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33.魔王ドーデモードの呪い③
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「ええっと、それじゃあ、失礼しまして、…」
ドーデモードは若干緊張しながら、発言が失礼で見た目極上の美女たちに近づき、…なんでこっちが遠慮しなきゃならんのだ、と思い直して、
「先ずはお前を慕っているという女どもをグチャグチャのドロドロにしてからだ!」
魔王らしい威厳に満ちた声音を意識しながら言い放つと、ガマニエルが差し出してきた美女たちを魔草で吊し上げた。
「ぎいゃあああああ―――――っ」「うをぉおおおおお―――――っっ」
突如現れた巨大でおどろおどろしい不気味な魔草の茂みに吊るされたアマリリスとアネモネは、外見に反した野太い悲鳴を上げた。魔草はそれ自体が意思あるもののように触手のような蔓を伸ばし、アマリリスとアネモネの身体に巻き付いて、ぎっちりと縛り上げていく。
「何するのっ」「来ないで」
恐れおののく二人を嘲笑うかのように、無数の蔓が狙いを定めて四方八方から腕、足、胴にまとわりつき、
「いいやあああああ―――――っ」
体内に侵入せんとばかりに、身体にある穴という穴めがけて襲いかかる。
「フハハハハ、恐怖と屈辱に悶えるがいい!」
血も涙もないのが魔王。
美女たちが恐怖の叫び声を上げるのは痛快だ。
「あ、いやっ、ちょっとっ!」「やだやだ、どこ触ってんのよっ」
アマリリスとアネモネは蔓の攻撃から逃れようと身体をくねらせ、嬌声を上げた。
「な、…なんか、ちょっと、やらしくないっすか、アニキ」
「……。」
マーカスが生唾を飲み込む通り、ドレスの隙間から侵入した蔓が穴を侵す様は、所謂触手責めを連想させる、というか、触手責めそのものというか、要するに体の良い見せ物に他ならなかった。
「魔王様、魔王様」「犯して喰っていいんでやすかっ」「こいつら、月皇子の土産物ってことでやすよねっ」
ゴブリンABCの鼻息が俄然荒くなり、舌舐めずりをしながらアマリリスとアネモネに近づいていく。
「いやいや、ガマニエル様っ」「助けてっ! 助けて下さいっ!」「わたくしたちはハンサムメンしか受け入れてないのよっ」「こんな得体の知れない魔物お呼びじゃないわっ」
アマリリスとアネモネは必死の形相でガマニエルに助けを求める。
巻き付かれた蔓に身体の自由を奪われ、これ見よがしに魔草に吊られて、はだけたドレスからは雪のように白いもち肌が露わになっている。それを魔界のグロテスクな魔物たちに好きなようになぶられようとしている。
「失礼でやんす」「これでも魔界男子の抱かれたい男ナンバー67位でやんす」「因みにエントリーは70でやんすが」
「そんな微妙な地位の男、嫌よっ」「いっそ、最下位の方が清々しいわっ」
二人の抵抗も虚しく、ゴブリンの長い爪がアマリリスの白い足を掴み、ゴブリンの長い舌がアネモネの細い首筋を這う。ゴブリンは美女を犯して喰らうことを生来の喜びとする。
「いやああああああっ」
アマリリスとアネモネが絶望の叫び声を上げるが、その悲鳴はゴブリンたちをますます喜ばせるだけだった。絶望、それは興奮を高める最高のスパイス。見るからに鼻息が荒くなり、歪んだ口からは尖った牙がのぞき、よだれを滴らせ、美女を掴む手にも腕にも強大な力が宿る。
「ガマニエル様っ」「ガマニエル様―――――っ」
その美しい顔が涙と鼻水で汚れるのも構わず、無用なプライドをかなぐり捨てて、必死で泣き叫ぶ美女二人。
「アニキ、…」
彼女たちを助けるべきなのか否か、マーカスには判断が出来かねた。アニキには何か、考えがあるのか。
見るに堪えない様相を呈しているアヤメの姉たちを前に、ガマニエルは葛藤に揺れていた。こぶしを握り締める。
彼女たちは高慢ちきで虚栄心が強く、自分本位で末妹のアヤメを散々貶め傷つけてきた。彼女たちの贅沢な生活はアヤメを踏みつけにした上に成り立っていた。彼女たちが幸せをひけらかすたびに、アヤメはその小さな胸をどれほど痛めてきただろう。
因果応報だ。
それに、彼女たちは自ら望んでガマニエルに付いてきたのだ。上辺に騙され、真相を知ろうともしない愚かな女たち。ほんの少し容姿に恵まれたからといって、誰もが意のままに自分に跪くと思いこんでいる傲慢な人間。
自業自得だ。
けれど、…
『祭りが終わったら、早く魔界に行こう。早く生贄を捧げて、元の姿に戻ろう。
そうしたらきっと、ちゃんとアヤメに向き合える』
あれは俺の姿だ。
ほんの少し見た目が良かったからと言って、何もかもが意のままになると驕り高ぶり、その報いを受けた。本来の姿に戻るために生贄を必要としたのに、そこに現れたアヤメに恋をしてしまった。最愛のアヤメを捧げることなど出来るはずもなく、代わりを見つけた。醜い自分に自信が持てずに、他人を犠牲にして幸せを守ろうとしている。
あの、愚かで傲慢な人間は俺だ。
無残に侵され喰らわれるべきは俺自身なのだ。
《うげうおおおおおおおおおおおおお―――――――っ》
一瞬の後、ガマニエルに切り付けられた魔草が黒く不気味な断末魔を上げた。
ガマニエルの攻撃は迅速で的確で強力だった。魔草は散り散りに引き裂かれ、出現したときと同じく突如として茂みごと消失した。アマリリスとアネモネは宙に放り出され、ゴブリンの三つ子たちも転がりながら床に落ちてきた。マーカスが素早い動きでアマリリスとアネモネを受け止める。二人は恐怖と恥辱に動けなくなっている。
「い、…痛いでやんす」「何するでやんす」「いいとこだったのにでやんす」
ご馳走を目前で奪われ、ゴブリンたちがぶちぶち文句を言うと、
「ふ、…フハ――ッハッハッハ――――っ」
玉座にふんぞり返ってハラハラしながら、もとい、ウキウキしながら一部始終を見守っていたドーデモードが微妙に無理のある高笑いを漏らした。あー、ドキドキした。
「どうした、ガマニエル? 好きになぶっていいんじゃなかったのか。臆したか」
しかし、ガマニエルが抵抗したので自分を取り戻した。
そうだ。苦しめ。
最愛の女を奪われた痛みを知れ。屈辱に悶えろ。恨みを募らせ、闇に落ちるがいい。
「まさか、お前ほどの自己愛の塊が自分より大切な存在を見つけたのか」
嘲るようなドーデモードの言葉を聞いて、固まっていたアマリリスとアネモネが急速に覚醒した。
…え? ガマニエル様の大切な存在?
自分よりも? 命よりも?
ハニー? マイスイートハー? マイディア??
いやーん、照れるわっ
顔を赤らめながら乱れたドレスを直す姉姫たちを見て、女って強いなと思うマーカスであった。
ドーデモードは若干緊張しながら、発言が失礼で見た目極上の美女たちに近づき、…なんでこっちが遠慮しなきゃならんのだ、と思い直して、
「先ずはお前を慕っているという女どもをグチャグチャのドロドロにしてからだ!」
魔王らしい威厳に満ちた声音を意識しながら言い放つと、ガマニエルが差し出してきた美女たちを魔草で吊し上げた。
「ぎいゃあああああ―――――っ」「うをぉおおおおお―――――っっ」
突如現れた巨大でおどろおどろしい不気味な魔草の茂みに吊るされたアマリリスとアネモネは、外見に反した野太い悲鳴を上げた。魔草はそれ自体が意思あるもののように触手のような蔓を伸ばし、アマリリスとアネモネの身体に巻き付いて、ぎっちりと縛り上げていく。
「何するのっ」「来ないで」
恐れおののく二人を嘲笑うかのように、無数の蔓が狙いを定めて四方八方から腕、足、胴にまとわりつき、
「いいやあああああ―――――っ」
体内に侵入せんとばかりに、身体にある穴という穴めがけて襲いかかる。
「フハハハハ、恐怖と屈辱に悶えるがいい!」
血も涙もないのが魔王。
美女たちが恐怖の叫び声を上げるのは痛快だ。
「あ、いやっ、ちょっとっ!」「やだやだ、どこ触ってんのよっ」
アマリリスとアネモネは蔓の攻撃から逃れようと身体をくねらせ、嬌声を上げた。
「な、…なんか、ちょっと、やらしくないっすか、アニキ」
「……。」
マーカスが生唾を飲み込む通り、ドレスの隙間から侵入した蔓が穴を侵す様は、所謂触手責めを連想させる、というか、触手責めそのものというか、要するに体の良い見せ物に他ならなかった。
「魔王様、魔王様」「犯して喰っていいんでやすかっ」「こいつら、月皇子の土産物ってことでやすよねっ」
ゴブリンABCの鼻息が俄然荒くなり、舌舐めずりをしながらアマリリスとアネモネに近づいていく。
「いやいや、ガマニエル様っ」「助けてっ! 助けて下さいっ!」「わたくしたちはハンサムメンしか受け入れてないのよっ」「こんな得体の知れない魔物お呼びじゃないわっ」
アマリリスとアネモネは必死の形相でガマニエルに助けを求める。
巻き付かれた蔓に身体の自由を奪われ、これ見よがしに魔草に吊られて、はだけたドレスからは雪のように白いもち肌が露わになっている。それを魔界のグロテスクな魔物たちに好きなようになぶられようとしている。
「失礼でやんす」「これでも魔界男子の抱かれたい男ナンバー67位でやんす」「因みにエントリーは70でやんすが」
「そんな微妙な地位の男、嫌よっ」「いっそ、最下位の方が清々しいわっ」
二人の抵抗も虚しく、ゴブリンの長い爪がアマリリスの白い足を掴み、ゴブリンの長い舌がアネモネの細い首筋を這う。ゴブリンは美女を犯して喰らうことを生来の喜びとする。
「いやああああああっ」
アマリリスとアネモネが絶望の叫び声を上げるが、その悲鳴はゴブリンたちをますます喜ばせるだけだった。絶望、それは興奮を高める最高のスパイス。見るからに鼻息が荒くなり、歪んだ口からは尖った牙がのぞき、よだれを滴らせ、美女を掴む手にも腕にも強大な力が宿る。
「ガマニエル様っ」「ガマニエル様―――――っ」
その美しい顔が涙と鼻水で汚れるのも構わず、無用なプライドをかなぐり捨てて、必死で泣き叫ぶ美女二人。
「アニキ、…」
彼女たちを助けるべきなのか否か、マーカスには判断が出来かねた。アニキには何か、考えがあるのか。
見るに堪えない様相を呈しているアヤメの姉たちを前に、ガマニエルは葛藤に揺れていた。こぶしを握り締める。
彼女たちは高慢ちきで虚栄心が強く、自分本位で末妹のアヤメを散々貶め傷つけてきた。彼女たちの贅沢な生活はアヤメを踏みつけにした上に成り立っていた。彼女たちが幸せをひけらかすたびに、アヤメはその小さな胸をどれほど痛めてきただろう。
因果応報だ。
それに、彼女たちは自ら望んでガマニエルに付いてきたのだ。上辺に騙され、真相を知ろうともしない愚かな女たち。ほんの少し容姿に恵まれたからといって、誰もが意のままに自分に跪くと思いこんでいる傲慢な人間。
自業自得だ。
けれど、…
『祭りが終わったら、早く魔界に行こう。早く生贄を捧げて、元の姿に戻ろう。
そうしたらきっと、ちゃんとアヤメに向き合える』
あれは俺の姿だ。
ほんの少し見た目が良かったからと言って、何もかもが意のままになると驕り高ぶり、その報いを受けた。本来の姿に戻るために生贄を必要としたのに、そこに現れたアヤメに恋をしてしまった。最愛のアヤメを捧げることなど出来るはずもなく、代わりを見つけた。醜い自分に自信が持てずに、他人を犠牲にして幸せを守ろうとしている。
あの、愚かで傲慢な人間は俺だ。
無残に侵され喰らわれるべきは俺自身なのだ。
《うげうおおおおおおおおおおおおお―――――――っ》
一瞬の後、ガマニエルに切り付けられた魔草が黒く不気味な断末魔を上げた。
ガマニエルの攻撃は迅速で的確で強力だった。魔草は散り散りに引き裂かれ、出現したときと同じく突如として茂みごと消失した。アマリリスとアネモネは宙に放り出され、ゴブリンの三つ子たちも転がりながら床に落ちてきた。マーカスが素早い動きでアマリリスとアネモネを受け止める。二人は恐怖と恥辱に動けなくなっている。
「い、…痛いでやんす」「何するでやんす」「いいとこだったのにでやんす」
ご馳走を目前で奪われ、ゴブリンたちがぶちぶち文句を言うと、
「ふ、…フハ――ッハッハッハ――――っ」
玉座にふんぞり返ってハラハラしながら、もとい、ウキウキしながら一部始終を見守っていたドーデモードが微妙に無理のある高笑いを漏らした。あー、ドキドキした。
「どうした、ガマニエル? 好きになぶっていいんじゃなかったのか。臆したか」
しかし、ガマニエルが抵抗したので自分を取り戻した。
そうだ。苦しめ。
最愛の女を奪われた痛みを知れ。屈辱に悶えろ。恨みを募らせ、闇に落ちるがいい。
「まさか、お前ほどの自己愛の塊が自分より大切な存在を見つけたのか」
嘲るようなドーデモードの言葉を聞いて、固まっていたアマリリスとアネモネが急速に覚醒した。
…え? ガマニエル様の大切な存在?
自分よりも? 命よりも?
ハニー? マイスイートハー? マイディア??
いやーん、照れるわっ
顔を赤らめながら乱れたドレスを直す姉姫たちを見て、女って強いなと思うマーカスであった。
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