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魔族決戦編 第二章 魔王
第157話 魔王城戦5
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戦闘が終了してしばらくして、俺達は魔王のいる部屋へとやってきた。
「待っていたよ、勇者殿」
薄暗い部屋で俺達を見下ろすような形で椅子に座っている魔王。
「さすがにあの者達ではあなたを止めることは出来ませんでしたか。出来れば奥の手だけでも見たかったのですがね」
あたかも先ほどまでの戦闘を見ていたような話し方をしている。
「ですが、今のあなたで私には勝てませんね」
「面白いことを言うな、何を根拠にそんなことを言っているんでしょうね」
「さっきまでのあなた方の戦いをですよ。それに昔やりやった勇者の情報も入ってますがね。あのときは私が甘く見ていたからやられました今回はそうはいきませんよ」
「そうですか、なら一対一での手合わせをお願いしてもいいか?」
「ケンイチ! 相手は魔王なんだから四人で相手しないと」
俺の言葉に対してシェリーがすぐさま反応する。だが、
「悪いな、さすがにお前達三人をかばいながらあの魔王に勝てる自信がないだよ」
正直自分でも弱気なことを言っているのは分かっている。だが、正直魔王からあふれ出している気を見るだけで強さの大体は手に取るようにわかる。全力を出しても勝てるかどうか微妙なところ、相打ち覚悟で行くしかない。俺は、ここで死ぬ覚悟をこの部屋に入ってきた瞬間に決めていた。
「でも」
シェリーが何かを言おうとした瞬間、
「分かった。二人のことは私が見てるから、お兄ちゃんは気にせず全力で戦って」
「助かる」
俺はミカに笑顔を一瞬だけ見せて魔王へと向き直る。
「もう話しは終わったか? こちらとしても一対一での戦闘を望んでいたことだからな」
自身に満ちた顔。俺の中で恐怖と思える感情があふれてきた。
ゆったりと椅子から立ちあがりこちらへと降りてくる魔王。
俺もそれに合わせて剣を構える。
今回は最初から全力で行く。そのため腰に氷魔剣と剛炎剣を下げて逆方向に刀を下げる。
今か構えているの刀。薄っすらと気を纏わせて魔法攻撃がいつ来ても対処できる体勢を取りつつ集中力を高めてゾーンへと入っていく。
「そんなに、身構えなくても大丈夫だよ。不意打ちみたいな形で勝負を決めるのはこちらとしても不本意だからね」
一歩ずつゆっくりと近づいてきている魔王は余裕に満ちた声で言ってきた。
だが、俺の中でその声すらすでに届いていなかった。ゾーンに周囲の気の探知など、俺自身の全てを開放しきっている状態になるまで意識を集中していた。そのため魔王の言葉など一切聞こえてこない。
「すごいね! 既に私の声は届かないくらいに集中しているのかい。 さすがその年でSランク冒険者のトップに立つだけのことはあるよ。これは面白くなりそうだね」
腰に下げているか剣に手を伸ばす魔王。
「そこに君達、合図をお願いしていいかな?」
魔王はケンイチと向かい合わせになって立ち止まると部屋の入り口近くにいたミカ達に声をかけてきた。
これを断るという選択肢はミカ達にはなかった。もし断ったりしたら何をされるかわからない。そんなことになったらケンイチに迷惑が掛かってしまう。
「分かりました」
ミカは一言答えた。
「君達の好きなタイミングで合図を出してくれたらいいよ。ケンイチ君もそれでいいね」
だが、何も答えないケンイチ。それだけ集中している。
そして、
「魔王VSケンイチ! 試合開始!」
ミカの掛け声とともに戦闘が開始された。
「待っていたよ、勇者殿」
薄暗い部屋で俺達を見下ろすような形で椅子に座っている魔王。
「さすがにあの者達ではあなたを止めることは出来ませんでしたか。出来れば奥の手だけでも見たかったのですがね」
あたかも先ほどまでの戦闘を見ていたような話し方をしている。
「ですが、今のあなたで私には勝てませんね」
「面白いことを言うな、何を根拠にそんなことを言っているんでしょうね」
「さっきまでのあなた方の戦いをですよ。それに昔やりやった勇者の情報も入ってますがね。あのときは私が甘く見ていたからやられました今回はそうはいきませんよ」
「そうですか、なら一対一での手合わせをお願いしてもいいか?」
「ケンイチ! 相手は魔王なんだから四人で相手しないと」
俺の言葉に対してシェリーがすぐさま反応する。だが、
「悪いな、さすがにお前達三人をかばいながらあの魔王に勝てる自信がないだよ」
正直自分でも弱気なことを言っているのは分かっている。だが、正直魔王からあふれ出している気を見るだけで強さの大体は手に取るようにわかる。全力を出しても勝てるかどうか微妙なところ、相打ち覚悟で行くしかない。俺は、ここで死ぬ覚悟をこの部屋に入ってきた瞬間に決めていた。
「でも」
シェリーが何かを言おうとした瞬間、
「分かった。二人のことは私が見てるから、お兄ちゃんは気にせず全力で戦って」
「助かる」
俺はミカに笑顔を一瞬だけ見せて魔王へと向き直る。
「もう話しは終わったか? こちらとしても一対一での戦闘を望んでいたことだからな」
自身に満ちた顔。俺の中で恐怖と思える感情があふれてきた。
ゆったりと椅子から立ちあがりこちらへと降りてくる魔王。
俺もそれに合わせて剣を構える。
今回は最初から全力で行く。そのため腰に氷魔剣と剛炎剣を下げて逆方向に刀を下げる。
今か構えているの刀。薄っすらと気を纏わせて魔法攻撃がいつ来ても対処できる体勢を取りつつ集中力を高めてゾーンへと入っていく。
「そんなに、身構えなくても大丈夫だよ。不意打ちみたいな形で勝負を決めるのはこちらとしても不本意だからね」
一歩ずつゆっくりと近づいてきている魔王は余裕に満ちた声で言ってきた。
だが、俺の中でその声すらすでに届いていなかった。ゾーンに周囲の気の探知など、俺自身の全てを開放しきっている状態になるまで意識を集中していた。そのため魔王の言葉など一切聞こえてこない。
「すごいね! 既に私の声は届かないくらいに集中しているのかい。 さすがその年でSランク冒険者のトップに立つだけのことはあるよ。これは面白くなりそうだね」
腰に下げているか剣に手を伸ばす魔王。
「そこに君達、合図をお願いしていいかな?」
魔王はケンイチと向かい合わせになって立ち止まると部屋の入り口近くにいたミカ達に声をかけてきた。
これを断るという選択肢はミカ達にはなかった。もし断ったりしたら何をされるかわからない。そんなことになったらケンイチに迷惑が掛かってしまう。
「分かりました」
ミカは一言答えた。
「君達の好きなタイミングで合図を出してくれたらいいよ。ケンイチ君もそれでいいね」
だが、何も答えないケンイチ。それだけ集中している。
そして、
「魔王VSケンイチ! 試合開始!」
ミカの掛け声とともに戦闘が開始された。
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