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iiyori.06
04.
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「じゃあ、なえ。次はこの牛蒡を洗って」
「はあい♡ マキちゃん♡ 喜んで♡」
「お・マ・キっっ!! 誰がマキちゃんじゃ。気色悪いんじゃこら」
女中頭のマキちゃんに頭をグリグリ突かれる。痛い、怖い、変わらない。
スパルタ教育の鬼、真木 鈴華、ここに健在っ
「あの新しい子、おマキさんに叱られて嬉しそう」
「ちょっと、お頭が弱いんだね、可哀想に」
いや、違いますって皆さん。
嬉しいんですって。
だって~~~、戦国時代にマキちゃんがいた~~~~~
「鷹朋様もどうしてこんな使えない子どもを雇ったんだか」
「遠い親戚らしいけど、ヘマして穂月様に切り捨てられるのが落ちじゃないかね」
そんな不吉なこと言わんといて。穂月様はそんなことしませんて。
聞こえよがしな女中さんたちの愚痴を右から左へ流しながら、桶に積まれた牛蒡の山をごっしごっしとたわしで洗う。
そう。私は今、穂月の住む志田城に女中として置いてもらっている。
穂月率いる志田軍が温泉のある山の麓から志田城に戻ることになり、穂月は私を妻として連れて行くって言ったけど、現当主である志田晴信様(穂月のお父さん)が激怒するのは目に見えてるし、親子全面戦争になるからやめてもらえないかと、鷹朋さんはじめ家臣の人たちに懇願されたのだ。
「だからって、なんでお前を女中にしなきゃならないんだよ?」
「こう見えて私、特技は牛蒡の早洗いで、…」
「嘘つくな」
穂月に鼻を摘ままれる。
なんでバレた??
「お前の入れ知恵か、鷹朋」
「あ、いや、まあ。穂月様のためにも、なえ様のためにも、その方がよろしいかと、…」
鷹朋さんは、さすが鷹峰くんの御先祖様だけあって、距離感が近くて話しやすい。穂月にもお兄ちゃんのように接していて、どうやら二人は乳兄弟というやつらしい。
その鷹朋さん曰く、志田城内は今、なかなか物騒な状態にあるらしい。
当主である志田晴信様は相当な野心家で、志田勢力の拡大が最優先。そのためなら手段を選ばない。妖刀使いで無敵と称される嫡男穂月のことは最良の手駒だと思っている。冷酷非道な晴信は、謀反の兆しあれば真偽を確かめずに全員処刑。自分の正妻で穂月の母親である麦姫が穂月の弟を生んだ時には、家臣と内通した嫌疑で穂月に処刑させたのだという。
「あ、…実の母も弟もこの手で殺めた、とか言ってたあれ、…」
「そうです。穂月様の冷酷さを裏付けるため、晴信様が命じられたのです」
志田勢力拡大のため、穂月には晴信からあてがわれたご正室の三姫とご側室の愛姫、舞姫がいるが、一向にお世継ぎが生まれないので晴信はピリピリしているとか。
「はあい♡ マキちゃん♡ 喜んで♡」
「お・マ・キっっ!! 誰がマキちゃんじゃ。気色悪いんじゃこら」
女中頭のマキちゃんに頭をグリグリ突かれる。痛い、怖い、変わらない。
スパルタ教育の鬼、真木 鈴華、ここに健在っ
「あの新しい子、おマキさんに叱られて嬉しそう」
「ちょっと、お頭が弱いんだね、可哀想に」
いや、違いますって皆さん。
嬉しいんですって。
だって~~~、戦国時代にマキちゃんがいた~~~~~
「鷹朋様もどうしてこんな使えない子どもを雇ったんだか」
「遠い親戚らしいけど、ヘマして穂月様に切り捨てられるのが落ちじゃないかね」
そんな不吉なこと言わんといて。穂月様はそんなことしませんて。
聞こえよがしな女中さんたちの愚痴を右から左へ流しながら、桶に積まれた牛蒡の山をごっしごっしとたわしで洗う。
そう。私は今、穂月の住む志田城に女中として置いてもらっている。
穂月率いる志田軍が温泉のある山の麓から志田城に戻ることになり、穂月は私を妻として連れて行くって言ったけど、現当主である志田晴信様(穂月のお父さん)が激怒するのは目に見えてるし、親子全面戦争になるからやめてもらえないかと、鷹朋さんはじめ家臣の人たちに懇願されたのだ。
「だからって、なんでお前を女中にしなきゃならないんだよ?」
「こう見えて私、特技は牛蒡の早洗いで、…」
「嘘つくな」
穂月に鼻を摘ままれる。
なんでバレた??
「お前の入れ知恵か、鷹朋」
「あ、いや、まあ。穂月様のためにも、なえ様のためにも、その方がよろしいかと、…」
鷹朋さんは、さすが鷹峰くんの御先祖様だけあって、距離感が近くて話しやすい。穂月にもお兄ちゃんのように接していて、どうやら二人は乳兄弟というやつらしい。
その鷹朋さん曰く、志田城内は今、なかなか物騒な状態にあるらしい。
当主である志田晴信様は相当な野心家で、志田勢力の拡大が最優先。そのためなら手段を選ばない。妖刀使いで無敵と称される嫡男穂月のことは最良の手駒だと思っている。冷酷非道な晴信は、謀反の兆しあれば真偽を確かめずに全員処刑。自分の正妻で穂月の母親である麦姫が穂月の弟を生んだ時には、家臣と内通した嫌疑で穂月に処刑させたのだという。
「あ、…実の母も弟もこの手で殺めた、とか言ってたあれ、…」
「そうです。穂月様の冷酷さを裏付けるため、晴信様が命じられたのです」
志田勢力拡大のため、穂月には晴信からあてがわれたご正室の三姫とご側室の愛姫、舞姫がいるが、一向にお世継ぎが生まれないので晴信はピリピリしているとか。
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