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ドリストの日常〜epilogue〜

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「では、テレビ初披露の新曲歌っていただきましょう!Dream Storyで“Be shine“」

スポットライトがステージを照らすと同時に客席で歓声が沸き起こる。

「~~♪」
イントロが流れ、長身の男たちが動き出せばファンはもちろん釘付け、テレビの前の視聴者も思わず手を止めて目を奪われるパフォーマンス。

歌唱力、ダンススキル、ビジュアル…全てがハイスペックな男性アイドルグループ《Dream Story》。

2年前に彗星の如く現れた彼らは、名の知れぬ弱小事務所からデビューし、瞬く間にスターへと駆け上がった。

それぞれが華々しい才能を持ち、個々に輝くアイドル。
男女問わず世間を虜にするのに時間はかからなかった。

デビュー曲“Start Line”がリリースされると一気にミリオンヒット、そのまま2曲目の“No limit”、今回の新曲であり3曲目のシングル、“Be Shine“もミリオンヒットを飛ばし快進撃は止まらない。

湊谷悠里、結城蓮、咲間凉空、夏目理人、椎葉亮太、七瀬葵、城崎遥陽。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの今最もキてる7名。

そして、忘れてはならないのが彼らのマネージャーの神宮寺 瑠衣である。
弱小事務所を立て直すため、全国からこの7人をかき集め、圧倒的マネジメント力でわずか結成3年でデビューにこぎつけた。
そして、巧みにデビュー前に番宣し見事、デビューと同時にこの爆発的大ヒットである。
彼らの縁の下の力持ちであり、まさにDream Storyの生みの親だ。

28とは思えない童顔でメンバーからは瑠衣くんと慕われている。

------
「お疲れ様ー!今日のパフォーマンスもバッチリだったよ!」
楽屋で待っていた瑠衣くんが、入ってきた7人に声をかける。

蓮「おつかれーっす」
遥陽「瑠衣くんおつー。お、カフェラテある。ラッキー」
凉空「生放送緊張したぁ!」
ななちゃん「やっぱ何回やっても生は緊張するよね~」
しーくん「ねぇ!俺ちょっとフリ、ワンテンポ早くなったとこあったの!気づいた?笑」
なっつん「サビ入りのとこね笑気づいた」
悠里「この後まだ予定ある?瑠衣くん」

みんな口々に喋って一気に楽屋が賑やかになる。

「今日はもう終わりだよ!朝から忙しかったね~、みんなゆっくり休んでね」

遥陽「やった~。ななちゃん帰ろ」
ななちゃん「うん!」
瑠衣くん「全員分タクシー呼んどいたよ!」
凉空「さすが、瑠衣くん。仕事早ーい♡」

パパッと手際よく準備し、「お疲れ様~」と遥陽とななちゃんが帰ってく。

蓮「凉空、今日飯一緒食お?」
凉空「いいよ!」

なっつん「じゃあ俺もそろそろ帰ろ」
しーくん「お疲れ様~」
悠里「みんなお疲れ様」

ぞろぞろとメンバー達が帰っていく。

遥陽とななちゃんは家が近所なのもあって、仕事終わりが被った時はいつも一緒に帰る。
蓮は大体仕事終わりは凉空をなにかしらに誘う。
なっつん、しーくん、悠里はそれぞれ家に帰ることが多い。


瑠衣side

『みんなホント仲良いなぁ』しみじみ思う。
彼らの人気の理由の一つである、滲み出るメンバー間の仲の良さ。
それぞれが個性的なのに、誰もグループの輪を邪魔してない。
それどころか、お互いの良さを引き出せていてとてもバランスがいい。

表だけのビジネスフレンドじゃなく、裏でもこれだけ仲のいいアイドルは珍しいだろう。

『やっぱドリストは最高!』
1人でにんまりして、早速仕事に取りかかった。
 
ソファに腰掛け、明日のスケジュールの最終確認していると
ガチャ。
不意に扉が開いた。

ゆうるいside

「あっ悠里」
「忘れ物しちゃって。瑠衣くんまだ帰らないの?」
「もうすぐ帰るよ!」
「そっか。…じゃあ、俺待ってようかな」
「えっ?」
「ダメ?」
「え、ーっと、」
多忙なんだから少しでも早く休んで欲しい。
マネージャーとしてはそう思うが、こんなイケメンにダメ?と小首を傾げながら言われて、断れる人がいるのか。いや、いない。
「ダメじゃないよ!すぐ終わらせるね!」
慌てる瑠衣を、優しい瞳で見つめる悠里。
『可愛いなぁ』
そんな事を思っている悠里の視線に今はまだ気づかない。

- - - - - - - - -▷◁.。
はるななside

帰りのタクシー内。
ななちゃん「あっ、瑠衣くんからメッセだ。明日も朝早いね~」
遥陽「俺起きれるかなぁ…」
「モニコするから大丈夫だよ」
産まれた時から家族ぐるみで仲のいい幼なじみの2人。
朝に弱い遥陽が遅刻ゼロなのは、ななちゃんのおかげである。

「ななちゃ~ん」
189cmの長身を折り曲げながら、ななちゃんの膝に頭を乗せる。
甘い声で聴く人を魅了するリードボーカル。
イケメンだけど、あまり感情の表現がなくどこか淡白そうに見える遥陽。

そんな彼が2人きりの時にとんでもなく甘えたになるのは、
『俺しか知らないだよなぁ…』
ななちゃんは大きいワンコのような遥陽の頭を撫でる。

「は~…ななちゃんの手落ち着く……」
「ふふ。家に着くまで寝てな?」
「…ん」
すぐにスースーと寝息を立てる遥陽。
そんな遥陽を見てななちゃんもそっと目を閉じた。


- - - - - - - - -▷◁.。
れんりくside

「蓮~今日は何食べる?」
蓮の家の近くのスーパーで2人でお買い物中。
「カレーとかどう?」
「最高!」

家に着き、早速キッチンへ。
2人とも料理はそんなに得意では無いものの2人でやるのが楽しくてこうしてよく一緒に料理を作る。

「う~目がしみるぅ…」
凉空が玉ねぎを切りながら、ポロポロと涙を流す。
「わっ、凉空大丈夫?」
そっと蓮が凉空の涙を手で拭った。
「ん、大丈夫…ありがとぉ」
口角のきゅっと上がったアヒル口を更に上げてニッコリ笑う凉空。

「………」
蓮は拭った涙を、洗い流すわけでも拭き取る訳でもなくただゆっくり自分の指に馴染ませた。

「ねぇ、蓮。そろそろ野菜入れていい?」
「あ、うん」
凉空の声でハッとし、肉を炒めていた手を動かす。

「玉ねぎさ、ちょっと雑になっちゃった」
てへへと笑う凉空に蓮は「全然上手じゃん」と言って微笑んだ。


- - - - - - - - -▷◁.。
りひしいside

「あ、ちょっとそこで降ろしてください」
家に着く前にデパートの前で降りるなっつん。

向かう先はよく行く本屋だ。
頭のいい彼は読書が趣味で、こうしてフラッと本屋に立ち寄っては色んな分野の専門書をよく買う。

『今日はこれとこれと……』
ふと、いつもは見ないコーナーの表紙が遠目に目に止まった。

『犬………』
手に取ってみると、ペット特集のされた雑誌。
可愛いポメラニアンが表紙いっぱいに印刷されており、思わず目が離せない。
そしてなぜか、一瞬しーくんの顔が頭をよぎる。
『俺ってこんなに犬好きだったっけ…?』
そうは思いつつ、とりあえずそのまま手に取りレジへ向かった。
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