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ある日のれんりく(結城蓮×咲間凉空)
LOVE only for u 3
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凉空side
今日はいよいよ最終話の撮影。
御門くんと一緒に仕事するのも最後かぁ~。
〝あいつのあの目、凉空に気があるじゃん〟
ふと思い出す蓮の言葉。
『ううん、そんなわけない!御門くんは演技でああいう感じにしたんだから…』
ブンブンと頭を振ってると、
「咲間くん、どうしたの?」
と御門くんがやってきた。
「なんでもないよぉ」
「そろそろ撮るって。行こう」
「うん!」
・
・
・
「咲間くん、御門くん今日でクランクアップです!ありがとうございました~!」
スタッフさんから花束をもらい、無事ドラマ撮影が終わった。
「いやー、視聴率も上々で2人の息もピッタリだったね!これからに期待してるよ!」
なんて監督から嬉しい言葉も貰って、達成感でいっぱい。
「打ち上げは銀座の~…」
スタッフさん達がお店を選んでくれている。
「咲間くん!」
「御門くん!お疲れ様っ!」
「咲間くん、ちょっと…いい?」
「ん、うん」
こっち、と手を引かれ人気のない所へ連れていかれた。
「咲間くん、俺、ずっと謝りたかったんだ。最初嫌味ばっかり言ってごめんね」
御門くんが頭を下げる。
「ううん、そんな気にしないで…!」
「俺…今回の仕事今まで一番楽しかった。咲間くんのおかげだよ。出来れば…これからも仲良くして欲しいな…なんて」
「御門くん…!」
なんて嬉しい申し出。
「俺も初めてのドラマ…緊張してたんだ…。でも、御門くんのおかげでとっても心強かったの。ありがとう!」
「咲間くん…!」
急にガバッ!と抱きしめられた。
「わわっ!」
勢いが強くて、後ろの壁に倒れる。
「み、御門くん…?」
あったかい…御門くんの胸の鼓動が聞こえてくる。
ギュウウ…と体の隙間が無くなるほど強い力。
えーと、嬉しいのハグ…だよね…?
「あ、ごめんね!急に抱きしめたりして…」
少し体が離れる。
「ううん!嬉しいとハグしたくなるよね!」
「えっ」
「俺も嬉しい!御門くんとこんなに仲良くなれるなんて!」
ギューッと抱きつき返した。
「……………………」
「御門くん?」
何も言わない御門くん。
顔を上げる。
『あ…………………』
俺を見ているギラリと光る御門くんの眼。
「咲間くんってさ…それ天然なの?」
グッと顎を掴まれた。
近づいてくる顔。
『あ……や、ば…………』
キスされる。
そう思った瞬間-----バタン!!!
誰かが後ろのドアを閉める音がして、パッと御門くんの手が離れた。
「「…………………」」
2人の間に流れる沈黙。
き、気まず…。
「咲間くん…」
「はいっ!」
急に呼ばれて、咄嗟に敬語になる。
「咲間くんさ、あんま可愛いのも気をつけた方がいいよ?」
「えっ?…わっ」
そう言って御門くんが俺のおでこにキスをした。
じゃ、俺先戻るねー。
手をヒラヒラして去る御門くん。
残された俺はヘナヘナとその場に座り込んだ。
『こ、腰抜けた……』
なに、今の?き、キキキキス……された???
『蓮の言ってたこと…正しかった…??』
うぅ~と恥ずかしさでパンクしそうな頭を抱えた。
御門side
やってしまった。
思わずおでこにキスをしてしまった。
柄にもなく、顔が赤くなる。
『なんであんな可愛すぎんだ、咲間くん』
この前のアドリブシーンの練習の時…
抱きしめた時のあのドキドキは間違いなく恋のそれだった。
男にときめくなんて。
信じられなかったし、認めたくなかったけどあのシーンが放送されて、咲間くんを見つめる自分を見て認めざるを得なかった。
『やばいな………』
もっと、咲間くんのこと知りたい…。
・
・
・
「「ドラマお疲れ様~!!!」」
カンパーイ!!!とみんなでグラスを掲げる。
隣にいる咲間くんのグラスにコンと軽く当てた。
「咲間くん、お疲れ様」
「う、うん。お疲れ様!」
さっきの事意識してるのか、ふいっと伏し目がちに話す咲間くん。
『なーんで、そこで顔赤くすんだって…。ほんとに無自覚なのか?』
赤く染る頬。恥ずかしそうに伏せる目。キュッと力の入る唇。…そして、時折見せる上目遣い。
どれもがあざとく、俺の下心を誘い込む。
『誘ったのは、そっちだから』
あいにく、俺はこういう飲みの場での立ち回りには慣れている。
そして俺はすぐに気づいた。
多分、咲間くんは酒強くない。
俺は、咲間くんにどんどん酒を進めた。
凉空side
飲んでも飲んでもすぐに追加されるお酒。
ハイペースで飲むみんなに合わせてると、気づいた時にはとっくにキャパオーバーしていた。
「咲間くん…大丈夫??」
「ん、……御門くぅん…」
「水、飲んで?ね?」
「ありがと……」
「あっ、零れてるよ!」
ガヤガヤとみんなが盛りあがる声が、ぼんやり聞こえる。
『帰らなきゃ……蓮に…怒られちゃう…』
そうは思っても、体は鉛のように重い。
「監督~!咲間くん、寝ちゃいそうなんで俺送ってきます!」
「お先失礼しますー!」
御門くんの声。
よいしょ。と担がれ、「ほら、歩ける?」と支えてくれた。
バタン。とタクシーに乗ると、その心地良さに睡魔が襲う。
そして、タクシーは走り出した。
今日はいよいよ最終話の撮影。
御門くんと一緒に仕事するのも最後かぁ~。
〝あいつのあの目、凉空に気があるじゃん〟
ふと思い出す蓮の言葉。
『ううん、そんなわけない!御門くんは演技でああいう感じにしたんだから…』
ブンブンと頭を振ってると、
「咲間くん、どうしたの?」
と御門くんがやってきた。
「なんでもないよぉ」
「そろそろ撮るって。行こう」
「うん!」
・
・
・
「咲間くん、御門くん今日でクランクアップです!ありがとうございました~!」
スタッフさんから花束をもらい、無事ドラマ撮影が終わった。
「いやー、視聴率も上々で2人の息もピッタリだったね!これからに期待してるよ!」
なんて監督から嬉しい言葉も貰って、達成感でいっぱい。
「打ち上げは銀座の~…」
スタッフさん達がお店を選んでくれている。
「咲間くん!」
「御門くん!お疲れ様っ!」
「咲間くん、ちょっと…いい?」
「ん、うん」
こっち、と手を引かれ人気のない所へ連れていかれた。
「咲間くん、俺、ずっと謝りたかったんだ。最初嫌味ばっかり言ってごめんね」
御門くんが頭を下げる。
「ううん、そんな気にしないで…!」
「俺…今回の仕事今まで一番楽しかった。咲間くんのおかげだよ。出来れば…これからも仲良くして欲しいな…なんて」
「御門くん…!」
なんて嬉しい申し出。
「俺も初めてのドラマ…緊張してたんだ…。でも、御門くんのおかげでとっても心強かったの。ありがとう!」
「咲間くん…!」
急にガバッ!と抱きしめられた。
「わわっ!」
勢いが強くて、後ろの壁に倒れる。
「み、御門くん…?」
あったかい…御門くんの胸の鼓動が聞こえてくる。
ギュウウ…と体の隙間が無くなるほど強い力。
えーと、嬉しいのハグ…だよね…?
「あ、ごめんね!急に抱きしめたりして…」
少し体が離れる。
「ううん!嬉しいとハグしたくなるよね!」
「えっ」
「俺も嬉しい!御門くんとこんなに仲良くなれるなんて!」
ギューッと抱きつき返した。
「……………………」
「御門くん?」
何も言わない御門くん。
顔を上げる。
『あ…………………』
俺を見ているギラリと光る御門くんの眼。
「咲間くんってさ…それ天然なの?」
グッと顎を掴まれた。
近づいてくる顔。
『あ……や、ば…………』
キスされる。
そう思った瞬間-----バタン!!!
誰かが後ろのドアを閉める音がして、パッと御門くんの手が離れた。
「「…………………」」
2人の間に流れる沈黙。
き、気まず…。
「咲間くん…」
「はいっ!」
急に呼ばれて、咄嗟に敬語になる。
「咲間くんさ、あんま可愛いのも気をつけた方がいいよ?」
「えっ?…わっ」
そう言って御門くんが俺のおでこにキスをした。
じゃ、俺先戻るねー。
手をヒラヒラして去る御門くん。
残された俺はヘナヘナとその場に座り込んだ。
『こ、腰抜けた……』
なに、今の?き、キキキキス……された???
『蓮の言ってたこと…正しかった…??』
うぅ~と恥ずかしさでパンクしそうな頭を抱えた。
御門side
やってしまった。
思わずおでこにキスをしてしまった。
柄にもなく、顔が赤くなる。
『なんであんな可愛すぎんだ、咲間くん』
この前のアドリブシーンの練習の時…
抱きしめた時のあのドキドキは間違いなく恋のそれだった。
男にときめくなんて。
信じられなかったし、認めたくなかったけどあのシーンが放送されて、咲間くんを見つめる自分を見て認めざるを得なかった。
『やばいな………』
もっと、咲間くんのこと知りたい…。
・
・
・
「「ドラマお疲れ様~!!!」」
カンパーイ!!!とみんなでグラスを掲げる。
隣にいる咲間くんのグラスにコンと軽く当てた。
「咲間くん、お疲れ様」
「う、うん。お疲れ様!」
さっきの事意識してるのか、ふいっと伏し目がちに話す咲間くん。
『なーんで、そこで顔赤くすんだって…。ほんとに無自覚なのか?』
赤く染る頬。恥ずかしそうに伏せる目。キュッと力の入る唇。…そして、時折見せる上目遣い。
どれもがあざとく、俺の下心を誘い込む。
『誘ったのは、そっちだから』
あいにく、俺はこういう飲みの場での立ち回りには慣れている。
そして俺はすぐに気づいた。
多分、咲間くんは酒強くない。
俺は、咲間くんにどんどん酒を進めた。
凉空side
飲んでも飲んでもすぐに追加されるお酒。
ハイペースで飲むみんなに合わせてると、気づいた時にはとっくにキャパオーバーしていた。
「咲間くん…大丈夫??」
「ん、……御門くぅん…」
「水、飲んで?ね?」
「ありがと……」
「あっ、零れてるよ!」
ガヤガヤとみんなが盛りあがる声が、ぼんやり聞こえる。
『帰らなきゃ……蓮に…怒られちゃう…』
そうは思っても、体は鉛のように重い。
「監督~!咲間くん、寝ちゃいそうなんで俺送ってきます!」
「お先失礼しますー!」
御門くんの声。
よいしょ。と担がれ、「ほら、歩ける?」と支えてくれた。
バタン。とタクシーに乗ると、その心地良さに睡魔が襲う。
そして、タクシーは走り出した。
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