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第一章 冒険者パーティー追放

第六話 呪いの少女3

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 ダンジョンに入ってからすぐに戦闘となった。

 モンスターは全て人型のスケルトン、武器はなし。

 但し、その数約二十体。

 その数が俺目掛けて向かってくる。

「入ってからまだ一分もたってないのにこれかよ~、さすが難関ダンジョンだ!」

 俺は少しため息混じりにそんなことを言ってみる。

 今までまともな戦闘経験かない俺。

 力に目覚めてからその訓練で少し戦闘などはしたが、その後はガイルたちのパーティーへ入り、サポート。

 そのために戦闘をすることなどほとんどなかった。

 だから最初は肩慣らし位の戦闘を望んでいたのだが、

「仕方ないか、シルフ行くぞ!」

「はい、ご主人様」

 俺は風の精霊王シルフの力を借りることに。

 それとは別に空間の精霊王スパティーロスの力を使い、異空間収納から剣を取り出す。

 この異空間収納はガイルたちのパーティーにいたときから使っていた物だ。

「さてさて、ではまずは、風撃ふうげき

 風による正面からの攻撃を当てる。

 だがものともしない。

「さすがだな」

 モンスター数だけではなく能力値もかなり高いようだ。

 なら、

「アクセル、斬撃強化、強度アップ、身体強化、風爆」

 俺は自身と剣に強化魔法を掛けて、風魔法を自身の後方をへ発動し爆発、正面への突進力を上げて突撃。

 その勢いを合わせて剣で斬りつける。

 それにより半分以上のスケルトンを撃破。

 だが倒し切れなかった数体が少女の元へと向かっている。

「ウイングカッター!」

 複数の風の刃がスケルトンたちに命中し一撃で撃破。

 最初の戦闘は無事に終了となった。

「アルク様お見事にございます」

 俺の耳もとで水の精霊王ウンディーネが称賛の声を掛ける。

 それに、

「ご主人様さすがでーす」

 シルフ、

「さすがですわ、アルク様!」

 センクー、

「やるじゃねーか!」

 スパティーロスたちも俺に称賛の声をくれる。

 そして、

「凄いです! あんな数のモンスターを一瞬で倒すなんて、お兄さんは凄腕の冒険者なのです?」

「違うよ、俺は、ただのDランク冒険者の端くれさ」

 少女の頭を撫でてあげながら照れてるところを隠す。

 たった一回の戦闘でここまでの言葉をかけてもらえるとは思わなかった。

 俺からしてみたらこの程の事でと考えていたのだが、他の皆からしたら凄いことだったらしい。

 それから暫くの間同じような戦闘の繰り返しとなったが奥に進むにつれてその数は少しずつ増えていき、今現在その数は四十体にもなっている。

 目の前に埋め尽くされたモンスターたち。

「うへ~」

 めんどくさい。

 一撃で倒せるモンスターたちだとしても十回近い戦闘とこの数、さすがにめんどくさくなってくる。

 しかもそのほとんどが少女目掛けて襲ってくるのだからより面倒だ。

 そんなモンスターたちを剣で切り伏せつつ風魔法で雑魚たちを倒して行く。

 そして、俺たち大きな門の前へとやってきた。

 このダンジョンに入ったと同じ大きさの扉。優に二十メートルほどはあるかと思う。

 そして、その隣に立つ剣を持った骨の巨人。

 正直嫌な予感しかしない。

 俺が門へと一歩近づこうとしたその時、

「挑戦者よ、我何用でこの門をくぐろうとする」

 骨の巨人より質問が飛んでくる。

 それに対して俺は、

「ダンジョンの最奥にある薬草を取りに来た」

「汝、なぜ薬草を欲する」

「少女の呪いを解くためだ!」

「なら、力を示せ」

 俺の言葉に対する返答と共に左右に立っていた骨の巨人の両方が動き始める。

 足を一歩前に踏み出すごとに大きな地響きがする。

 片手で十メートルはあろうか思う剣を持ち、俺に向かってきた。

 あんな細い骨のどこにそんな力があるのか? 少し疑問でもあったが、

「君はここに隠れていてね」

 少女を岩影に隠して俺は骨の巨人へと向かって行く。
  
 骨の巨人が俺に向かって大きな剣を振り下ろしてくる。

 それを、

「テレポート」

 空間移動の魔法を使い避けて背後へと移動。

 それに気づいたもう一体が俺を捉えようと腕を伸ばしてくる。

 だが、その腕に対して、

「フライ」

 飛行魔法で体勢を維持、そんのまま回避する。

 だが、俺が片方の骨の巨人に意識が向いている隙に、もう一体の骨の巨人が飛んでいる俺に剣を振り下ろしてくる。

 だがそれを、空中で剣で受け止める。

「なに!」

 剣を振り下ろした骨の巨人が驚きの声を上げる。

「どうかしたか?」

 大きさにかなりの差がある俺と骨の巨人。力の差は歴然。

 そんな相手に自分の攻撃が完全に受け止められたのだからいくら骨でも驚くだろう。

 それにだ、この骨の巨人が驚いているのは他にもある。

 それ後方から攻撃を仕掛けてきていたもう一体の骨の巨人を目の力だけで止めていたことだ。

 俺に睨まれたことで動けなくなっている。

「何者だ!」

「別にただの冒険者だよ! Dランクのな」

 俺は剣を押し返し骨の巨人の体勢を崩させる。

 そしてその間にスケルトンの弱点でもある首の骨に一撃与えて倒す。

 それを見てやはりサイズは変わってもこいつらもスケルトんと同じ存在であると思えた。

 そして、体勢を崩していたもう一体の巨人が体を起こそうとしていたので近づき首の骨に一撃。

 それにより撃破した。

「ふぅ~」

 俺は戦闘の終了と同時に地面へと降りる。

「もう大丈夫だよ」

 少女の隠れている岩陰に声を掛ける。

 そこから出てきて俺に抱き着いてくる少女。

「お兄さん、すごく強いです! あんな大きな骨に勝つなんてビックリしましたです!」

「そうか? 君は俺が負けると思ったのかい?」

「え~~~~~~と、少し思いました。あんなに大きなモンスターに勝てるはずがないって、だから少しこわかったです」

「うん、そうだね。でもお兄さん凄く強いから安心してね、よしよし」

 俺は目から涙をこぼす少女の頭を撫でてやりながら慰める。

 そんな少女のことを可愛いと思ってしまう俺。

 そんなとき、

「汝に資格を認める」

 後方より声がしたと思い振り返る。

 すると、そこには先ほど倒した骨の巨人が復活していた。

「え~~~~~~~~~~~~~!」

 驚いた。

 弱点を突いて確実に倒した。

 復活などありえないはずなのに。

「何を驚く。我々は門の番人だ! 絶対復活のスキルを与えられている。誰に倒されようと復活するのだ。だが汝と戦うことはもうない。汝は我々を倒しこの先に進むための資格をえた。通るがよい」

 二体の骨の巨人の手によって大きな扉が開かれる。

 その先に広がる大きな空間。

 俺はその門をくぐり先へと進むのであった。
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