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本編
幸せな気持ち
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ルイside
大慌てでどこをどう走ったのかも分からない。
気づけば教会にたどり着いていた。
『猫ちゃん…置いてきちゃったな…』
「あら、ルイ!どこへ行っていたの?」
シスターが今気づいた、といった顔で言った。
「まぁ、髪もこんなに濡れて!」
「ごめんなさい…」
シスターは深くは詮索しなかった。
あまり僕に興味がないようだ。
髪を乾かし、部屋へ戻る。
いつもの部屋。いつもの景色。
ベッドと、小さなテーブル。
壁にかけてある2、3枚の服。
物心ついた時から慣れ親しんだ部屋。
ふぅ、、、とベッドに座り込んだ。
1時間にも満たないほどの時間だったのに、お屋敷の中の煌びやかな光景が頭に強く残っている。
初めてこの部屋以外の場所に入った。
想像していたよりも遥かにキラキラしていて。
そしてあの女の子---
まるで絵本の中から飛び出してきたかのような、そんな風貌。
ホンモノのお姫様。
チラリと窓の縁に映る自分の顔を見た。
真っ先に目がいくのがこの両目。
幼い頃から、一歩教会の外に出れば「気持ち悪い」「悪魔の子」などと悪口を言われた。
友達なんか1人も出来なかった。
僕のこの目が、普通じゃないことは物心がついてすぐに分かった。
他人に貶される度に1人で泣いていた。
シスター達は、そんな僕になんて声をかければ良いのか分からず困っているようで。
貶されないだけ教会の中は安心できた。
大嫌いなこの目。
いっそ、抉り出してしまいたかった。
………本当にやる勇気は出なかったけれど。
『…………………………』
“私、マイラよ。”
鈴のなるような可愛い声だった。
一度聞いたら忘れられない。
“あなたの目、とっても綺麗よ”
あんな事を言われたのは初めてだった。
綺麗、だなんて。
『あんなの…嘘に決まってる』
今まで散々辛い目にあってきた。
この目のせいでみんなから非難されてきた。
だけど…
「……………ふふっ」
こんなにこの目を憎んでいたけれど、この目を褒めてくれたあの子の言葉は、僕を今までで一番幸せな気持ちにさせてくれた。
大慌てでどこをどう走ったのかも分からない。
気づけば教会にたどり着いていた。
『猫ちゃん…置いてきちゃったな…』
「あら、ルイ!どこへ行っていたの?」
シスターが今気づいた、といった顔で言った。
「まぁ、髪もこんなに濡れて!」
「ごめんなさい…」
シスターは深くは詮索しなかった。
あまり僕に興味がないようだ。
髪を乾かし、部屋へ戻る。
いつもの部屋。いつもの景色。
ベッドと、小さなテーブル。
壁にかけてある2、3枚の服。
物心ついた時から慣れ親しんだ部屋。
ふぅ、、、とベッドに座り込んだ。
1時間にも満たないほどの時間だったのに、お屋敷の中の煌びやかな光景が頭に強く残っている。
初めてこの部屋以外の場所に入った。
想像していたよりも遥かにキラキラしていて。
そしてあの女の子---
まるで絵本の中から飛び出してきたかのような、そんな風貌。
ホンモノのお姫様。
チラリと窓の縁に映る自分の顔を見た。
真っ先に目がいくのがこの両目。
幼い頃から、一歩教会の外に出れば「気持ち悪い」「悪魔の子」などと悪口を言われた。
友達なんか1人も出来なかった。
僕のこの目が、普通じゃないことは物心がついてすぐに分かった。
他人に貶される度に1人で泣いていた。
シスター達は、そんな僕になんて声をかければ良いのか分からず困っているようで。
貶されないだけ教会の中は安心できた。
大嫌いなこの目。
いっそ、抉り出してしまいたかった。
………本当にやる勇気は出なかったけれど。
『…………………………』
“私、マイラよ。”
鈴のなるような可愛い声だった。
一度聞いたら忘れられない。
“あなたの目、とっても綺麗よ”
あんな事を言われたのは初めてだった。
綺麗、だなんて。
『あんなの…嘘に決まってる』
今まで散々辛い目にあってきた。
この目のせいでみんなから非難されてきた。
だけど…
「……………ふふっ」
こんなにこの目を憎んでいたけれど、この目を褒めてくれたあの子の言葉は、僕を今までで一番幸せな気持ちにさせてくれた。
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