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iiyori.06
05.
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「そこにその、なえ様をお連れしたら、晴信様はご自分に対する反逆とお受け取りになるでしょう。実際、家臣の中には晴信様のやり方に不満を持つ者も多く、晴信様はいずれ穂月様が家臣と共謀して反旗を翻すのではないかと疑心暗鬼になっているのです」
なるほど。
中学生に実の母を処刑させるとかお世継ぎを産めとか、晴信最悪って思うけど、その親と全面戦争になったら、穂月の家は二分され、穂月は実の父も、父に付いている家臣たちも討たなきゃならなくなるわけで、出来ればもうこれ以上、穂月につらい殺生をして欲しくない。
「大丈夫だよ、穂月。大根と人参もいい感じに洗えるから」
任せてっと舌を出すと、
「阿呆」
超絶不機嫌な穂月にその舌を引っ張られた。
「いは、…い、むっ、…っ」
そのまま、指先が舌先に変わり、ちょっと怒ったみたいな穂月にめちゃくちゃ奥まで差し入れられて、深く深くかき混ぜられた。絡まる。ほどける。甘い。苦しい。心地良い。響く。弾ける。もっと、…
「穂月様。なえ様を毎夜、穂月様の臥所にお連れするとお約束します。女中としてお城に入られた方が晴信様に目を付けられることもなく、ご正室やご側室からの恨みつらみをも買わず、なえ様も健やかに過ごせるかと」
…やばい。腰抜けた。
穂月の深いキスに息も絶え絶えの私を、穂月はぎゅううっと強く抱きしめた。
「約束だ、鷹朋。なえが来なかったら俺が行く」
「え、それ女中にした意味ないやつ、…」
鷹朋さんがぶつぶつ言うのには構わず、穂月は私を抱きしめたまま、耳に唇を寄せた。
「なえ。お前は俺の妻だ」
「…うん」
「誰が何と言おうとお前だけだ」
「…うん」
穂月の言葉と吐息が私の耳朶を溶かし、身体に沁み込んで細胞を震わせる。
穂月の胸から目を上げると、穂月の怖いくらい強い瞳が真っ直ぐに私を射抜いた。その強さに息が止まりそうになる。
「分かってるのか」
「…うん」
頷いたら、そのまま髪に手を差し入れて引き寄せ、穂月はもう一度私を強く強く抱きしめた。
…穂月。
やっぱり私、穂月を置いてはいけない。
きっと帰る方法を見つけるから、一緒に未来に帰ろう、…
「あの、穂月様。城内では穂月様の居室以外でなえ様に触れることはお控えくださいね。即バレですからね」
「…うるさい」
なんか苦笑している鷹朋さんと、なんとか穂月を説得して、私は鷹朋さんご紹介の女中として志田城で雇ってもらうことになった。
なるほど。
中学生に実の母を処刑させるとかお世継ぎを産めとか、晴信最悪って思うけど、その親と全面戦争になったら、穂月の家は二分され、穂月は実の父も、父に付いている家臣たちも討たなきゃならなくなるわけで、出来ればもうこれ以上、穂月につらい殺生をして欲しくない。
「大丈夫だよ、穂月。大根と人参もいい感じに洗えるから」
任せてっと舌を出すと、
「阿呆」
超絶不機嫌な穂月にその舌を引っ張られた。
「いは、…い、むっ、…っ」
そのまま、指先が舌先に変わり、ちょっと怒ったみたいな穂月にめちゃくちゃ奥まで差し入れられて、深く深くかき混ぜられた。絡まる。ほどける。甘い。苦しい。心地良い。響く。弾ける。もっと、…
「穂月様。なえ様を毎夜、穂月様の臥所にお連れするとお約束します。女中としてお城に入られた方が晴信様に目を付けられることもなく、ご正室やご側室からの恨みつらみをも買わず、なえ様も健やかに過ごせるかと」
…やばい。腰抜けた。
穂月の深いキスに息も絶え絶えの私を、穂月はぎゅううっと強く抱きしめた。
「約束だ、鷹朋。なえが来なかったら俺が行く」
「え、それ女中にした意味ないやつ、…」
鷹朋さんがぶつぶつ言うのには構わず、穂月は私を抱きしめたまま、耳に唇を寄せた。
「なえ。お前は俺の妻だ」
「…うん」
「誰が何と言おうとお前だけだ」
「…うん」
穂月の言葉と吐息が私の耳朶を溶かし、身体に沁み込んで細胞を震わせる。
穂月の胸から目を上げると、穂月の怖いくらい強い瞳が真っ直ぐに私を射抜いた。その強さに息が止まりそうになる。
「分かってるのか」
「…うん」
頷いたら、そのまま髪に手を差し入れて引き寄せ、穂月はもう一度私を強く強く抱きしめた。
…穂月。
やっぱり私、穂月を置いてはいけない。
きっと帰る方法を見つけるから、一緒に未来に帰ろう、…
「あの、穂月様。城内では穂月様の居室以外でなえ様に触れることはお控えくださいね。即バレですからね」
「…うるさい」
なんか苦笑している鷹朋さんと、なんとか穂月を説得して、私は鷹朋さんご紹介の女中として志田城で雇ってもらうことになった。
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