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secret.Ⅳ
07.
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俺で。俺のままで。
ウルフを好きでいていいんだ。離れなくていいんだ。
そう思ったらもの凄い幸福感が込み上げてきて、窒息しそうになった。抱えきれなくて溢れ出した幸せが涙に形を変えて、ぽろぽろ落ちる。身に余るほどの、溺れそうなほどの幸せをくれたウルフに、俺も幸せをあげたい。
「ウルフ、…」
この幸せがウルフに伝わりますように、ウルフにしがみ付いたままその滑らかな頬にすりすりすると、ウルフは俺の髪を撫でながらたくさんキスしてくれた。
ウルフに導かれるままに、唇を合わせて舌を絡めてお互いを味わう。舌で上顎をくすぐられて広がる快感に揺れる身体を軽やかになだめられた時、
ふいに。
ウルフは最初から知ってたのになんで俺は必死にレイの振りをしてたんだ? という根本的な疑問が湧き起こった。ウルフを騙して、みんなを欺いているという罪悪感に、どんだけ凹んでいたか。ウルフを諦めて消えなきゃいけないっていう、俺の悲壮な決意は、…
「…お前、俺のことレイって呼んでなかった? …女として扱ってたよな?」
もしかして、最初から必要なかったんじゃ??
唇を離されて若干不満そうに、それでもほんのり気まずそうに、
「…それはお前が必死で女の振りしてて、可愛かったから」
言って、ウルフがちゅっと俺に口づける。
ちゅっ、…じゃねえ。
お前を断ち切るために流した俺の涙を返せ!!
俺の鼻息の荒さで怒りの度合いを推し量ったらしいウルフは、正面から額を合わせて素直に謝った。
「ごめん。俺は一目で強烈に惚れ込んだのに、お前は俺を覚えてないし、早く俺でいっぱいになって欲しくて意地悪した」
しょんぼり耳を垂れている大型犬のようなウルフは、それはそれで可愛い。
真実を告げる勇気がなかった俺も悪いし。なんて、簡単にほだされかける。
俺、ちょろすぎる、…
「神子様も快く承諾してくれたし、…」
…って、婆も共謀かっ
「あと、お前の泣き顔が可愛すぎる、…」
ふざけんな、このドS!!
「おま、…っ!」
「まあ俺も、…」
俺の抗議を易々と唇でふさいで、ウルフの青い目が俺をじっと見つめる。
「目を離すとすぐにどこか行こうとする俺のやんちゃな妻に言いたいことはいろいろあるが、…」
あれ、…もしかしてウルフ、まだ怒ってる?
「どうしても伝えたいのは一つだけだ」
ウルフの青が俺を貫く。
俺を捕えて離さない青い青い美しい瞳。鮮烈で揺ぎなく、秀麗で誇り高く、どこまでも真っすぐな慈しみに満ちた、大好きなウルフの瞳が俺だけを映す。
「…愛してる、ライ。お前だけ。これからもずっと」
幸せが弾けて、ウルフの青が揺れて滲む。
唇から、耳から、手のひらから、腕から、密着する身体の至るところから、愛情が溢れて飲み込まれて、頭の上から足の先まで痺れるような快感が巡る。ウルフの言葉を声を温もりを離さないように身体の芯で受け止めて、ぎゅううっと抱きしめたら緩やかに続く快感が弾けだして驚いた。
「俺も好き、…」
身体はまだ全部繋がっていないのに、心が通じて強く結ばれると、同じように至福に溶けてしまうんだ。
「ウルフが好き。もう絶対離れない」
俺を見て、幸せそうに笑ったウルフは、長い舌を伸ばして俺の喉奥深くまで差し入れると、手探りで巧みに俺をほどいて、しなやかな動きで一気に根本まで突き入れた。瞬間、俺は嵐のような歓喜の渦に叩き込まれ、とめどない快楽の滝つぼに溺れさせられて、怖いくらいの快感の激流にめちゃめちゃに狂わされた。
ウルフを好きでいていいんだ。離れなくていいんだ。
そう思ったらもの凄い幸福感が込み上げてきて、窒息しそうになった。抱えきれなくて溢れ出した幸せが涙に形を変えて、ぽろぽろ落ちる。身に余るほどの、溺れそうなほどの幸せをくれたウルフに、俺も幸せをあげたい。
「ウルフ、…」
この幸せがウルフに伝わりますように、ウルフにしがみ付いたままその滑らかな頬にすりすりすると、ウルフは俺の髪を撫でながらたくさんキスしてくれた。
ウルフに導かれるままに、唇を合わせて舌を絡めてお互いを味わう。舌で上顎をくすぐられて広がる快感に揺れる身体を軽やかになだめられた時、
ふいに。
ウルフは最初から知ってたのになんで俺は必死にレイの振りをしてたんだ? という根本的な疑問が湧き起こった。ウルフを騙して、みんなを欺いているという罪悪感に、どんだけ凹んでいたか。ウルフを諦めて消えなきゃいけないっていう、俺の悲壮な決意は、…
「…お前、俺のことレイって呼んでなかった? …女として扱ってたよな?」
もしかして、最初から必要なかったんじゃ??
唇を離されて若干不満そうに、それでもほんのり気まずそうに、
「…それはお前が必死で女の振りしてて、可愛かったから」
言って、ウルフがちゅっと俺に口づける。
ちゅっ、…じゃねえ。
お前を断ち切るために流した俺の涙を返せ!!
俺の鼻息の荒さで怒りの度合いを推し量ったらしいウルフは、正面から額を合わせて素直に謝った。
「ごめん。俺は一目で強烈に惚れ込んだのに、お前は俺を覚えてないし、早く俺でいっぱいになって欲しくて意地悪した」
しょんぼり耳を垂れている大型犬のようなウルフは、それはそれで可愛い。
真実を告げる勇気がなかった俺も悪いし。なんて、簡単にほだされかける。
俺、ちょろすぎる、…
「神子様も快く承諾してくれたし、…」
…って、婆も共謀かっ
「あと、お前の泣き顔が可愛すぎる、…」
ふざけんな、このドS!!
「おま、…っ!」
「まあ俺も、…」
俺の抗議を易々と唇でふさいで、ウルフの青い目が俺をじっと見つめる。
「目を離すとすぐにどこか行こうとする俺のやんちゃな妻に言いたいことはいろいろあるが、…」
あれ、…もしかしてウルフ、まだ怒ってる?
「どうしても伝えたいのは一つだけだ」
ウルフの青が俺を貫く。
俺を捕えて離さない青い青い美しい瞳。鮮烈で揺ぎなく、秀麗で誇り高く、どこまでも真っすぐな慈しみに満ちた、大好きなウルフの瞳が俺だけを映す。
「…愛してる、ライ。お前だけ。これからもずっと」
幸せが弾けて、ウルフの青が揺れて滲む。
唇から、耳から、手のひらから、腕から、密着する身体の至るところから、愛情が溢れて飲み込まれて、頭の上から足の先まで痺れるような快感が巡る。ウルフの言葉を声を温もりを離さないように身体の芯で受け止めて、ぎゅううっと抱きしめたら緩やかに続く快感が弾けだして驚いた。
「俺も好き、…」
身体はまだ全部繋がっていないのに、心が通じて強く結ばれると、同じように至福に溶けてしまうんだ。
「ウルフが好き。もう絶対離れない」
俺を見て、幸せそうに笑ったウルフは、長い舌を伸ばして俺の喉奥深くまで差し入れると、手探りで巧みに俺をほどいて、しなやかな動きで一気に根本まで突き入れた。瞬間、俺は嵐のような歓喜の渦に叩き込まれ、とめどない快楽の滝つぼに溺れさせられて、怖いくらいの快感の激流にめちゃめちゃに狂わされた。
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