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本編

友人の恋愛について語る

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ルイside

あっという間に月日は流れ、あれから10年。

今や僕はウォールデン家の執事。
だけど、ここまでなるのは簡単ではなかった。

毎日一般教養や、マナー、接遇、それに加えマイラ様をお守りするため体術、護身術など全てにおいてハイレベルであることを目指した。

別にそこまで完璧を求められていたわけではなかったが、マイラ様の一番近くに居続けるために僕は毎日必死だった。

努力の甲斐あって史上最年少で執事の座を手に入れた。

今はもうなにに臆することも無く、堂々とお嬢様の隣を独占している。

「ねーぇ、ルイ」
「はい。なんでしょうか。」
「今夜の舞踏会のドレス、何色がいいかしら」
「こちらはいかがでしょうか」

僕がこのお屋敷に来てから、マイラ様と毎日ずっと一緒に過ごした。
たくさんの事を話し、共に経験し一緒に育ってきた。

今ではマイラ様はドレスの色から午後のお茶会の茶葉の種類まで僕に意見を聞いてくる。

マイラ様ももう16歳。
少々、甘えんぼが過ぎるとテオ様にたまにご指摘を受けることもあるが、僕は今の関係性がなんとも心地良かった。

「ルイ~」
「はい。」
「ねぇ、聞いた?グリタリー家のエミリア嬢、彼氏が出来たって言っていたじゃない?」

最近、マイラ様から他人の恋愛話を聞くことが多い。
頻繁に行われるパーティで令嬢達と話した後は、決まってそれを僕に全部教えてくれる。

周りの影響を受けているのか、マイラ様も彼氏だの恋愛だのに興味津々だ。

「その彼氏ったら、エミリア嬢のお誕生日プレゼントにダイヤのネックレスをプレゼントしたんですって!」

素敵じゃない?
とっても大きなダイヤだったの。

「なるほど。それは素敵ですね」
「だけど、プレゼントを渡したあとすぐ体を求めてきたっていうの!ルイはどう思う?」

来た。

「…プレゼントを渡した見返りを求めたのでしょうかね。」
「私もそう思うわ!交際間もない男性が高価すぎるプレゼントを渡すのって……」

あーだのこーだのと、マイラ様が自身の恋愛観を僕に話す。

昔は本当にピュアで箱入り娘だったマイラ様。

僕が年配のボーイ達と話し、すっかり耳年増になったところでそれをそのままマイラ様に話していたらその影響を受けて、今ではとても大人びた考えを持つようになった。

「エミリア嬢、それで断れなくて一夜を共にしたらしいの。それって、相手の思うつぼよね?」
「えぇ、そうですね」

男女の関係において、かなり現実的な思考をお持ちだ。
まだ本人は恋人は一人も作ったことがないのに、恋愛マスターのように話すマイラ様。

しばらく、マイラ様の考察は続いた。
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