35 / 46
本編
本当の男の力
しおりを挟む
マイラside
「素敵なお部屋ね」
「ありがとうございます」
ガルシア卿のお部屋。
どうぞ、と促されカウチへ座る。
大して仲良くのない男性のお部屋はなんだか落ち着かない。
「今日は来ていただけるなんて…」
ガルシア卿が横に座る。
「嬉しいよ、マイラ」
「え?」
急に馴れ馴れしい。
「僕と付き合ってくれますか?」
「えっ?」
手を握られ、顔を近づけられた。
「ご、ごめんなさい。私そんなつもりじゃ…」
「まさか!ここまで来てくれたのに?」
背の高いガルシア卿が私の肩を抱き、体を閉じ込める。
「こんな寸前でおあずけだなんて…それは無いでしょう」
「離して!」
逃げられなかった。
重なる唇。
「ふっ、ん…や、……っ」
初めて気づいた。
…ルイのキスはとっても優しかったんだと。
男らしいと思っていた力は、全然本気じゃなかったんだ。
「やめっ…んっ、んんっ、」
ギリギリと掴まれる腕の力の強いこと。
一瞬の抵抗も許さないといったように。
「止めて!私はウォールデン家の令嬢よ!」
やっと口が離れたので、きっと睨んで抵抗する。
「自分から来といて、そんなふうに仰るなんて…マイラ嬢はとんだ世間知らずとみた」
ふふっ、と笑いながら言うガルシア卿。
「なんですって…!?」
「の、割に」
唇をペロリと舌で舐められる。
あまりの気持ち悪さに鳥肌が立った。
「キス、は経験がおありのようだ。相手がいながら僕の部屋に来たのかな?」
「………!?」
「可愛い顔して、よもや二股をするような人だとは!」
「違う…!」
「大丈夫、僕は君の彼より上手いですよ、きっと」
ヂュッ!
デコルテに唇が吸い付く。
「いたっ…!」
「綺麗な肌だ。赤い花を咲かすのにうってつけだな」
腕を抑えられ逃げられもせず、その痛みに耐える。
いよいよドレスも脱がされ、胸が露わになった。
「いやっ…」
「あぁ、綺麗だ…」
1度だけルイに触れられた体。
ずっと、また触って欲しいと思っていたのに…
ガルシア卿に触られたって全然気持ち良くない。
なのに、嫌でも反応する体が心底嫌になる。
「ここも…すごく濡れてますね」
もう嫌…。ルイ…、ルイ…ごめんなさい。
私、本当はルイが好き。
もうルイがどんな人でもルイがいいの。
嫌いになんてなれない。
初めてはルイが良かった。どんなに後悔したって遅い。
目からは涙が溢れて止まらない。
そして、私は------。
「素敵なお部屋ね」
「ありがとうございます」
ガルシア卿のお部屋。
どうぞ、と促されカウチへ座る。
大して仲良くのない男性のお部屋はなんだか落ち着かない。
「今日は来ていただけるなんて…」
ガルシア卿が横に座る。
「嬉しいよ、マイラ」
「え?」
急に馴れ馴れしい。
「僕と付き合ってくれますか?」
「えっ?」
手を握られ、顔を近づけられた。
「ご、ごめんなさい。私そんなつもりじゃ…」
「まさか!ここまで来てくれたのに?」
背の高いガルシア卿が私の肩を抱き、体を閉じ込める。
「こんな寸前でおあずけだなんて…それは無いでしょう」
「離して!」
逃げられなかった。
重なる唇。
「ふっ、ん…や、……っ」
初めて気づいた。
…ルイのキスはとっても優しかったんだと。
男らしいと思っていた力は、全然本気じゃなかったんだ。
「やめっ…んっ、んんっ、」
ギリギリと掴まれる腕の力の強いこと。
一瞬の抵抗も許さないといったように。
「止めて!私はウォールデン家の令嬢よ!」
やっと口が離れたので、きっと睨んで抵抗する。
「自分から来といて、そんなふうに仰るなんて…マイラ嬢はとんだ世間知らずとみた」
ふふっ、と笑いながら言うガルシア卿。
「なんですって…!?」
「の、割に」
唇をペロリと舌で舐められる。
あまりの気持ち悪さに鳥肌が立った。
「キス、は経験がおありのようだ。相手がいながら僕の部屋に来たのかな?」
「………!?」
「可愛い顔して、よもや二股をするような人だとは!」
「違う…!」
「大丈夫、僕は君の彼より上手いですよ、きっと」
ヂュッ!
デコルテに唇が吸い付く。
「いたっ…!」
「綺麗な肌だ。赤い花を咲かすのにうってつけだな」
腕を抑えられ逃げられもせず、その痛みに耐える。
いよいよドレスも脱がされ、胸が露わになった。
「いやっ…」
「あぁ、綺麗だ…」
1度だけルイに触れられた体。
ずっと、また触って欲しいと思っていたのに…
ガルシア卿に触られたって全然気持ち良くない。
なのに、嫌でも反応する体が心底嫌になる。
「ここも…すごく濡れてますね」
もう嫌…。ルイ…、ルイ…ごめんなさい。
私、本当はルイが好き。
もうルイがどんな人でもルイがいいの。
嫌いになんてなれない。
初めてはルイが良かった。どんなに後悔したって遅い。
目からは涙が溢れて止まらない。
そして、私は------。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
寵愛の檻
枳 雨那
恋愛
《R18作品のため、18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。》
――監禁、ヤンデレ、性的支配……バッドエンドは回避できる?
胡蝶(こちょう)、朧(おぼろ)、千里(せんり)の3人は幼い頃から仲の良い3人組。胡蝶は昔から千里に想いを寄せ、大学生になった今、思い切って告白しようとしていた。
しかし、そのことを朧に相談した矢先、突然監禁され、性的支配までされてしまう。優しくシャイだった朧の豹変に、翻弄されながらも彼を理解しようとする胡蝶。だんだんほだされていくようになる。
一方、胡蝶と朧の様子がおかしいと気付いた千里は、胡蝶を救うために動き出す。
*表紙イラストはまっする(仮)様よりお借りしております。
【ヤンデレ鬼ごっこ実況中】
階段
恋愛
ヤンデレ彼氏の鬼ごっこしながら、
屋敷(監禁場所)から脱出しようとする話
_________________________________
【登場人物】
・アオイ
昨日初彼氏ができた。
初デートの後、そのまま監禁される。
面食い。
・ヒナタ
アオイの彼氏。
お金持ちでイケメン。
アオイを自身の屋敷に監禁する。
・カイト
泥棒。
ヒナタの屋敷に盗みに入るが脱出できなくなる。
アオイに協力する。
_________________________________
【あらすじ】
彼氏との初デートを楽しんだアオイ。
彼氏に家まで送ってもらっていると急に眠気に襲われる。
目覚めると知らないベッドに横たわっており、手足を縛られていた。
色々あってヒタナに監禁された事を知り、隙を見て拘束を解いて部屋の外へ出ることに成功する。
だがそこは人里離れた大きな屋敷の最上階だった。
ヒタナから逃げ切るためには、まずこの屋敷から脱出しなければならない。
果たしてアオイはヤンデレから逃げ切ることができるのか!?
_________________________________
7話くらいで終わらせます。
短いです。
途中でR15くらいになるかもしれませんがわからないです。
イケメン幼馴染に処女喪失お願いしたら実は私にベタ惚れでした
sae
恋愛
彼氏もいたことがない奥手で自信のない未だ処女の環奈(かんな)と、隣に住むヤリチンモテ男子の南朋(なお)の大学生幼馴染が長い間すれ違ってようやくイチャイチャ仲良しこよしになれた話。
※会話文、脳内会話多め
※R-18描写、直接的表現有りなので苦手な方はスルーしてください
【R18】助けてもらった虎獣人にマーキングされちゃう話
象の居る
恋愛
異世界転移したとたん、魔獣に狙われたユキを助けてくれたムキムキ虎獣人のアラン。襲われた恐怖でアランに縋り、家においてもらったあともズルズル関係している。このまま一緒にいたいけどアランはどう思ってる? セフレなのか悩みつつも関係が壊れるのが怖くて聞けない。飽きられたときのために一人暮らしの住宅事情を調べてたらアランの様子がおかしくなって……。
ベッドの上ではちょっと意地悪なのに肝心なとこはヘタレな虎獣人と、普段はハッキリ言うのに怖がりな人間がお互いの気持ちを確かめ合って結ばれる話です。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる