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シズカ馬鹿な俺 *
しおりを挟む「んん、リオ…だ、め」
「ん。ちゃんと洗おうな?」
どこを洗っても、可愛い反応をしてくれるから、ただの風呂なのにしつこく触れてしまう事は不可抗力だ、仕方がない。
「シズカの肌は柔いなぁ。綺麗だなぁ。」
「もう、自分で…洗う…!」
「無理無理無理。洗わせて?」
いつもは顔を見られたくないようだったから同じ方向を見て洗って、同じように後ろから抱いて湯船につかっていた。
でも、もう、顔は見せてくれるようになったから…今日は念願の向かい合わせである。
赤面しているのも、濡れて張り付いた髪も、ぽつりと存在を主張する小さな胸の飾りも全て、全てが官能的で…滾る。
「や、もお、りお…」
「無理。可愛すぎる。」
泡だらけのシズカを膝の上に抱き上げて、跨がらせて、噛みつくようなキスをした。
「んあっ、ふぁ、んん、」
赤く色づく唇と胸の先。泡でぬるつくそこを優しく捏ねれば更に可愛い声を聞かせてくれる。
押し潰してかたくなったそこを堪能していると、腹に何かが当たる。まぁ、何かと言っても正体はわかっているが。
「あッ、見ちゃだめ、やあッ」
「はぁ。両手で隠すとか…はぁ。」
裸で、泡だらけで、可愛がってた乳首だけ赤く目立っていて、そのうえ勃ち上がった性器を両手で抑え込むシズカ。見られないように考えたんだろうが、思い切り逆効果だ。
ふるふると震えるその姿に欲情しか湧かない。すげぇ可愛い。
「シズカ、俺のも一緒。」
「…やぁ」
チラリとみて、元々赤い顔を更に赤面させてすぐに視線を逸らす。
「なぁ、一緒だぞ?性的興奮を覚えるとこうなるのは、恥ずかしい事じゃない。」
年頃だからな、やだと言ってもチラチラと俺の性器をみてしまうシズカ。その姿に心臓が音をたてる。
「触って良い?」
「…や、だめ。」
「ここの括れとか、裏スジのとことか泡付けて俺のと一緒にぐちゅぐちゅって。だめ?」
「…やぁ」
「先っぽもぐりぐりってしたら気持ち良いぞ。」
「…うぁ、」
「シズカ、ちゅーは?して良い?」
またちゅーは似合わないなんて言うと思ったが、向かい合ってるシズカは俺の首に腕を回して引き寄せると目蓋をぎゅっと閉じて当てるように唇を合わせた。
「シズカからキスしてくれたの嬉しい。」
「…ん。したかったの。上手く出来なかったけど…」
本当にこの子は…俺を悶え死にさせたいのか。
「舌だして?」
素直に舌を差し出す姿に心配になる。今の状況をわかっているのか。
出された舌に自分のものを絡めれば、飲み込めない唾液が下へ落ちる。
視線を下に下げれば、唾液ではない透明なものが、ふるりと動くシズカの性器から溢れるところだった。
「もったいない。」
思わずそう言葉にして人差し指で掬えば、びくりと腰が動く。
「ね、シズカのここ、くちゅくちゅして良い?」
聞きながら指を性器の先に乗せてくるくると動かせばくちゅりと次から次へと滲み出る。
「ん。うん、し、て。…んやあッ、りお、りお、」
「ん。大丈夫。出しちゃいな。」
強い快感が怖いのか、名前を呼んでぎゅうと抱きついてくるシズカを片手で落ちないように支えて、もう片方で俺のと纏めて擦りあげた。
最初に言った通りにシズカのカリ首のとこと裏スジを俺のでごりごりと当てて。それだけで充分に気持ち良いのに、感じた快感に驚く。
「シズカも触ってくれるのか?」
「…あッ、あんッ、うん…ぼくもぉ。」
シズカのものとは比べ物にならないくらい張り出している性器の先に、しなやかで細い指が絡む。
「…ハァ、可愛い。」
「んんッ、ちゃんと、でき、てる?」
「あぁ。凄く気持ち良い。そのまま触ってて?」
ラストスパートとばかりに速く擦ればシズカは直ぐに射精した。
「悪い、もう少し付き合って。」
「…え?…やぁぁッ!」
絶頂して直ぐにまた。結局俺の1回目とシズカの3回目が同時で。
素早く洗い直して、湯船で冷えた身体を温めた。
「…ばか。」
「ん?」
「…リオのばか。」
「ふはっ。」
ばかと言いながらもくったりと寄りかかるシズカ。本当にもう。この子は可愛すぎるんだ。
「ばかばか。」
「何だろうなぁ、シズカからなら馬鹿って言われても嬉しいだけだな。可愛いし。」
「うー、りおのばか。」
「ははっ。可愛い。」
「うぅ、キス、してくれる?」
「喜んで。」
両手を頬に添えて、逃げられないようにしてから、深い口づけを落とす。
「んむぅッ、んあ、…りお」
「ん?」
「…ばかって言ってごめんね。」
「ぶは!」
さっきまでの甘い雰囲気が吹き飛ぶほど笑って、子供みたいにシズカの頬に自分の頬をつけてぎゅーぎゅーと抱き締めた。
「シズカは汚い言葉っていうか、可愛いもんだけど、馬鹿しか言わないな?」
「…ばかと、醜いと、汚いくらいしか知らないかも。リオは綺麗だから…ばかとしか言えなかったの。でも、本当は思ってないよ…?」
「わかってる。いや、俺、馬鹿だな。最近頭の中お前の事しか考えてないから。シズカ馬鹿。」
「ふふっ。なにそれ。」
くすくすと笑うシズカがいれば何もいらないシズカ馬鹿。割と本気で言ったのだが、冗談に聞こえたのだろうか。
じゃれあいながら身体を乾かして、寝間着を着て、本棚から一冊の本を抜き取った。
一緒にベッドへ入って枕を立てて寄りかかり、シズカを自分の足の間に収めて本を開く。
「ほら、ここ。メルロのこと書いてあるだろ?」
「本当だ。ごはんは新鮮な葉や花って書いてある…」
「今日は購入した時に一緒に入れといたから、明日一緒に花でも摘みに行くか?」
数週間、シズカはこの部屋に籠っているから、気分転換になるだろう。
「お花…外…だよね?」
「そうだな。嫌か?」
「嫌じゃない…けど…今が穏やかで、その、幸せで。外に出たらそれが壊れちゃいそうで。」
あの糞女たちに会うことが怖いのか。それより、今が幸せだなんて。心が驚きと喜びで痛い。
「転移で、誰もいない森にでも行くか。そこであいつの餌になるものを探そう。」
「、良いの?」
「良いも何も…あの糞女たちに会いたくねぇ。だから、一緒に来てくれるか?」
「…うん。リオ、ありがとう。」
「いや、俺の方こそ感謝してる。シズカが来てくれて嬉しくて、幸せだ。」
そこから延々と飼育本を読み耽るシズカから本を取って、腕の中に愛おしい存在をすっぽりと収めて眠りについた。
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