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ある日のりひしい(夏目理人×椎葉亮太)
Perfume chain 2
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しいside
それからしばらくは新曲のダンス練習や撮影などグループで行動する日々が続いた。
今日は午後からダンス練習。
しばらく練習して、
「一旦休憩しよう」
悠里の合図で、練習場の壁際に座り込んだ。
スポーツドリンクを飲み、スマホを開く。
ピコン。
『う、わ、めっちゃメッセージ来てる…』
最近バラエティでの仕事がありがたい事に増えたけどそれと同時に増えたのが、共演した人からの連絡。
俺の出してもらう番組は体力系が多く、出演層も若いため自然とアイドルやタレント、若手の女優との交流が増えた。
毎度毎度、連絡先を聞かれ、初めは「お疲れ様でした」「また共演したらよろしくお願いします」とかテンプレメッセージを送り合うんだけど…
その後ほぼ必ず来る「良かったら、今度一緒にご飯にでも行きませんか?」という旨の内容。
正直、毎日忙しくて時間が作れない。
だし、せっかく空いた時間があったら自分の好きなことをしたい。
ほぼ初対面の人と気使ってわざわざご飯行くのもな…
断りの内容を考える間に、どんどんメッセージが溜まっていく。
うーん、とメッセージを辿っていると、
「しーくん、いっぱいメッセージ来てるじゃん」
なっつんが隣に座った。
「あっ、なっつん……」
すっと画面を閉じる。
恋人にメッセージがたくさん来てるのは…俺だったら見たくない。
「返事、返さないの?」
「うん、後でいいや」
ね、しーくんここ来て。
腕を軽く引っ張って、なっつんの脚の間に呼ばれた。
「うん」
体格差のあるなっつんの中にすっぽりと納まる。
後ろから腕を首に回されると、フィットしてなんとも心地いい。
なっつんの体に、寄りかかった。
近づくと、フワッとまたあの匂い。
高級感漂ういい匂いだけど…
スンスンと、振り返ってなっつんの服を嗅いだ。
「なに?しーくん。誘ってるの?(笑)」
なっつんが小声で囁く。
「あ、ち、ちが!なんか…なっつんいい匂いするなって…」
あぁ、これ?香水だよ。
「へぇ…なんで付け出したの…?」
「ん?この匂い、好評みたいだったから」
なんでもない顔して話すなっつん。
ドクン。と胸が脈打った。
え?え?好評って…誰に???
りっくんみたいに、すぐ、誰に~?と聞ければいいんだけど俺は、いつもその一手が遅い。
「そうなんだ…」
それだけ言ったところで、練習再開の声が聞こえた。
それから数日間、毎日なっつんはその匂いを纏っていた。
だんだん慣れてきて、その匂いを嗅ぐとあ、なっつんの匂いだな、と思うようになったけど、なんとなくモヤモヤした感じは続いていた。
それからしばらくは新曲のダンス練習や撮影などグループで行動する日々が続いた。
今日は午後からダンス練習。
しばらく練習して、
「一旦休憩しよう」
悠里の合図で、練習場の壁際に座り込んだ。
スポーツドリンクを飲み、スマホを開く。
ピコン。
『う、わ、めっちゃメッセージ来てる…』
最近バラエティでの仕事がありがたい事に増えたけどそれと同時に増えたのが、共演した人からの連絡。
俺の出してもらう番組は体力系が多く、出演層も若いため自然とアイドルやタレント、若手の女優との交流が増えた。
毎度毎度、連絡先を聞かれ、初めは「お疲れ様でした」「また共演したらよろしくお願いします」とかテンプレメッセージを送り合うんだけど…
その後ほぼ必ず来る「良かったら、今度一緒にご飯にでも行きませんか?」という旨の内容。
正直、毎日忙しくて時間が作れない。
だし、せっかく空いた時間があったら自分の好きなことをしたい。
ほぼ初対面の人と気使ってわざわざご飯行くのもな…
断りの内容を考える間に、どんどんメッセージが溜まっていく。
うーん、とメッセージを辿っていると、
「しーくん、いっぱいメッセージ来てるじゃん」
なっつんが隣に座った。
「あっ、なっつん……」
すっと画面を閉じる。
恋人にメッセージがたくさん来てるのは…俺だったら見たくない。
「返事、返さないの?」
「うん、後でいいや」
ね、しーくんここ来て。
腕を軽く引っ張って、なっつんの脚の間に呼ばれた。
「うん」
体格差のあるなっつんの中にすっぽりと納まる。
後ろから腕を首に回されると、フィットしてなんとも心地いい。
なっつんの体に、寄りかかった。
近づくと、フワッとまたあの匂い。
高級感漂ういい匂いだけど…
スンスンと、振り返ってなっつんの服を嗅いだ。
「なに?しーくん。誘ってるの?(笑)」
なっつんが小声で囁く。
「あ、ち、ちが!なんか…なっつんいい匂いするなって…」
あぁ、これ?香水だよ。
「へぇ…なんで付け出したの…?」
「ん?この匂い、好評みたいだったから」
なんでもない顔して話すなっつん。
ドクン。と胸が脈打った。
え?え?好評って…誰に???
りっくんみたいに、すぐ、誰に~?と聞ければいいんだけど俺は、いつもその一手が遅い。
「そうなんだ…」
それだけ言ったところで、練習再開の声が聞こえた。
それから数日間、毎日なっつんはその匂いを纏っていた。
だんだん慣れてきて、その匂いを嗅ぐとあ、なっつんの匂いだな、と思うようになったけど、なんとなくモヤモヤした感じは続いていた。
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