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冒険者 1

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 日向達四人と別れた俺達はこの街にある冒険者ギルドへと向かっていた。

 この世界での生活。

 元の世界へ戻り方を調べるにしろ、何をするにしろ金を稼ぐしかない。

 そのためには冒険者なって仕事をするのが一番手っ取り早い。

 この考えが俺以外の三人も同じであった。

 やることは神の頃の仕事とそんなに変わらないだろう。どちらかと言うと冒険者の仕事の方が簡単な位だろう。

「優輝は、冒険者になってこれからどうするの?」

「どうするかは決めてないが、何らかの手掛かりはつかめるのではないかと思ってるよ」

「手掛かりですか?」

「ああ、この世界から元の世界へと戻る方法、それが冒険者としての仕事の中にあると思う。正確に言えば冒険者としての仕事と国王からの指示の中にだろうがな」

「国王の指示に従うだけではだめなの?」

「ダメだろうな。あのじじいはそのあたりのことについては何にも知らないと思う。だが、その近くには俺達をこの世界に連れてきた何者かがいるはずだ。そいつに近づくか、この世界の心理に近づけば自然と分かってくるだろう」

「そうだね」

 フィートやレナと話しなが歩いていたのだが、リナだけは違っていた。

 俺達の後方を歩いているリナ、初めて見る街並みに興奮を抑えられずハイテンションで目を輝かせながら着いてきていた。

 そんなリナを見て、

「これリナ! 優輝が今後のことの話をしているのですから、あなたも話を聞きなさい」

「別にいいよ~ 私難しい話し聞いても分からないし。そういうのは優輝とフィートに任せるよ」

「リナ!」

「きゃ~~! 鬼が怒ったよ~」

 リナとフィートのやり取りを見ているといつもの日常風景のように感じる。

 四人で神の仕事に出かけた帰り、テンションが上がってふざけるリナに対して真面目なフィートが怒る。そんなフィートをちゃかして逃げるリナ。

 それを見て笑っている俺とレナ。

 こんな風景が日常に戻ってくるようにまずは、冒険者になるしかないんだよな。

「着いたぞ」

 俺達の目の前には大きな扉。冒険者ギルドサーム王国本部へと到着した。

 目の前の扉からは多くの人が出入りを繰り返している。

 この世界の建物はこの国の城や街の中にある物しか見ていないため大きいのかどうかは分からないが、それなりの建物だと言える。

「ここが冒険者ギルドなの?」

「そのようだな」

 扉より出入りする者達の装備や体格を見ているとそれがすぐにわかる。

 鍛えられた体に腰に下げた剣。

 銀色の鎧に身を包む者。

 大きな帽子をかぶり杖を持つ者など様々ではあるが全ての特徴が冒険者のそれと合致している。

 冒険者ギルドであると確証を得て目の前の扉を開くとその中は多くの冒険者であふれかえっていた。

 ギルド内を見渡すと、受付のカウンター、依頼を受けるための掲示板、食事に酒を飲む酒場など冒険者ギルドをイメージしていた通りの光景がそこにはあった。

 ただ一つ俺のイメージと違ったのは、このギルドは三階建てとなっており上の階に行くほど人が少なくなっていた。

 俺は目的の場所はどこにあるのか見渡していると、他のクラスメイト達が一列に並んでいる場所がある。

「俺達も並ぶぞ」

「了解!」

 受付でギルドカードと呼ばれる物を次々に受け取っていくクラスメイト達。

 そして並び始めて三十分、やっと俺達の番がやってきた。

「ようこそ冒険者ギルドへ! 本日はどのようなご用件でしょうか?」

「冒険者登録をお願いいたします」

「かしこまりました。ではこちらの水晶に手をかざしてください」

 俺達は指示に従い水晶に手をかざす。

 すると、

「Dランク……皆様がお城より報告を受けております勇者様でございますか」

 城よりの報告? なんのことなの全く分からない。

「申し訳ございません。この冒険者と言うお仕事は危険と隣り合わせにございます。大変申し上げにくいのですが勇者様四名様におかれましてはDランクの中でステータスがとても低くおられます。お城の方よりもあなた方こちらへ来た際には何か他の職業を進めるように指示を受けております」

「そのあたりに関しては理解しておりますのでこのまま手続きをお願いします」

「かしこまりました。ただこちらといたしましてもみすみす殺すようなことを出来ませんのであなた方には通常時冒険者登録の際に行わせていただいてます適性試験をお受けしていただきます」

 水晶でも俺達が隠蔽のスキルで変更したステータスは通用している。ただ、少し低く設定しすぎたと少し後悔してしまった。

「分かりました。その適正試験を受けさせてください」

「かしこまりました。では私に着いてきてください」

 女性の後ろに着き、ギルド地下へと案内されてきた。

 そこには魔法などの練習で使われるであろう丸い的と試合を行うための闘技場が用意されていた。

 お姉さんが案内してくれたのは魔法の練習などで使われる丸い的のある練習を場所であった。

「まず、こちらで皆様の戦闘力を計らせていただきます」

「戦闘力ですか?」

「はい! 近接戦、遠距離魔法まど戦闘方法は皆様バラバラかと思いますので、自身が一番得意な方法で目の前にあります的へ攻撃を行ってください。その攻撃が的へと命中すれば的の上に数値にて表示されるようになっております」

 なるほどねと、俺達四人はニヤリと笑うのみだった。
 
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