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secret.Ⅱ
07.
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「信っっっじらんねえ!!」
エロバカ王子のせいで足腰立たなくなった俺は、ウルフに抱えられたままシーザーから降ろされ、王宮にあるウルフの居室に運ばれていた。
「…ウルフのバカっ、どエロ魔王っ、誰が見てるか分かんねえのに、あんな、あんな、…っ」
恥辱が過ぎて言葉にならない。
怒りに震えて猛抗議する俺を軽々と抱きかかえながら、ウルフはどこか楽しそうに余裕の笑みを漏らす。
「楽しかったな?」
「変態っ! ドブに捨てた羞恥心を取り戻してこい!」
興奮冷めやらない俺を優しく撫でてなだめながら、俺の額に押し当てた唇を、瞼や鼻に遊ばせる。
「…誰も見てないよ」
「シーザーが、…っ」
俺がシーザーから降りるときに奴が見せた失笑の馬面が忘れられない。同じ男として恥ずかしい、という嘆かわしさ全開の顔。
違うって、シーザー。多分、女の身体の方が感じるんだって。知らんけど。
「シーザーは、…見てたというより、参加してたな」
俺の髪を指に絡めて弄びながら、間近で甘く揺れる青い瞳は楽しさ全開。悪びれた様子は一ミリもなく、反省の色は皆無だ。
「もう俺、シーザーに乗れない、…」
アイツは男の中の男なのに。シーザーをおかしなことに巻き込んでしまった。
「いや、シーザー、お前のこと気に入ったと思うよ? アイツ、俺が連れてくる女は端から毛嫌いするんだけど、お前のことは大人しく乗せてたし、なんならノリノリで参加してたし」
ちゅっ、ちゅっ、と軽いキスを繰り返すウルフは心底楽しそうだが、何かが俺に引っかかる。
俺が連れてくる女、…?
「な? そんな怒るなって。お前が可愛すぎて止められなかった。次はちゃんと加減するから」
地味に芽生えた俺のもやもやは、能天気なウルフのセリフに置き去りにされた。
…次ぃいいい!?
「ふざけんなよ、もうぜってーやんねえし!」
ふんっと顔を逸らすと、ウルフの低い笑い声が俺の耳をくすぐった。
「でもお前、めちゃくちゃ感じてたよな? あり得ないほど俺のこと締め付けて、…」
「それ以上言ったらコロスっ!!」
ウルフの恥知らず! 羞恥心と一緒に一回ドブに落ちてこいっ!!
ウルフは恥辱に震えながら渾身の睨みを利かせる俺をものともせず、思わず振り向いてしまった俺の唇に優しいキスをした。
「分かったよ。俺の妻は恥ずかしがりで可愛いな」
ウルフに撫でられて、無意識に尖らせていた唇が開く。撫でられて舐められて膨らんだ唇が、するりと差し込まれた舌を受け入れる。ウルフは俺のことを俺よりもよく分かっていて、俺をなだめるのが上手い。丁寧になぞられて、絡められて吸われて、長い舌を奥まで差し込まれて、俺はいつの間にかぴったりとウルフに身を寄せていた。
「な、レイ? またやろうな?」
ウルフに撫でられて、頭がふわふわする。甘い囁き声が俺の思考力を根こそぎ溶かす。
俺をかき混ぜるウルフの舌が気持ちよくて、もっと欲しくて、自分から舌を絡めた。
「ぜってー、…」
やらねえ、って言うはずだったのに、
「…いっかい、…だけ、…」
蕩けた舌は続く発言を間違え、俺は極上の笑みを浮かべたウルフにぴったり引き寄せられると、奔放な舌を奥の奥まで突っ込まれて、心地よいキスの嵐に溺れた。
俺、快楽に弱すぎる、…
エロバカ王子のせいで足腰立たなくなった俺は、ウルフに抱えられたままシーザーから降ろされ、王宮にあるウルフの居室に運ばれていた。
「…ウルフのバカっ、どエロ魔王っ、誰が見てるか分かんねえのに、あんな、あんな、…っ」
恥辱が過ぎて言葉にならない。
怒りに震えて猛抗議する俺を軽々と抱きかかえながら、ウルフはどこか楽しそうに余裕の笑みを漏らす。
「楽しかったな?」
「変態っ! ドブに捨てた羞恥心を取り戻してこい!」
興奮冷めやらない俺を優しく撫でてなだめながら、俺の額に押し当てた唇を、瞼や鼻に遊ばせる。
「…誰も見てないよ」
「シーザーが、…っ」
俺がシーザーから降りるときに奴が見せた失笑の馬面が忘れられない。同じ男として恥ずかしい、という嘆かわしさ全開の顔。
違うって、シーザー。多分、女の身体の方が感じるんだって。知らんけど。
「シーザーは、…見てたというより、参加してたな」
俺の髪を指に絡めて弄びながら、間近で甘く揺れる青い瞳は楽しさ全開。悪びれた様子は一ミリもなく、反省の色は皆無だ。
「もう俺、シーザーに乗れない、…」
アイツは男の中の男なのに。シーザーをおかしなことに巻き込んでしまった。
「いや、シーザー、お前のこと気に入ったと思うよ? アイツ、俺が連れてくる女は端から毛嫌いするんだけど、お前のことは大人しく乗せてたし、なんならノリノリで参加してたし」
ちゅっ、ちゅっ、と軽いキスを繰り返すウルフは心底楽しそうだが、何かが俺に引っかかる。
俺が連れてくる女、…?
「な? そんな怒るなって。お前が可愛すぎて止められなかった。次はちゃんと加減するから」
地味に芽生えた俺のもやもやは、能天気なウルフのセリフに置き去りにされた。
…次ぃいいい!?
「ふざけんなよ、もうぜってーやんねえし!」
ふんっと顔を逸らすと、ウルフの低い笑い声が俺の耳をくすぐった。
「でもお前、めちゃくちゃ感じてたよな? あり得ないほど俺のこと締め付けて、…」
「それ以上言ったらコロスっ!!」
ウルフの恥知らず! 羞恥心と一緒に一回ドブに落ちてこいっ!!
ウルフは恥辱に震えながら渾身の睨みを利かせる俺をものともせず、思わず振り向いてしまった俺の唇に優しいキスをした。
「分かったよ。俺の妻は恥ずかしがりで可愛いな」
ウルフに撫でられて、無意識に尖らせていた唇が開く。撫でられて舐められて膨らんだ唇が、するりと差し込まれた舌を受け入れる。ウルフは俺のことを俺よりもよく分かっていて、俺をなだめるのが上手い。丁寧になぞられて、絡められて吸われて、長い舌を奥まで差し込まれて、俺はいつの間にかぴったりとウルフに身を寄せていた。
「な、レイ? またやろうな?」
ウルフに撫でられて、頭がふわふわする。甘い囁き声が俺の思考力を根こそぎ溶かす。
俺をかき混ぜるウルフの舌が気持ちよくて、もっと欲しくて、自分から舌を絡めた。
「ぜってー、…」
やらねえ、って言うはずだったのに、
「…いっかい、…だけ、…」
蕩けた舌は続く発言を間違え、俺は極上の笑みを浮かべたウルフにぴったり引き寄せられると、奔放な舌を奥の奥まで突っ込まれて、心地よいキスの嵐に溺れた。
俺、快楽に弱すぎる、…
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