香りが一番好きだ。
 ぽてりと色濃くなったそこが何よりも旨そうで、舐めたくて。
 チュっとそこへキスをする。

「あッ、やッ、」

「固くなってる。」

 片方は舌で可愛がって、片方はくりくりと摘まんで、潰して、また、摘まんで。時折引っ掻くようにピンと弾けば同じように体も跳ねる。

 そろりと下履きに手を滑らせれば反応してくれていてホッとする。本気で嫌がられたらそりゃ止めるが、反応してるならいいかと少し強めに揉み込んだ。

「んやぁッ、あ、んんっ、」

「うんうん。気持ちいいなぁ?」

「へ…へんたっ、いッ!」

「はいはい。その変態に勃たされてるのはどこの可愛い子?」

「…うぅっ、ばかばか。りおのばか…!」

 勃ちきる前に脱がないと脱ぎにくくなるから、と下履きに手をかける。
 しゃがんでチラリと上をみれば、顔を両手で隠して耳まで赤くなっている可愛い子。この子はどこの子だ?俺の可愛い半身だと自問自答しつつ、一気に下履きを下げて、ふるりと出てきた性器にも舌を沿わせた。

「ひゃあッ、あ、うそ、やだあッ、」

 シズカの動きに合わせてふるふると揺れるそれに片手を添えて、裏スジから舐めあげる。
 くぷり。と溢れる蜜を舐めとりながら、水音をたてて上下に擦る。

「や、あッ、りお、も…だめ」

 思わず、と言ったようにこちらを見るシズカがいやらしくて、先を咥えて視線を交えたまま、微笑みを向けた。

 途端にびくりびくりと精を吐き出し肩で息をする。最後に先っぽの穴まで綺麗にして、口を離せば呆然としているシズカ。

「シズカ、麗しのエルフ様の微笑み好きな?」

「…ん、」

「あー、射精してぽわぽわしてるシズカ可愛い。」

「…どっちも、すき。」

「…心臓撃ち抜かれた。」

 急いで服を脱いで、また抱き抱えて浴室へ足を踏み入れた。
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