十七歳の狸さん

まつぼっくり

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楓夜と雪成

二人の日常

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「…先生、どうですか?」

「…………」

「先生!」

 ガタリと楓夜の椅子が音をたてて、先生に向かって前のめりに立ち上がる。

「楓夜君。君ねぇ、いくら心配だからって持病の定期検診の度に人を殺しそうな目で睨むのやめて。今回も異常なし。最近大きな発作もないしもう少し通院の間隔あけてもいいかな。」

「わぁ!ありがとうございます。嬉しい!」

 はしゃぎすぎは駄目だからね、と釘を刺されてコクコクと頷く。

「苦しくなったら我慢しないで直ぐに服薬、吸入すること!…それと、楓夜君。雪成君の喘息は命に関わるようなものではないから…大丈夫だよ。」

「…はい。ありがとうございます。」
  
 再会して、初めて喘息の発作を起こした時の楓夜の姿を思い出す。
(泣きそうな顔をして僕より適切な処置を素早くしてくれたのには笑ってしまったけど) 
 夜中も寝ないで見張られて、前世での僕の死がどれだけの恐怖を与えたのかを理解した。
 最後まで楓に何も言わなかったのは、楓に僕と出会った事を後悔して欲しくなかったからというのが大きいけど、でも本当は、僕も頭ではわかっていたけど、死ぬのが嫌だったんだと思う。楓より大切なものはなくて。助けた事はもちろん後悔していない。でも、楓との生活が幸せで。凄く凄く幸せで暖かくて。楓花とも雪花とも離れがたくて。言わなきゃなぁと思いながら気づいたら死んじゃってた。

 そこで神様にお願いしてお願いしまくって100年くらいタダ働きします!って頼み込んで仕事をゲットして楓夜と同じ世界に転生させて貰った。
 年月の間隔が全くない空間だったからまさか楓夜の方が早く転生してるとは思わなかったけどね。



 診察室を出て、楓夜と手を繋いで歩く。

「雪成、良かったな。でも最近調子良いからって油断するなよ。」

 空いている手で頭をぐりぐりとされて嬉しくて思わず抱きつく。

「いつもありがと。心配かけてごめんね?」

「心配は勝手にしてるだけ。お前が元気だと嬉しい。」

「えへ。」

「可愛いなァ。」

 好きな人からの可愛いは嬉しい。そう素直に告げれば掠めるようなキスをされて思わず周りを見渡す。

「もう!ここ病院だよ?ちゅーしちゃだめ。」

「ほんと可愛いなァ。」

 ぐりぐりのパワーが増しただけだった…


 会計して、お薬を貰って、楓夜の車に乗り込む。体の大きさに見合ったゴツい軍用車のようなSUVは足をかけるところが高い。僕はこんなでも男だから、弾みをつけて乗り込めるけど、楓夜はいつも助手席側に回って僕の後ろから乗り込むのをサポートしてくれる。
 若干子供扱いされているようで複雑だけど、でも、やっぱり嬉しいが勝ってしまう。
 いくら一緒にいても時間が足りなくて。少しも離れたくない、少しでも近くにいたいと感じてしまう。
 それこそずっとぴったりくっついていて、溶け合って混ざりあってしまえばいいと思うほどに。

 こんなことを思うのはおかしいかな?と車内で楓夜に問えば来世では溶け合って生まれようと答えてくれた。

「うーん…前世も今世も来世も楓夜といれたら幸せだけど神様困っちゃうね。うんと徳を積まなきゃ。」

「そうだなァ。積むか、徳。」

「うん!よくわからないけど頑張るよ!」








「うん?」

 さっきまで"徳を積む"という話をしていたはず。
 なのに僕はベッドに押し倒されている。

「なんで?」

「ん?徳を積むんだろ?俺は雪成といつでもくっついていたい。人の為に徳を積むなら俺の為にしてくれるのも人の為だろ?」

 うん?うーん。それでいいの…?
 わからないけど…僕も楓夜となるべくくっついていたいしいっかあ。
 上から見下ろして笑顔を向けてくる楓夜の首に腕をかけて引き寄せて首筋に吸い付いた。

「んっ、ふふ。僕のって証。」

「はぁ。可愛いって罪だなァ。」









「アッ、アッ!ん、ひ、あぁっ」

 ズクズクと楓夜の大きいので奥まで拓かれる。

「あー、前世も今世も俺しかしらないとか最高。可愛い過ぎる、な!」

「あァァァァ!や、も、だめ!ひあッ」

 何度も絶頂して、体に力が入らずへろへろの中お風呂まで運ばれる。

 あわあわのお風呂にそのまま入って両手でさわさわと撫で洗いされ、沢山出された後ろにもそろりと指が入り込み、軽くちゅぷちゅぷと出し入れされればトロリと白濁が出ていく感覚。

「んあ、おゆ、はいってくるぅ」

「ちっと我慢な」

 バシャッと湯船から抱き上げられて今度は楓夜の膝の上。頭からシャワーをかけられてシャンプー。

「あう。気持ちいいぃ。」

 楓夜のシャンプーはマッサージ付きなのだ。
 しっかりトリートメントまでしてくれて、全身の泡を流して終了!とはいかず…
 お風呂の椅子に座らされたら下に向かう楓夜の顔。

「んンンンンッ!や、あッ!」

 ジュッジュッと力強く吸われて、離してもらおうと濡れた髪を押しやるがきょとんとした顔で見上げてくるだけで。

「今日、ドライばっかだったからちゃんと射精したいだろ?」

「、やぁぁッ」

 最後の最後まで飲み干して、さきっぽをぺろりと舐めて離れる楓夜が色っぽくてドキリと胸が高鳴る。

「ん?また勃起させて。可愛いなァ。もっかいするか?」

「も、やぁ。つぎ僕がする。ふーやは座って!」






「可愛いって罪状があったら雪成は終身刑だなァ…」







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