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ある日のれんりく(結城蓮×咲間凉空)

LOVE only for u 9 (※)

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凉空side

ボーッとしてたら、いつの間にか車が走り続けている事に気づく。

「あ、あれ?そういえば今ってどこ向かってるの?」
「えっ、今さら?(笑)んーとね、2人きりになれそうな場所」

えっ…!?
どこだろ…。
て、いうか駐車場で話すのかと思ってた…!

だんだん車通りが少なくなってきた。
夕暮れが眩しい。

キッ。
車が止まった。

「つーいた」
「え、ここ?」
「うん。ここなら人目気にせず話せるでしょ?」

錆びた建物が周りにあって、人のいる感じはしない。

「確かに人いないけど…わざわざこんなとこまで…ぅわ!」

グン!とシートを倒される。

すぐに上にのしかかる御門くん。

「え、なに、!?」
「咲間くんさぁ…一回俺、見逃してあげたのに。なんでまた捕まりにくるの?」

怒られちゃうよ?彼氏の結城蓮に、さ。

「な、なんで、それ…」
「なんでって…結城蓮と付き合ってんでしょ?今さら隠さなくていいって」

自分の一番の秘密をアッサリ暴露する御門くん。
ドッと冷や汗が出る。

「大丈夫、他言はしないよ」

結城蓮との事とかどうでもいいしね。

そう言いながら、キスしようとしてきて。

「わ!なに!?やめて!」
「咲間くんさ…こんな、車にまで乗ってきといてそれはないでしょ。襲われかけた相手の車にさぁ」
「え?襲われかけた?御門くんに?」

「また来たってことはOKってことでしょ?」
「な、なになに!?違う!」

俺はただ、あの日なにがあったか知りたくて!

必死に御門くんの顔が近づくのを阻止しながら言う。

「なにがあったかって…結城蓮から聞いてないの?」
「え、うん…」

「かわいそー。じゃあ帰ったら急にバコバコ犯されたんだ」
「なっ…!」

なんで知ってるの!?エスパー!!?
そんな馬鹿な言葉は飲み込んだ。

「てか、もう俺我慢できねーなぁ」
「ひ…っ!ぅ、ぁ…」

グッ!と腕を上に押さえつけられて、耳を舐めてきた。
ゾクゾクっと、体に刺激が走る。

『やばいやばいやばい…!』

あの日はさぁ、と耳や首を舐め回しながら御門くんが言う。

「結城蓮から電話かかってきたのよ。で、出たの。」
「なんで出るのっ…」
「ん?ずっと鳴っててうるさかったからさ、」

悪びれる様子もなく言う御門くん。

「んで、凉空どこだって言うから、声聞かせてやろうと思って」

「んっ…!」
顎を掴まれ、御門くんの唇が重なる。

頭がパニックになって、口内で暴れ回る御門くんの舌をどうすればいいか分からない。

「んっ…んく、ん、んむぅっ…!!」

散々唾液を飲まされたけど、やっと頭が少し正常になったからガリッ…!と御門くんの舌を噛んだ。

「…っ!」

少し血が出てる。

「そのヤラシイ声を聞かせてやったんだよ」
「!!?」

な、に?蓮に聞かせた??
じゃあ、蓮の聞いてる前でキスされたってこと…?

それを聞いた時の蓮の気持ちがぶわ、と憑依する。

………きっと辛くて、苦しくて、胸が張り裂けそうだったはず。
想像したら涙が出てきた。

「ひどい…!何でそんなこと…!」
「ひどいって…咲間くんが誘ったんじゃん」
「はぁ???」

誘うわけないし…!

「それに俺、ひどいとか言われる筋合いないけど。だって、据え膳だったのに襲わなかったんだからさ」

グイッとズボンが、半分ほど下げられる。

「や…!」

御門くんの手が、太ももをなぞりパンツの裾を捲る。

そして、股間に顔を埋めて際どい場所をペロリと舐められた。

「忠告までしてやったのにさ。ここ。俺のキスマ付けたんだよ?」

結城蓮、これも何も言わないの?
クスリと笑う御門くん。

そんなこと、蓮は何も言ってなかった。
なんで…どんだけ蓮を傷つければ気が済むの…!

「咲間くんがショック受けると思って言わなかったのかなぁ?さすが王子様は違うなぁ。」
「や、やめて…!なんでそんなことばっかりするの!?御門くんのこと友達だと思ってたのに…!」

「好きになっちゃったから、咲間くんのこと」
「!!!」
「気づいてなかったの?」

おでこにキスもしたのに?とおでこに触れる。

「だって…あれは友達としての…」
「んなわけねーだろ、どんだけ甘ちゃんなんだよ」

冷たく言い放つ御門くん。

「友達にこんな事するってまじで思ってんの?」
「ん!んぁ…ッ、やっ!やぁっ…!」

再び、激しくキスされて今度は体もまさぐられ始めた。

このままここで俺の事犯すの?御門くん…

一緒にダンス練習した事、撮影頑張ったこと、セリフ合わせしたこと…
楽しかったのに。友達になれたと思ったのに…!

「う、ぐっ…ふぇっ…ひっく…ひぐっ…」

思わず号泣し始めた俺を御門くんがびっくりして見つめる。

「お、れ…っ、御門くんっと…友達に…なれて、嬉しかった…のにっ…」

いつの間にか開放された両手。

止まらない涙をゴシゴシと拭き取る。

「あ~も~泣かないでよ…」
「だって……………」

「もー仕方ないなぁ……。これで分かったでしょ?いつでも襲われる危険性があるって事」

咲間くんは無防備すぎる。もっと気をつけなきゃ。
俺みたいなやつ、いっぱいいるよ?

御門くんがため息をついて、上から退いた。

「また、おあずけ食らっちゃったわ…」

帰ろっか。

御門くんは車を走らせた。




「ここでいいの?」
「……」

無言で頷く。

「咲間くん。いい?もし次なにかチャンスがあれば…絶対俺は遠慮しないよ?」
「そんなのないもん。俺は…蓮しか見てないから」

ふてくされて言う俺に、一瞬目を丸くして、ははっと笑った。

「結城蓮が羨ましいな」
頭をポンポンと撫でられ、そのまま俺は車を降りた。

じゃあ、またね。

御門くんの車が去っていく。

「…………………」

行かなきゃ。蓮のとこに。

踵を返して、蓮のマンションへ向かった。
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